ワード:「労働問題」

労基法27条に違反して保障給が定められていない場合、民事上、保障給の支払義務はありますか。

 労基法27条は保障給の具体的な金額については何ら規定していませんので、保障給の定めがない場合は、民事上、労働者は、同条に基づいて保障給の支払を請求することはできず、使用者は同条に基づく保障給の支払義務を負うものではないと考えられます。
 民事上、労働者に対する支払義務を負うとすれば、労働時間に応じた最低賃金か、慰謝料あたりではないでしょうか。 弁護士法人四谷麹町法律事務所続きを見る

給料を完全出来高払制にすることはできますか。

 労基法27条は、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」としており、本条に違反して賃金の保障をしない使用者は、30万円以下の罰金に処せられます(労基法120条1号)。
 したがって、労働者の給料を、全く保障給がないという意味での完全出来高払制にすることはできません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所続きを見る

労基法37条5項、労基法施行規則21条には残業代(割増賃金)が除外賃金として掲げられていないため、残業代(割増賃金)算定の基礎から除外することはできないのでしょうか。

 労基法37条5項、労基法施行規則21条には残業代(割増賃金)が掲げられていませんが、残業代(割増賃金)の趣旨で支給する手当については、これを残業代(割増賃金)の基礎に算入すると、趣旨が重複するため、残業代(割増賃金)の基礎賃金から除外することになります。
 労基法37条5項、労基法施行規則21条に残業代(割増賃金)が掲げられていないせいか、残業代(割増賃金)の趣旨で支給する手当につ……

賃金規程で基本給のみを残業代(割増賃金)算定の基礎賃金とする旨定めて周知させた場合であっても、除外賃金に当たらない場合は、基本給以外の手当についても残業代(割増賃金)算定の基礎賃金に加える必要があるのですか。

 就業規則は労基法に違反してはならず(労基法92条1項)、労基法違反の就業規則はその部分に関しては労働契約の内容とはならず(労契法13条)、労基法が適用されます。
 したがって、除外賃金に当たらない手当が存在するにもかかわらず、賃金規程で基本給のみを残業代(割増賃金)算定の基礎賃金とする旨定めて周知させたとしても当該規定は労働契約の内容とはならず、基本給以外の除外賃金に当たらない手当……

除外賃金に当たらない手当が存在する場合に、労働契約書で基本給のみを残業代(割増賃金)算定の基礎賃金とする旨定めて合意した場合、基本給以外の手当についても残業代(割増賃金)算定の基礎賃金に加える必要がありますか。

 労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分については無効となり、無効となった部分は労基法で定める基準によることになります(労基法13条)。
 したがって、除外賃金に当たらない手当が存在するにもかかわらず、労働契約書で基本給のみを残業代(割増賃金)算定の基礎賃金とする旨定めて合意したとしても当該合意は無効となり、基本給以外の除外賃金に当たらない手当についても残業代……

除外賃金としての性質を有する「住宅手当」とはどのような手当のことをいうのですか。

 除外賃金としての性質を有する「住宅手当」とは、住宅に要する費用に応じて算定される手当のことをいいます。
 したがって、全社員に一律に定額で支給することとされているようなものは、除外賃金としての性質を有する「住宅手当」には該当せず、残業代(割増賃金)算定の基礎賃金に入れるべきこととなります(平成11年3月31日基発170号)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士……

除外賃金としての性質を有する「家族手当」とはどのような手当のことをいうのですか。

 除外賃金としての性質を有する「家族手当」とは、扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基準として算出する手当のことをいいます。
 したがって、独身社員についてまで支払われていたり、扶養家族数に関係なく一律に支給されていたりする場合は、除外賃金としての性質を有する「家族手当」とは認められず、残業代(割増賃金)算定の基礎賃金に入れるべきこととなります(昭和22年11月5日基発231号……

「家族手当」「通勤手当」「住宅手当」といった名目で支払えば、残業代(割増賃金)支払の基礎から除外することができるのですか。

 除外賃金に該当するかどうかは、名称にかかわらず実質によって判断されますので(昭和22年9月13日発基17号)、名称が「家族手当」「通勤手当」「住宅手当」といった名目で支給されていたとしても、除外賃金に当たるとは限りません。
 扶養家族数に応じて支給される家族手当、通勤に必要な実費に対応して支給される通勤手当等であれば、除外賃金に該当しますが、扶養家族数とは関係なく一律に支給される家……

除外賃金とはどういった賃金ですか。

 除外賃金とは、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金など、労働の内容や量と無関係な労働者の個人的事情で変わってくる賃金手当のことをいいます(労基法37条5項、労基則21条)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

