労働問題1002 労働者を雇い入れる際に、当該労働者が契約の不履行をした場合には違約金を支払う旨の誓約書を交わそうと考えていますが問題はありますか?

 労働者を雇い入れる際に、当該労働者が契約の不履行をした場合には違約金を支払う旨の誓約書を交わしたとしても、違約金及び賠償予定を禁止する労基法16条に反するため、無効と考えます。
 同条の趣旨は、労働者が一定期間を経ずに退職する場合に違約金や損害賠償金を支払わせることにすることで使用者が労働者の足止めを図る弊害を禁止することにあります。
 裁判例の中には、会社が負担した海外留学費用について、労働者が留学後5年以内に自己都合により退職した場合には原則として当該費用を全額返還させるという規定の有効性が問題となったものがあり、当該規定は海外留学後の労働者への勤務を確保することを目的とし、制裁の実質を有することから、労基法16条に違反し、無効と判断されました。

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