労働問題692 労働審判手続の管轄はどこですか?
労働審判事件の管轄は、次のとおりです。
① 相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所
② 個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所
③ 当事者が合意で定める地方裁判所
④ 日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所
⑤ 相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所
⑥ 相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所
③当事者が合意で定める地方裁判所について、労働審判規則3条は、「書面でしなければならない」としているため、書面の無い合意は無効になります。また、合意の時期については制限されていないため、事前に合意することもできます。事前に合意する場合、明白に労働審判の管轄合意を意識してなされたものでなくてはならず、労働者にとって明らかに不利益な管轄合意は無効または取消しになる可能性があります。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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