労働問題990 事業場外労働のみなし労働時間制における「労働時間を算定し難いとき」とは、どのような場合のことをいいますか?

 「労働時間を算定し難いとき」とは、使用者の具体的な指揮監督が及ばないと評価され、客観的にみて労働時間を把握することが困難である例外的な場合をいうと考えるのが一般的です。

 「労働時間を算定し難いとき」に該当するのはどのような場合なのかが問題となった裁判(阪急トラベルサポート事件最高裁第二小法廷平成26年1月24日判決)では、一般的な判断基準を示していませんが、派遣添乗員の業務が「労働時間を算定し難いとき」に該当するかを判断するに当たり、業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、阪急交通社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等を検討していますので、「労働時間を算定し難いとき」に当たるかを判断するに当たっては、
① 業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等
② 使用者と社員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等
が重要な考慮要素になると思われます。

 なお、行政解釈では、次のような場合には、事業場外で業務に従事する場合であっても、使用者の具体的な指揮監督が及んでいるとして、労働時間の算定が可能であり、みなし労働時間制は適用されないとしています(通達昭和60年1月1日基発1号)。
① 何人かのグループで事業所外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
② 事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
③ 事業場において、訪問先や帰社時刻など当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場に戻る場合

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