Q978 社員の競業行為に対して損害賠償請求をする場合の損害額の考え方について教えて下さい。

 社員の競業行為に対して損害賠償請求する場合,競業避止義務違反と相当因果関係のある損害を,主張・立証する必要があります。
 損害額を算定する際には,使用者は,まずどのような利益を逸失しているかを具体的に把握し,把握した逸失利益について金額に換算していくことになります。
 逸失利益が認められる期間については,競業避止義務違反の影響から回復するに足る相当期間がどの程度なのか検討されます。裁判では,6か月以内で認定されることが多いところです。例えば,従業員の引き抜きの事案では,人材の流動性を踏まえて使用者が人材を補塡し得る期間がどの程度なのか検討されます。裁判例では,派遣会社の社員が在職中に新会社を設立して代表取締役に就任し,派遣社員を新会社に引き抜いて派遣先との間で派遣契約を締結した事案について,従業員を補充するには相応の期間を要するとして,逸失利益の期間を6か月と認定しました(東京地裁平成27年9月29日判決)。顧客が奪われた事案については,市場の状況等を踏まえ,使用者が営業を回復するに足る相当期間はどの程度か検討されることになります。


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