この記事の結論
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労働審判は、速やかに争点・証拠を整理し、3回以内で審理を終結する迅速な手続

労働審判法は、速やかに争点および証拠の整理を行い、3回以内の期日で審理を終結させることとしています。この迅速性を支えるため、労働審判法・規則には迅速化のための規定が多数置かれています。

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弁護士代理の原則・書面主義・提出期限など、会社側の準備に直結する

弁護士代理の原則、書面主義、第1回期日を40日以内とする定め、答弁書提出期限などは、いずれも会社側が短期間で主張・立証を整える必要があることを意味します。制度の特徴を理解した準備が重要です。

 労働審判法は、労働審判手続を迅速に行うために、速やかに争点および証拠の整理を行い、3回以内の期日で審理を終結させることとしています。そして、この迅速性を実現するため、労働審判法および労働審判規則には、これ以外にも迅速な手続を行うための規定が数多く設けられています。

 会社側専門の弁護士の立場から、労働審判を迅速に行うために設けられている規定の内容と、それが会社側の実務にどう影響するのかを解説します。

01労働審判の迅速性を支える基本の仕組み

 労働審判は、労働紛争を迅速に解決することを目的とした制度です。その中核をなすのが、速やかに争点および証拠の整理を行い、原則として3回以内の期日で審理を終結させるという仕組みです。この枠組みを実効的に機能させるために、申立書・答弁書の記載の充実や、提出期限の設定など、手続の各場面に迅速化のための工夫が置かれています。

02迅速な手続のために設けられている規定

 労働審判法および労働審判規則では、迅速な手続を行うために、具体的に次のような規定が設けられています。

迅速な手続のための主な規定
弁護士代理の原則(労働審判法4条1項)
周辺的な紛争を防止するための書面主義(労働審判規則3条、27条等)
当事者の責務(迅速な手続進行努力義務・信義誠実手続追行義務、労働審判規則2条)
労働審判手続の申立書の記載等の充実(労働審判規則9条)
第1回期日は申立てから40日以内を指定すべきとする定め(労働審判規則13条)
答弁書提出期限の定め(労働審判規則14条)
答弁書の記載等の充実(労働審判規則16条)
呼出状の記載の充実(労働審判規則15条)
口頭主義の原則(労働審判規則17条1項)
補充書面の提出等の期限の定め(労働審判規則19条)
第1回期日の充実(労働審判規則21条)
主張および証拠書類の提出は第2回期日の終了までとする定め(労働審判規則27条)

03各規定が会社側の実務に与える影響

 これらの規定は、いずれも「短期間で審理を終える」という制度趣旨から導かれるものであり、会社側の準備に直結します。とりわけ、答弁書の記載の充実(規則16条)と提出期限(規則14条)、主張・証拠の提出は第2回期日終了まで(規則27条)という定めは、会社側が第1回期日までに主張と立証をほぼ出し切る必要があることを意味します。また、口頭主義(規則17条1項)のもとでは、書面で骨格を示したうえで、期日での口頭のやり取りにも的確に対応することが求められます。

 弁護士代理の原則(労働審判法4条1項)も、迅速な手続の中で高度な法律判断と主張立証が求められることの表れです。当事者には迅速な手続進行への努力義務や信義に従った誠実な追行義務が課されており(規則2条)、これらを短期間で満たすためには、制度の特徴を理解したうえで、初動から計画的に準備を進めることが不可欠です。

会社側が押さえておきたい視点

これらの規定が示しているのは、労働審判では「後から補う」余地が乏しいということです。申立てを受けた会社側は、40日以内の第1回期日までに、答弁書と証拠を整え、口頭でのやり取りにも備える必要があります。制度が迅速であるほど、初動対応の質がそのまま結果に影響します。

04よくある質問(FAQ)

Q. なぜ労働審判はこれほど迅速に進むのですか。

労働紛争を迅速に解決するという制度趣旨に基づき、速やかに争点・証拠を整理し、3回以内の期日で審理を終結させることとされているためです。これを支えるため、申立書・答弁書の記載の充実や提出期限、第1回期日を40日以内とする定めなど、迅速化のための規定が多数置かれています。

Q. 「書面主義」とはどういう意味ですか。

周辺的な紛争を防ぎ、審理を充実・迅速化するため、主張や証拠を書面で明確に整理して提出することを求める仕組みです(労働審判規則3条、27条等)。会社側としては、口頭で述べるだけでなく、重要な主張と証拠を書面で提出しておくことが重要です。

Q. 会社側は、これらの規定を踏まえて何を準備すべきですか。

第1回期日が申立てから40日以内に指定され(規則13条)、主張・証拠の提出は第2回期日終了までとされている(規則27条)ことを前提に、答弁書と証拠を早期に整える必要があります。短期間で対応するため、初動段階から会社側専門の弁護士と連携することが有効です。

経営上のポイント 労働審判は、速やかに争点・証拠を整理し、原則3回以内の期日で審理を終結する迅速な手続です。これを支えるため、弁護士代理の原則(労働審判法4条1項)、書面主義(規則3条・27条等)、当事者の責務(規則2条)、申立書・答弁書の記載の充実(規則9条・16条)、第1回期日40日以内(規則13条)、答弁書提出期限(規則14条)、口頭主義(規則17条1項)、主張・証拠提出は第2回期日終了まで(規則27条)など、多くの規定が置かれています。これらはいずれも、会社側が短期間で主張・立証を整える必要があることを意味します。制度の特徴を理解し、申立てを受けたら直ちに準備に着手することが重要です。労働審判への対応は、会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。労働審判への対応でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日


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