労働問題488 年次有給休暇(労基法39条)を買い上げることはできますか。

 年次有給休暇(労基法39条)は労基法上の権利ですので、使用者が強制的に買い上げることはできませんし、労働者との買い上げ合意があったとしても、労基法39条の趣旨に反するようなものについては無効となり、使用者は労働者の年休取得を拒むことができなくなると考えられます(労基法13条)。合意による年休買い上げが認められるかどうかは、労基法39条の趣旨に反しないかを個別に検討して判断するほかありません。
 例えば、労働者が退職するに際し、消化し切れなかった年休を買い上げる場合や、2年の消滅時効にかかった年休を買い上げるような場合は、通常は労働者に不利益が生じませんので、労基法39条の趣旨に反せず、年休の買い上げが認められるものと考えられます。しかし、年休制度(労基法39条)は本来、労働者に休暇を与えることが目的の制度であり、上乗せの賃金を支給することが目的の制度ではないのですから、合意による年休買い上げが認められるのは、特別なケースに限定されると考えるべきでしょう。
 なお、労基法39条により付与された年休ではなく、就業規則等により上乗せで付与された部分の有給休暇については、労基法39条の規制が及びませんから、一般的には合意による買い上げが認められることになります。

 

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