この記事の結論
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能力が高く重要な職務を継続してほしい高年齢者には、別枠の嘱託社員として雇用する方法がある

通常の継続雇用制度(高年法9条)とは別枠とすることで、個別に労働条件を設計できます。

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取締役に選任して経営に参加してもらう方法もある

労働条件が大幅に異なる再雇用者については、別枠の制度を設けて適用することが望ましいと考えます。

 能力の高い定年退職者の高給再雇用とは、通常の継続雇用制度の枠組みとは別に、能力・実績等に応じて高い賃金水準を設定し、重要な職務に従事してもらうための人事上の工夫をいい、別枠の嘱託契約や取締役選任といった方法が用いられます。「エース級の社員が定年を迎えるが、通常の再雇用制度の枠内では待遇的に見合わない。何とか高い給料のまま働き続けてもらいたい」というご相談をいただくことがあります。

 本ページでは、能力の高い定年退職者を高給で再雇用する方法について、会社側専門の弁護士が解説します。

01通常の継続雇用制度内での対応には限界があります

 結論:通常の継続雇用制度で再雇用し賃金額を調整することでも対応できなくはありませんが、少なくとも労働条件が大幅に異なる再雇用者については、別枠の制度を設けてそれを適用するのが望ましいと考えます。同一の継続雇用制度の枠内で著しく異なる待遇を設定すると、他の継続雇用者との公平性や制度の整合性に疑問が生じかねません。

02方法①|別枠の嘱託社員として雇用する

 結論:能力が高く、定年退職後も通常の高年齢者よりも高い給料を支払ってでも重要な職務に従事して欲しい高年齢者については、定年退職者全員に適用される継続雇用制度(高年法9条)とは別枠の嘱託社員として雇用することをお勧めします。別枠の嘱託契約とすることで、通常の継続雇用制度の運用ルールに縛られず、個別に労働条件を設計することができます。

03方法②|取締役に選任する

 結論:能力の高い定年退職者については、取締役に選任して経営に参加してもらうという方法も考えられます。取締役として選任する場合は、労働者性が否定され、雇用契約ではなく委任契約としての性質を持つことになるため、労働関連法規の適用関係が変わる点に留意が必要です。

 いずれの方法を選択するにせよ、既存の継続雇用制度とは異なる枠組みで対応することになりますので、対象者の選定基準・制度設計・契約書の作成については、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。

高給再雇用の設計比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(制度の整合性を欠くリスク)
通常の継続雇用制度とは別枠の制度を設けて運用する 通常の制度内で個別に例外的な高待遇を設定し続ける
別枠嘱託・取締役選任のいずれが適切か個別に検討する 一律の対応で全ての高能力人材に同じ処遇を適用する
取締役選任の場合は委任契約への性質変更を理解した上で対応する 労働契約と委任契約の違いを意識せず処遇を決める
制度設計は弁護士・税理士等の専門家と連携して行う 自社のみの判断で例外的な処遇を決定する

04よくある質問(FAQ)

Q. 別枠の嘱託社員とする場合、高年法9条の義務は満たされますか。

別枠の嘱託社員として個別に高い待遇で再雇用すること自体は、通常の継続雇用制度の対象者に対しても別途、高年法9条所定の雇用確保措置(希望者全員を対象とする継続雇用制度等)が用意されている限り、高年法上の問題は生じないと考えられます。全社員を別枠制度のみで扱うことは想定されていない点に注意が必要です。

Q. 取締役に選任する場合、社会保険や税務上どのような違いがありますか。

取締役として選任され労働者性が否定される場合、雇用保険・労災保険の被保険者資格を通常は喪失し、報酬も給与所得ではなく役員報酬として扱われるなど、社会保険・税務上の取扱いが大きく異なります。具体的な設計については、社会保険労務士・税理士とも連携して検討することをお勧めします。

Q. 別枠嘱託と取締役選任は、どちらを選ぶべきですか。

経営に参画してもらいたいか、あくまで専門的な業務執行を担ってもらいたいかによって選択が異なります。経営判断への関与を期待する場合は取締役選任、特定の専門業務を高待遇で継続してもらいたい場合は別枠嘱託が適していることが多いですが、いずれも会社法・税務・社会保険等の観点から専門家に相談した上で決定することをお勧めします。

経営上のポイント 能力が高く重要な職務を継続してほしい高年齢者には、①通常の継続雇用制度とは別枠の嘱託社員として雇用する、②取締役に選任して経営に参加してもらう、という2つの方法が考えられます。労働条件が大幅に異なる再雇用者については、別枠の制度を設けて適用することが望ましいです。高年齢者雇用確保措置として多く採用される措置とあわせて、高能力人材の再雇用設計について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。高能力人材の再雇用制度設計でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月11日


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