労働問題948 実労働時間はどのようなものに基づいて判定されますか?

実労働時間の判定基準

 実労働時間は、
① タイムカード、タコグラフ等の機械的正確性があるもの
② 日報、週報等の、機械的正確性はないが使用者が関与していて業務関連性があるもの
③ PCのログイン・ログアウト時刻、メールの送受信記録、入退館記録のセキュリティデータ等の、機械的正確性はあるが業務関連性が明白ではないもの
④ メモ、手帳等の、機械的正確性がなく、業務関連性も明白ではないもの
等に基づいて判定されます。

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」

 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平成13年4月6日基発339号)では、労働時間の適正な管理のために使用者が講ずべき措置として、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認しこれを記録すること、この確認方法として
① 使用者自らによる現認による確認
② タイムカード、ICカード等による客観的記録を基礎とする確認
③ 自己申告制による確認の場合には、労働時間の実態を正しく申告するように説明し、実態と合致しているか必要に応じて調査し、労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働の上限の設定はしないようにすること
等を指示しています。

裁判における実労働時間の判断

 裁判においても、タイムカード、ICカード等による客観的記録を利用した時間管理をしている場合には、特段の事情がない限り、タイムカード、ICカード等の打刻時間により、実労働時間が推認されています。

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