労働問題467 社内組合との間で当該社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定(唯一交渉団体条項)のある労働協約を締結していることを理由として、社外の合同労組からの団体交渉申入れを拒絶することはできますか。
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唯一交渉団体条項を理由に合同労組からの団体交渉を拒絶することはできない 唯一交渉団体条項は、他の労働組合の団結権及び団体交渉権を侵害するものとして無効です。この条項の存在を理由に社外の合同労組からの団体交渉を拒絶することは不当労働行為に当たります。 |
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すべての労働組合の団結権・団体交渉権は等しく保障される 労働組合の団結権及び団体交渉権は等しく保障されるべき性質のものです。社内組合と唯一交渉団体条項のある労働協約を締結したからといって、他の労働組合の権利を侵害することはできません。 |
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唯一交渉団体条項自体が無効 唯一交渉団体条項は、他の組合との団体交渉を拒絶する根拠にはなりません。この条項を含む労働協約を締結していたとしても、その部分は法的効力を持ちません。 |
01唯一交渉団体条項とは
唯一交渉団体条項とは、社内組合との間で、当該社内組合が唯一の交渉団体である旨を定めた労働協約上の条項です。この条項がある場合、使用者は当該社内組合のみを団体交渉の相手として認め、他の労働組合からの団体交渉申入れを拒絶できると解釈されることがあります。
しかし、この解釈は法的に認められていません。唯一交渉団体条項は無効とされています。
02唯一交渉団体条項が無効となる理由
労働組合の団結権及び団体交渉権は等しく保障されるべき性質のものです。社内組合と唯一交渉団体条項のある労働協約を締結したからといって、他の労働組合の団結権及び団体交渉権を侵害することはできません。
唯一交渉団体条項は、特定の組合のみを交渉相手として認め、他の組合との交渉を排除するものですが、これは他の組合の憲法28条で保障された権利(団結権・団体交渉権)を不当に制限するものです。このため、唯一交渉団体条項は無効と解されています。
03拒絶は不当労働行為に当たる
唯一交渉団体条項の存在を理由に社外の合同労組からの団体交渉を拒絶することは、正当な理由のない団体交渉拒否として不当労働行為(労組法7条2号)に当たります(453番参照)。
唯一交渉団体条項が無効である以上、この条項は団体交渉拒否の「正当な理由」にはなりません。合同労組からの団体交渉申入れに対しては、唯一交渉団体条項の有無にかかわらず、原則として応じる必要があります。
04会社経営者として注意すべき点
社内組合との労働協約に唯一交渉団体条項が含まれている場合であっても、社外のユニオンから団体交渉の申入れがあった場合には、その条項を理由に拒絶することはできません。
社内組合から「うちが唯一の交渉団体だから他の組合との交渉には応じないでほしい」と要望されることもありますが、その要望に従えば不当労働行為となるリスクがあります。会社としては、複数の組合が存在する場合に、それぞれの組合との関係を適切に管理しながら対応する必要があります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 社内の多数組合が「他の組合との交渉に応じないでほしい」と言ってきました。
A. 社内組合の要望がどのような内容であっても、会社が他の労働組合からの団体交渉を拒絶する正当な理由にはなりません。他の組合との交渉に応じることは、社内組合との関係を悪化させるリスクはありますが、法的には他の組合の団体交渉権も等しく保障されています。使用者側弁護士に相談しながら、双方の組合との関係を適切に管理することが重要です。
Q2. 唯一交渉団体条項を含む労働協約は全体が無効になりますか。
A. 唯一交渉団体条項の部分が無効であっても、労働協約全体が無効になるわけではありません。唯一交渉団体条項以外の部分(賃金、労働時間等に関する定め)は引き続き有効です。
Q3. 複数の組合と同時に団体交渉を行うことは可能ですか。
A. 複数の組合からそれぞれ団体交渉の申入れがあった場合、それぞれ別個に対応するのが原則です。各組合の団体交渉権は独立して保障されているため、合同で一つの場で交渉することを強制することはできません。各組合との交渉を個別に管理する体制が必要になります。
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最終更新日:2026年2月25日