Q843 労働者派遣法は,派遣元の講ずべき措置についてどのように定めていますか?

 労働者派遣法は,派遣元の講ずべき措置について,次のとおり定めています。
①特定有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等措置
②段階的かつ体系的な教育訓練等
③派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先労働者との均衡を考慮した待遇の確保のための措置
④派遣労働者の福祉の増進のための措置
⑤適正な派遣就業の確保のための措置
⑥待遇に関する事項等の説明
⑦派遣労働者であることの明示等
⑧派遣労働者,派遣先に雇用されることを禁止する契約の禁止
⑨派遣就業条件(従事する業務内容,就業場所,派遣期間,終業開始終了時刻,休憩時間,派遣先責任者,派遣元責任者等)及び派遣可能期間に制限がある場合はその期間満了日を明示した文書を交付する義務
⑩労働者派遣に関する料金の額の明示
⑪派遣先への労働者の氏名,雇用形態,社会保険の加入状況等の一定事項の通知
⑫派遣可能期間の適切な運用
⑬日雇労働者についての労働者派遣の原則禁止
⑭派遣先を離職後1年経過しない労働者についての労働者派遣の禁止
⑮派遣元責任者の選任
⑯派遣元管理台帳の作成,記載及び3年間の保存

 ①特定有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等措置について,平成27年の労働者派遣法の改正では,平成24年の改正により設けられていた雇用安定措置の内容を,次のとおり,より具体化しています。
ア.派遣先への直接雇用の依頼
イ.新たな派遣先の提供(新たな派遣先は,能力,経験,住居地,従前の職務に係る待遇,その他派遣労働者の配置に関して通常考慮すべき事項に照らして合理的なものに限られます。)
ウ.派遣元による無期雇用
エ.その他雇用の安定を図るために必要な措置(有給の教育訓練,紹介予定派遣,その他雇用の継続が図られると認められる措置に限られます。)

 ②段階的かつ体系的な教育訓練等について,派遣元は,派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるよう教育訓練を実施しなければなりません(労派遣30条1項)。教育訓練は,以下の要件を満たした教育訓練計画に基づく必要があります(平成27年厚労告391号4号)。
ア.教育訓練が全派遣労働者を対象とすること
イ.教育訓練が有給かつ無償であること
ウ.教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容であること
エ.入職時の教育訓練を含むこと
オ.無期雇用派遣労働者に対する教育訓練は,長期的キャリアの形成を念頭に置いた内容であること

 ③労働者派遣の均衡待遇について,派遣元は,派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者との賃金水準との均衡を考慮しつつ,当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容,職務の成果,意欲,能力若しくは経験等を勘案し,当該派遣労働者の賃金を決定するよう配慮しなければならず,派遣労働者から求めがあったときは,これらを決定するにあたって考慮した事項について,説明をしなければなりません(労派遣31条2)。

 また,派遣元と有期労働契約を締結する派遣労働者にも,無期労働契約への転換申込権が発生する場合があります。すなわち,派遣元と派遣労働者との間で締結された2以上の有期労働契約の期間を通算した期間が5年を超える場合に,派遣労働者が派遣元に対し,現に締結している有期労働契約の契約期間満了までの間に,当該満了日の翌日から労務が提供される無期労働契約の締結の申込みをしたときは,派遣元は,当該申込みを承諾したものとみなされ,現に締結している有期労働契約の内容である労働条件と同一の内容の無期労働契約が成立することになります。


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