Q736 労働審判が取り消されるのはどのような場合ですか?

 労働審判手続の結果として行われる「労働審判」は、審判書の送達を受けた日又は労働審判手続の期日において労働審判の口頭告知を受けた日から2週間以内に裁判所に対して異議の申立てがないときは、その効力が確定することになります(労働審判法21条1項、4項)。労働審判の公示送達については、当事者が労働審判の内容を実際に了知できることは期待できず、適法な異議の申立てが無いからといって労働審判を確定させると当事者に著しい不利益を与えることになりかねないことから、審判書の公示送達は、当事者に民事訴訟法上の公示送達の要件がある場合でも、公示送達によることはできないとされており(労働審判法50条5項)、裁判所が決定で労働審判を取り消すことと定められています(労働審判法23条1項)。この決定に対しては、即時抗告をすることができます(労働審判法29条1項)。
 労働審判法23条では、審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で労働審判を取り下げなければならないとしています。
① 当事者の住所、居所その他送達すべき場所が知れないこと
② 第25条第5項において準用する民事訴訟法第107条1項の規定により送達をすることができないこと
③ 外国において送達すべき場所について、第20条5項において準用する民事訴訟法第108条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること
 労働審判手続は、審理を終結してから労働審判を行うまでの間は極めて短いのが通常であり、審理の終結から審判書を送達するまでの間に、上記労働審判法23条の事由が発生するとは考えにくいため、事実上、労働審判を取り下げることは少ないといえます。
 また、審理の終結前に、上記労働審判法23条の事項に該当する事由のあることが判明したときは、労働審判を行ったとしても裁判所が結局は取り消すことになるため、労働審判委員会が労働審判法24条1項により労働審判事件を終了させることになるものと考えます。
 労働審判を口頭で告知した場合は、審判書を送達することがないため、労働審判を取り消すことはないといえます。

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