この記事の結論
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将来的には65歳を超える年齢までの雇用確保措置の義務化等が予想される

少子高齢化が進む日本の人口構成を考えると、67歳や70歳までの雇用確保、定年65歳以上化等が今後義務付けられる可能性があります。

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厚生労働省は令和8年度からの新方針で70歳までの就業機会確保措置の実施率40%以上達成を目標に掲げている

令和7年時点の実施率は34.8%にとどまっており、今のうちから賃金制度を見直しておくことが望ましいです。

 高年齢者雇用確保の将来展望とは、少子高齢化の進行を背景に、現行の65歳までの雇用確保義務・70歳までの努力義務が、将来的にさらに引き上げられ、または義務化される可能性を見据えた政策的・実務的な見通しをいいます。「今は65歳までの対応で足りているが、将来的にはどうなるのか」というご質問を経営者の方からいただくことがあります。

 本ページでは、高年齢者雇用確保の将来展望と、賃金制度の備え方について、会社側専門の弁護士が解説します。

01少子高齢化を背景とした将来の法改正見通し

 結論:少子高齢化が進む日本の人口構成を考えると、将来的には65歳を超える年齢(例えば67歳や70歳)までの雇用確保措置や、定年を65歳以上とすること等を義務付けられることが予想されます。65歳までの雇用確保措置が努力義務化(平成12年)から完全義務化(令和7年)まで約25年、この間に段階的な引上げを経てきた経緯を踏まえると、70歳までの措置についても同様に段階を経て強化されていく可能性があります。

02政府の政策動向|70歳就業確保の実施率目標

 結論:厚生労働省は令和8年度から令和11年度までの新たな「高年齢者等職業安定対策基本方針」を策定し、70歳までの就業機会確保措置の実施率40%以上達成を目標に掲げています。令和7年時点での実施率は34.8%(中小企業35.2%、大企業29.5%)にとどまっており、政府は引き続き実施率向上に向けた取り組みを推進する方針です。

 同方針では、今後は就職氷河期世代の多くが高齢期を迎えることから、70歳までの就業機会の確保や高齢期の処遇の改善に向けた取り組みを一層推進していく必要性も示されています。現時点では努力義務の枠組みですが、方針自体には「必要な場合は改正を行う」との留保も付されており、今後の動向を注視する必要があります。

03今から備えるべき理由

 結論:将来の法改正を見据えて、今のうちから賃金制度を見直すなどして、さらなる法改正があっても支障が生じないよう予め備えておくべきと考えます。65歳までの雇用確保措置が完全義務化された際、経過措置を利用していた企業の多くが急な制度変更への対応に追われました。同様の事態を避けるためにも、70歳までの雇用を見据えた賃金・退職金・評価制度の設計を、早い段階から検討しておくことが望ましいです。

 高年齢者雇用確保の将来を見据えた賃金制度の設計・見直しについては、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。

将来対応の比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(急な制度変更対応に追われるリスク)
将来の法改正を見据えた賃金制度の余裕を持たせる 現行法の最低限の対応のみで思考停止する
70歳までの就業機会確保措置を今のうちから試験的に検討する 「努力義務だから関係ない」と全く手をつけない
政府の政策動向を定期的に確認する 制度改正の情報収集を怠る
賃金・人事制度の見直しは専門家に相談しながら進める 自己判断のみで制度を据え置く

04よくある質問(FAQ)

Q. 70歳までの雇用確保措置は、いつ頃義務化される見込みですか。

明確な時期はまだ決まっていません。過去の経緯(65歳までの雇用確保措置が努力義務化から完全義務化まで約25年を要した)を参考にすると、70歳までの義務化にも相応の期間を要する可能性がありますが、あくまで予測であり確定的なものではありません。厚生労働省は当面、実施率向上(40%以上)を目標とする段階にあります。

Q. 今のうちに賃金制度を見直す場合、何から始めればよいですか。

まず自社の高年齢社員の賃金体系・退職金制度・評価制度が、65歳を超えて70歳までの雇用継続を想定した設計になっているかを点検することから始めるとよいでしょう。将来的な人件費増加を見据えたシミュレーションを行い、段階的に制度を調整していくことをお勧めします。

Q. 定年年齢自体が65歳以上に引き上げられる可能性はありますか。

現時点で具体的な法改正の予定は示されていませんが、少子高齢化の進行や年金制度との連動を踏まえると、将来的に議論が本格化する可能性は否定できません。定年年齢の引上げは人事制度全体に大きな影響を及ぼすため、早めに情報収集し、対応を検討しておくことが望ましいです。

経営上のポイント 少子高齢化を背景に、将来的には65歳を超える年齢までの雇用確保措置の義務化等が予想されます。厚生労働省は令和8年度からの新方針で70歳までの就業機会確保措置の実施率40%以上達成を目標に掲げており(令和7年時点34.8%)、今のうちから賃金制度を見直しておくことが望ましいです。高年齢者雇用確保措置として多く採用される措置とあわせて、将来を見据えた制度設計について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。高年齢者雇用の将来対応・賃金制度の見直しでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月11日


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