労働問題767 出向者を業務命令により出向元に復帰させることはできますか?

 出向者は、本来、出向元の従業員であり、出向元の命令により一時的に出向先で就労しているわけですから、出向元は、出向者の同意を得ずに復帰命令を発令することができます。
 裁判例も、「出向元が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、特段の事由のない限り、当該労働者の同意を得る必要はないものと解すべきである。」と判示されています(古河電気工業・原子燃料工業事件最高裁昭和60年4月5日判決)。ここでいう「特段の事由」とは、出向元へ復帰しないことを予め出向者に説明しており、出向者がこれに同意していたような場合です。このような場合、出向元に戻さないことが労働契約の内容になっていると考えられ、出向元は、一方的に復帰させることはできません。
 また、出向元よりも出向先の方が賃金が高額であったり、就業環境が良いなどの理由で、出向者が復帰を拒むことがありますが、このような出向者の主張は一般的に認められません。 

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