労働問題774 始業時刻前にタイムカードを打刻した場合、打刻時間が勤務開始時間と認められてしまうのでしょうか?

 タイムカードによって時間管理がなされている場合、多くの裁判例で、特段の事情が無い限り、タイムカードの打刻時間が実労働時間と事実上推定されています。
 ただし、始業時刻よりも前にタイムカードを打刻されている場合、始業開始前の打刻時間が当然に実労働時間とされるわけではありません。労働時間に該当するか否かは、社会通念に照らし、客観的にみて、当該労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価できるか否かという観点から行われるものであり、始業時刻よりも前に打刻したとしても、通常は使用者の指揮命令下に置かれていたとは評価することができず、特別の事情が認められない限り、始業時刻をもって業務開始時間とした裁判例があります(イーライフ事件東京地裁平成25年2月28日判決)。
 また、会社構内における滞留時間を記録するICカードについても、履歴上の滞留時間をもって直ちに時間外労働をしたと認めることはできないとした裁判例もあります(オリエンタルモーター事件東京高裁平成25年11月21日判決)。

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