労働問題768 出向者が出向元に復帰させるよう要求してきた場合,応じなければならないのでしょうか。
出向は、将来出向元に復帰することを本質的要素とするものですから、出向期間が明確に定められている場合、その期間満了とともに出向者は出向元に対して復帰を要求できます。また、出向期間が定められていなくても、出向の目的が明確で、当該目的が達成されたと客観的に判断できる場合には、出向者は復帰を要求することができます。
他方、出向命令書等において出向の期間が不明確で、出向目的も特定されたものではない場合は、経過した出向期間、出向目的、出向先や出向元の状況等から検討していくことになります。出向先で、出向者が少しの期間なくてはならない存在であったり、出向時に予測することができなかった事情が生じたような場合には、延長や長期化の正当性が認められることがあります。ただし、出向期間を定めていないものの、出向目的が達成されていると客観的に認定でき、社員が出向してから3年~5年経っているような場合には、出向者は復帰を要求できると考えます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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