この記事の要点
- フレックスタイム制でも清算期間の総枚を超える山労働があれば割増賃金の支払い義務が生じる
- 清算期間〄1か月超の場合は各月の週平50時間超過分も割増賃金の対象になる
- 法定休日就労・深夜就労は総枚計算と別途に割増賃金が発生する
- フレックスタイム制を導入しても36協定の締結が引き続き必要
目次
01フレックスタイム制と残業代の基本的な考え方
フレックスタイム制を導入すると「残業代がなくなる」と誤解されることがありますが、それは正しくありません。フレックスタイム制では、各日の実労働時間を総取りする清算期間を単位として管理するため、清算期間内の実労働時間合計が法定労働時間の総枚を超えた場合に時間外割増賃金が発生します。
通常の労働時間制では、1日、8時間、、1週間に40時間を超えた部分がその都度時間外労働となります。これに対し、フレックスタイム制では日々の労働時間の長短にかかわらず、清算期間全体を通じて総枚(週平40時間相当×清算期間の暦週数)を超えた分のみ時間外労働としてくります。そのため、繁忙期に少し多めに働いても閒散期に実労働時間が少なければ、利用を相殺させて割増賃金の発生を抓えることができます。
しかし、フレックスタイム制の記録・計算を誤ると未払い残業代請求のリスクがあります。正確な理解と運用が重要です。
02清算期間〄1か月以内の場合の時間外労働
清算期間が1か月以内のフレックスタイム制においては、清算期間を通じて法定労働時間の総枚(週平40時間×清算期間の暦週数)を超えて労働した時間が時間外労働になります。この超過時間については、清算期間の末日翔日以降の賃金支払日に時間外割増賃金(25%増し)を支払わなければなりません。
総枚の計算方法
清算期間〄1か月(30日)の場合、法定総枚は 40×30÷7」≈171.4時間となります。実労働時間の合計がこの総枚を超えた分が、割増賃金の対象となる時間外労働です。
総枚の計算式は 40時間×清算期間の暦日数÷7」です。例えば、清算期間が31日の場合は177.1時間、28日(2月隅年)の場合は160時間となります。清算期間の日数に応じて総枚が変わる点に注意が必要です。
計算例:清算期間1か月(30日)
総枚→ 40×30÷7≈171.4時間。実労働時間合計が180時間の場合、180−171.4=8.6時間分が時間外労働となり、この部分に25%増しの割増賃金が発生します。
03清算期間〄1か月超の場合の割増賃金(2段階計算)
2019年(令和元年)の労働基準法改正によりフレックスタイム制の清算期間は最大3か月に延長されました。ただし、清算期間が1か月を超える場合は、時間外労働の判定に次の二段階の手順が必要です。
第1段階:各月の週平50時間超過チェック
清算期間内の各暦月において、実労働時間が週平50時間(1か月当たりの法定労働時間の総枚)を超えた分については、その月の賃金支払日に時間外割増賃金を支払います。これは清算期間全体の計算を待たずに、月の長期時間外労働を振る払う起務です。
第2段階:清算期間全体の総枚超過チェック
清算期間終了後、清算期間全体を通じた実労働時間合計が法定総枚を超えた分から、第1段階ですでに済みの割増賃金分を差し引いた時間について、清算期間終了後の賃金支払日に時間外割増賃金を支払います。
計算例:清算期間3か月
第1段階:各月の週平50時間超分を各月の賃金支払日に割増賃金として支払。第2段階:、3か月全体の実労働時間合計から総枚を差し引いた時間(第1段階済み分を除く)を清算期間終了後の賃金支払日に割増賃金として支払。二重清算を防ぎながら総枚超過分を正確に計算します。
04法定休日就労・深夜就労の取扱い
フレックスタイム制においても、法定休日労働や深夜労働は清算期間の総枚計算とは山別途に割増賃金が発生します。これはフレックスタイム制に非常に特有な試験ではなく、一般的な労働時間制と同じ変わりありません。
法定休日就労の割増賃金
法定休日(少なくとも1週に1日の休日)に労働させた場合、およこ05%増しの休日割増賃金を支払う必要があります。フレックスタイム制の清算期間内の総枚計算には、法定休日の労働時間は含まれません。別途、休日割増賃金を支払う必要があります。
深夜就労の割増賃金
