労働問題738 労働審判に対する異議申し立てはどのように行えばいいですか?
労働審判手続の結果として行われる労働審判について、当事者は、労働審判に不服があるときは、審判書の送達を受けた日又は労働審判期日において労働審判の口頭告知を受けた日から2週間以内に、裁判所に対して異議を申し立てることができます(労働審判法21条1項)。
労働審判に対する異議の申立ては、書面でしなければならないとされており、この書面をもって訴訟手続きを開始させることから、裁判所にファクシミリで提出することはできないものと解されます。この点については、非訟事件手続規則2条1項2号にも同様の趣旨の規定があります。
当事者がその責めに帰することができない事由により、労働審判の異議申立て期限内に異議申立てができなかった場合には、その事由が消滅した後1週間以内に異議の申立てを追完することができます(労働審判法29条1項)。
労働審判に対する異議申立ては、異議があることを明らかにするだけで足りますので、異議を申立てる理由まで付す必要はありません。
労働審判に対する異議申立書に、訴訟における実質的な主張等が記載されている場合は、準備書面としての性質を有するものとして扱われると解されます。
なお、裁判所は、労働審判に対する異議申立てが異議申立期限経過後になされた場合や、異議申立て権を有していない者から異議申立てがなされた場合は、この異議申立てを却下する決定をします(労働審判法21条2項)。この決定に対しては、即時抗告をすることができます(労働審判法29条1項)。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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