労働問題996 労基法上の労働者性が肯定された裁判例を教えてください。

 関西医科大学研修医事件(最高裁平成17年6月3日判決)は、平成10年から関西医科大学に研修医として勤務を始めた研修医A氏が、同年8月16日に急性心筋梗塞症にて亡くなったことに基づき、遺族から関西医科大学に対して、過労死の損害賠償請求を求めた事案です。裁判では、研修医A氏が労働者か否かについて争われ、大阪地裁、大阪高裁に続いて、最高裁判決でも研修医A氏の労働者性が認められました。

 研修医A氏が受けていた臨床研修の概要は、次のとおりです。
(1) 午前7時30分頃から入院患者の採血を行い、午前8時30分頃から入院患者に対する点滴を行っていた。
(2) 午前9時から午後1時30分ないし午後2時まで、一般外来患者の検査の予約、採血の指示を行って、診察を補助していた。問診や点滴を行い、処方箋の作成を行うほか、検査などを見学していた。
(3) 午後は専門外来患者の診察を見学するとともに、一般外来の場合と同様に診察を補助していた。火曜日及び水曜日には、手術を見学することもあった。
(4) 午後4時30分頃から午後6時頃まで、カルテを見たり、文献を読んだりして、自己研修を行っていた。
(5) 午後6時30分頃から入院患者に対する点滴を行っていた。
(6) 午後7時以降は入院患者に対する処置を補助することがあった。指導医が不在の場合や指導医の許可がある場合には、単独で処置を行うこともあった。
(7) 指導医が当直をする場合には、翌朝まで病院内で待機し、副直をしていた。
 また、本件の病院は、A氏の臨床研修期間中、A氏に対して奨学金として月6万円及び副直手当として1回あたり1万円を支払っており、病院はこれらの金員につき所得税法28条1項所定の給与等に当たるものとして源泉徴収を行っていました。

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