労働問題808 競業行為をめぐる紛争にはどのようなものがありますか。
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競業避止義務は、在職中・退職後の従業員が負う競業行為の差控え義務 競業避止義務とは、在職中または退職後の従業員が、使用者の利益に著しく反する競業行為を差し控える義務をいいます。 |
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紛争は、差止めや損害賠償請求という形で顕在化する 従業員による競合他社の設立・開業準備、取締役への就任、個人による競業、競合他社への転職、商品の横流し等に対し、使用者が差止めや損害賠償の請求を行うという形で、紛争が生じます。 |
従業員が競合するビジネスに関わることは、会社にとって深刻な脅威になり得ます。809・810の記事で詳しく解説する在職中・退職後の競業避止義務を理解する前提として、まずは競業行為をめぐる紛争の全体像を把握しておく必要があります。
会社側専門の弁護士の立場から、競業行為をめぐる紛争の類型を解説します。
01競業避止義務とは
競業避止義務とは、在職中または退職後の従業員が、使用者の利益に著しく反する競業行為を差し控える義務をいいます。競業行為は、会社が築いてきた顧客基盤やノウハウを、従業員が自ら、あるいは転職先で利用することで、会社に直接的な損害を与える可能性があるため、法的な規制の対象となっています。
02競業行為の類型
競業避止義務をめぐる紛争は、従業員が、在職中または退職後に、次のような行為をしたことに対して、使用者が当該従業員に対し差止めや損害賠償の請求を行うものがあります。
- 競合他社の設立や開業準備
- 競合他社の取締役への就任その他競合他社の経営
- 個人による競業
- 競合他社への転職
- 競合他社に商品を横流しする行為
これらの行為は、在職中に行われるか退職後に行われるかによって、法的な規制の枠組みが異なります(809・810の記事参照)。
03紛争の顕在化のパターン
競業行為をめぐる紛争は、多くの場合、従業員の退職後にその実態が発覚することで顕在化します。退職した従業員が同業種で開業した、あるいは競合他社に転職したという事実が判明した際に、会社が、在職中からの準備行為の有無、顧客情報の持ち出しの有無、退職後の行為の悪質性などを調査し、必要に応じて法的措置(差止請求、損害賠償請求)を検討するという流れが典型的です。
04会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、競業行為をめぐる紛争が生じた際、まず、当該行為が在職中に行われたものか、退職後に行われたものかを整理し、それぞれ異なる判断基準に基づいて検討する必要があります。また、就業規則や個別の誓約書に競業避止義務の定めがあるかどうかも、重要な出発点になります。
紛争が顕在化する前の予防策としては、重要な職位や機密情報にアクセスする従業員について、入社時・昇進時・退職時に競業避止義務に関する誓約書を取得しておくことが有効です。また、顧客情報や営業秘密の管理体制を整備しておくことも、後の紛争における立証の観点から重要です。
05よくある質問(FAQ)
Q. 従業員が退職後に競合他社へ転職した場合、常に問題になりますか。
常に問題になるとは限りません。退職後の競業は原則として自由であり、就業規則や個別合意による規制、あるいは態様が悪質な場合に限って法的な問題となります(810の記事参照)。
Q. 競業行為をめぐる紛争は、どのような形で会社側に問題となりますか。
競合他社の設立・開業準備、取締役就任、個人での競業、競合他社への転職、商品の横流し等に対して、会社が差止めや損害賠償の請求を行うという形で問題になります。
Q. 競業行為への対応として、事前にどんな準備をしておくべきですか。
重要な職位や機密情報にアクセスする従業員に競業避止義務の誓約書を取得しておくこと、顧客情報・営業秘密の管理体制を整備しておくことが有効です。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。競業行為をめぐる紛争でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日