この記事の結論
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継続雇用制度(高年法9条1項2号)としては「再雇用」方式がお勧め

再雇用は新たな労働契約の締結となるため、賃金水準等の労働条件を柔軟に設定できるというメリットがあります。

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「勤務延長」方式は既存契約を維持するため、労働条件変更に不利益変更の問題が生じ得る

再雇用方式に比べて、賃金等の条件変更の柔軟性に劣ります。

 継続雇用制度における再雇用方式とは、高年法9条1項2号の継続雇用制度のうち、定年でいったん労働契約を終了させた上で、新たな労働契約を締結して雇用を継続する方式をいい、賃金等の労働条件を柔軟に設定できる点で会社側に推奨される方式です。「継続雇用制度を作るとして、再雇用と勤務延長のどちらにすればよいのか」というご相談をいただくことがあります。

 本ページでは、高年齢者雇用確保措置として再雇用制度がお勧めの理由について、会社側専門の弁護士が解説します。

01継続雇用制度の2つの方式|再雇用と勤務延長

 結論:高年法9条1項2号の継続雇用制度には、大きく分けて「再雇用」(定年でいったん退職させた上で新たな契約を締結する方式)と「勤務延長」(定年後も従前の労働契約を終了させずに雇用を継続する方式)の2つの方式があります。継続雇用制度(高年法9条1項2号)としては再雇用がお勧めです。

02再雇用方式の最大のメリット|労働条件を柔軟に設定できる

 結論:再雇用であれば、新たな労働契約の締結となりますので、賃金水準等の労働条件を柔軟に設定することができるというメリットがあります。定年による労働契約の終了を挟むため、会社の実情・本人の能力等に応じて、賃金・業務内容・勤務形態等を改めて設計することができます。

03勤務延長方式との違い|不利益変更の問題

 結論:これに対し勤務延長方式は、定年前の労働契約をそのまま存続させる方式であるため、賃金等の労働条件を変更する場合には労働条件の不利益変更(労働契約法9条・10条)の問題が生じ得る点で、再雇用方式よりも柔軟性に劣ります。既存の労働契約を維持したまま条件を変更するには、労働者の受ける不利益の程度・変更の必要性・変更後の内容の相当性等の要件を満たす必要があり、手続的なハードルが高くなります。

 高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合の方式選択・制度設計については、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。

継続雇用方式選択の比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(不利益変更の壁に直面するリスク)
継続雇用制度は「再雇用」方式を基本とする 「勤務延長」方式を安易に採用し条件変更の壁に直面する
再雇用時に新たな労働条件を明確に契約書で定める 契約書を作成せず曖昧なまま雇用を継続する
賃金・業務内容の変更を再雇用のタイミングで一括して行う 雇用継続後に段階的に条件変更を試みる
制度設計は弁護士に相談して進める 自己流で継続雇用制度を運用する

04よくある質問(FAQ)

Q. 「再雇用」と「勤務延長」は、どちらを選んでいる会社が多いですか。

実務上は、労働条件を柔軟に見直せる「再雇用」方式を採用する会社が多い傾向にあります。定年退職を挟んで新たな契約を締結するため、賃金・業務内容・勤務形態等を会社の実情に合わせて再設計しやすいことが主な理由です。

Q. 勤務延長方式を選んだ場合、労働条件を変更することは一切できませんか。

一切できないわけではありませんが、既存の労働契約を維持したまま条件を変更することになるため、労働契約法9条・10条の要件(労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更後の内容の相当性等)を満たす必要があり、再雇用方式に比べて手続的なハードルが高くなります。

Q. 再雇用方式を採用する場合、契約書はどのように作成すべきですか。

定年退職の事実と、新たな契約としての再雇用であることを明確にした上で、賃金・業務内容・勤務時間・契約期間等の労働条件を具体的に記載した契約書を作成することが重要です。就業規則に再雇用後の労働条件のひな形を定めておくことも有効です。契約書の作成については弁護士に相談することをお勧めします。

経営上のポイント 継続雇用制度としては「再雇用」方式がお勧めです。再雇用は新たな労働契約の締結となるため賃金水準等の労働条件を柔軟に設定できますが、「勤務延長」方式は既存契約を維持するため労働条件変更に不利益変更の問題が生じ得ます。再雇用後の賃金水準に対する法的規制とあわせて、継続雇用制度の方式選択について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。継続雇用制度の方式選択・制度設計でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月11日


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