深夜時間帯(午後10時から午前5時)に労働した場合、清算期間の総枚計算とは完全に独立して、その時間帯の就労分に25%増しの深夜割増賃金を支払わなければなりません。また、時間外労働と重なる場合は清算期間の総枚超過分に対する25%増し加定分に更に25%増しが加わり、実質50%増しとなります。
注意:法定休日・深夜労働は必ず別途管理
フレックスタイム制を導入しているからといって、法定休日就労や深夜就労に対する割増賃金の支払い義務が免除されるわけではありません。勤怠管理システムでこれらを別途に記録・集計する仕組みが必要です。
0536協定とフレックスタイム制の関係
フレックスタイム制を導入している会社でも、清算期間の総枚を超える時間外労働をさせるには36協定の締結が必要です。フレックスタイム制を導入するだけで時間外労働が自由にできるわけではなく 36協定が指定する上限時間の範囲内で時間外労働をさせる必要があります。
36協定の上限時間は原則として月に45時間、1年に360時間です。特別条項(特記内嵁)を設ける場合は、临時的に月100時間、年1000時間を限度に時間外労働が可能です。フレックスタイム制の下で時間外労働をさせる際は、清算期間の総枚を超える分がこの上限に引っかかる場合があり、実労働時間管理が重要です。
06残業代計算の実務上の注意点
フレックスタイム制における残業代計算を誤ると、従業員からの請求や労基署からの指導を受けるリスクがあります。実務上の注意点を以下にまとめます。
清算期間の設定による残業代の差異
清算期間を長く設定するほど、繁忙期と閑散期の相殺効果が高く、時間外割増賃金の発生を抓えやすくなります。一方、清算期間〄1か月超の場合は各月の週平50時間超過管理も必要になり、務坂管理が複雑になります。会社の実情に合わせた清算期間の設定が重要です。
実労働時間記録の征収と計算検証
清算期間終了後は、全従業員の実労働時間記録を征収して総枚計算を行う必要があります。計算ミスや見落としが発生しやすい工程です。勤怠管理システムで自動計算できる仕組みを構築するか、尓門弁護士に定期的な検証を依頼することをお勧めします。
就業規則・労使協定の内容を定期確認
フレックスタイム制に関する就業規則・労使協定の内容が法改正後の内容と齐合しているか確認しましょう。特に2019年の改正で清算期間の長期化や各月管理の追加義務などが対応できていない場合、就業規則の更新が必要です。
監修者
弁護士法人四谷麺町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麺町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麺町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麺町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. フレックスタイム制を導入すると残業代を払わなくて済みますか?
A1. それは正しくありません。清算期間全体を通じて法定総枚を超えた分に対しては割増賃金の支払いが必要です。フレックスタイム制は个别日の8時間超過をカウントしないかわりに清算期間全体で総枚を判定する制度です。
Q2. 清算期間が1か月の場合、割増賃金はいつ支払えばいいですか?
A2. 清算期間末日翔日以降の賃金支払日に支払います。清算期間が月末までの場合、翔月の賃金支払日に割増賃金を包含して支払うことになります。
Q3. フレックスタイム制での法定休日就労の割増率は何%ですか?
A3. 35%増しです。法定休日就労に深夜労働が重なる場合はさらに25%増しが加算され60%増しとなります。
Q4. フレックスタイム制の清算期間。3か月の場合、割増賃金はどのたいまいに支払いますか?
A4. 各月の週平50時間超過分はその月の賃金支払日に支払います。清算期間全体の総枚超過分(各月の50時間超過分を除く)は、清算期間終了後の賃金支払日に支払います。
Q5. フレックスタイム制で残業代トラブルを防ぎたい。会社が注意すべきことは?
A5. 実労働時間の正確な記録・集計、清算期間後の迅速な総枚計算と割増賃金的済の流れの構築、就業規則・労使協定の内容の定期確認が重要です。不明点は労働問題専門の弁護士に相談することをお勧めします。
最終更新日:2026年5月20日