残業代(割増賃金)算定の基礎賃金をどのように考えればいいのか教えて下さい。

 労基法は、原則として全ての賃金を残業代(割増賃金)算定の基礎となる賃金とした上で、労基法37条5項及び労基則21条において、残業代(割増賃金)の基礎に算入しない賃金(除外賃金)を制限列挙するという態度を取っており、「(月給額-除外賃金)」が残業代(割増賃金)算定の基礎となる賃金となります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

通常の労働時間・労働日の賃金(時間単価)は、どのように計算すればいいのですか。

 時給制のアルバイトの場合は、通常の労働時間・労働日の賃金(時間単価)=時給です。
 時給1000円であれば、通常の労働時間・労働日の賃金(時間単価)=1000円/時となります。
 月給制の正社員の場合は、労基法上、月給制の正社員の通常の労働時間・労働日の賃金は、「(月給額-除外賃金)÷一年間における一月平均所定労働時間数」で算定されることになるのが通常です(労基則1……

残業代(割増賃金)の計算式を教えて下さい。

 時給制のアルバイトの残業代(割増賃金)
=時給単価×所定の割増率×時間外・休日・深夜労働時間数  月給制の正社員の残業代(割増賃金)の計算式
=通常の労働時間・労働日の賃金(時間単価)×所定の割増率×時間外・休日・深夜労働時間数
 月給制の正社員等についても、まずは賃金の時間単価を算定し、それに所定の割増率及び時間外・休日・深夜労働時間数を乗じて、残業……

残業代(割増賃金)の種類を教えて下さい。

 労基法上の残業代(割増賃金)には、以下の3種類があります。
 ① 時間外割増賃金
 ② 休日割増賃金
 ③ 深夜割増賃金  ①時間外割増賃金は、1週間につき40時間(特例措置対象事業場では週44時間)、1日につき8時間を超えて労働をさせた場合に支払を義務付けられる残業代(割増賃金)です。
 ②休日割増賃金は、週1回の法定休日(労基法35条……

残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高い業種を教えて下さい。

 残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高い業種としては、運送業、飲食業などが挙げられます。もっとも、その他の業種においても満遍なく残業代請求がなされていますので、どの業種においても、残業代を支払っていない場合は、常に残業代請求のリスクにさらされていると考えるべきでしょう。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

残業に関する相談にはどのようなものが多いですか。

 以前は、残業するよう指示しても残業してもらえなくて困っているといった紛争が多かったようですが、最近ではそういった相談はほとんどありません。最近多いのは、(不必要に)残業をして残業代を請求してきたり、長時間の残業によりうつ病になったから損害を賠償して欲しいと請求してきたりする(退職した)社員の対応などです。
 つまり、最近の経営者は、社員にどうやって残業してもらうかで悩んでいるのでは……

高年齢者の雇用確保と賃金制度の将来について、どのように考えていますか。

 少子高齢化が進む日本の人口構成を考えると、将来的には65歳を超える年齢(例えば、67歳や70歳)までの雇用確保措置や、定年を65歳以上とすること等を義務付けられること等が予想されます。  将来の法改正を見据えて、今のうちから賃金制度を見直すなどして、さらなる法改正があっても支障が生じないよう予め備えておくべきと考えます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

能力の高い定年退職者に重要な職務に従事してもらうため、通常の高年齢者よりも高い給料で仕事をしてもらいたい場合はどうすればいいでしょうか。

 能力が高く、定年退職後も通常の高年齢者よりも高い給料を支払ってでも重要な職務に従事して欲しい高年齢者については、
 ① 定年退職者全員に適用される継続雇用制度(高年法9条)とは別枠の嘱託社員として雇用するか、
 ② 取締役に選任して経営に参加してもらう
ことをお勧めします。
 ①に関しては、通常の継続雇用制度で再雇用し、賃金額を調整すること……

定年退職者を再雇用した場合の雇用期間を1年とすることはできますか。

 再雇用後の雇用期間については、特段の規制がありませんので、雇用期間を1年とすることができます。
 ただし、高年法9条は、65歳までの継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置を講じることを要求していますので、1年契約とは言っても、65歳までは契約が更新されることについて、合理的期待があると考えざるを得ません。
 したがって、65歳になる前に契約期間満了で雇止めをする場合は、……

定年退職者から定年退職後も従来と同じ労働条件で継続雇用するよう要求されているのですが、応じる必要はあるでしょうか。

 定年退職者を継続雇用した場合の労働条件について、特別の規制はなされていません。
 したがって、労働契約、就業規則等で定年退職後も従来と同じ労働条件で継続雇用する旨が定められている場合でない限り、要求に応じる必要はありません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

定年退職者に提示した賃金水準での再雇用を高年齢者が拒絶したため、定年退職者を再雇用しませんでした。高年法違反にはなりませんか。

 高年法が事業主に要求しているのは、継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではありません。事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、定年退職者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に定年退職者が再雇用されなかったとしても、高年法違反となるものではありません。
 企業が定年退職者……

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