この記事の結論
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振替休日は事前に休日を入れ替えるもの

振替休日とは、休日とされていた日を事前に労働日に変える代わりに他の労働日を休日にした場合の休日のことをいいます。従来休日であった日が所定労働日となるため、その日に働いても休日労働にはなりません。

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代休は事後的に与える休日で、割増賃金が必要

代休とは、事前に振替えの手続をとらずに休日労働を行わせた後にその代わりとして与える休日のことをいいます。休日労働自体は発生しているため、休日割増賃金を支払わなければなりません。

 842の記事で解説した法定休日・所定休日の区別と並んで、実務上混同されやすいのが「振替休日」と「代休」です。この2つは似て非なる制度であり、割増賃金の要否に決定的な違いがあります。

 会社側専門の弁護士の立場から、振替休日と代休の違いを解説します。

01振替休日とは

 振替休日とは、休日とされていた日を事前に労働日に変える代わりに他の労働日を休日にした場合の休日のことをいいます。「事前に」入れ替えを行うという点が、この制度の核心です。

02代休とは

 他方、代休とは、事前に振替えの手続をとらずに休日労働を行わせた後にその代わりとして与える休日のことをいいます。振替休日とは異なり、「事後的に」休日を付与する点が特徴です。

03割増賃金の有無という決定的な違い

 両者の違いは、休日労働の割増賃金が発生するか否かという点です。振替休日の場合、振替えによって従来休日であった日が所定労働日となりますので、その日に働いても休日労働になりません。他方、代休の場合、従来休日であった日に労働させているので、その日の労働は休日労働となり、休日割増賃金を支払わなければなりません。

 つまり、同じ「休日に働いてもらい、別の日に休んでもらう」という結果に見えても、事前の手続の有無によって、割増賃金の要否という金銭的に重要な違いが生じるということです。

04会社側が押さえておくべき視点

 会社側にとって重要なのは、振替休日を有効に成立させるためには、休日労働をさせる前に、就業規則等の根拠に基づき、振替日を特定して労働者に通知しておく必要があるという点です。休日労働をさせた後になって「代わりに別の日を休みにするから」と伝えても、これは振替休日ではなく代休として扱われ、休日割増賃金の支払いが必要になります。

 振替休日の制度を適切に運用するには、就業規則に振替休日に関する規定を設け、振替日の指定を、休日労働の前に、できる限り同一週内で行うことが望ましいとされています(週をまたぐ振替の場合、週の法定労働時間の計算に影響が生じ得るため、注意が必要です)。実務上は、振替休日と代休の区別を曖昧にしたまま運用しているケースも見られるため、就業規則と実際の運用の両面から見直すことをお勧めします。

05よくある質問(FAQ)

Q. 休日に働いてもらった後で「別の日を休みにする」と伝えた場合、振替休日になりますか。

なりません。振替休日は事前の手続が要件であり、事後的に休日を与えるものは代休として扱われ、休日割増賃金の支払いが必要です。

Q. 振替休日にすれば、割増賃金は一切不要ですか。

休日割増賃金は不要ですが、振替により週の労働時間が法定時間を超える場合には、時間外割増賃金が発生することがあります。

Q. 振替休日を有効に成立させるには、何が必要ですか。

就業規則等の根拠に基づき、休日労働をさせる前に振替日を特定し、労働者に通知しておく必要があります。

経営上のポイント 振替休日は、事前に休日と労働日を入れ替えるもので、従来休日であった日は所定労働日となるため、その日に働いても休日労働にはならず割増賃金は不要です。代休は、事前の振替手続をとらずに休日労働をさせた後で与える休日で、休日労働自体は発生しているため休日割増賃金の支払いが必要です。両者の違いは「事前」か「事後」かという手続のタイミングにあり、これが割増賃金の要否という金銭的に重要な結果の違いを生みます。会社側としては、振替休日を有効に成立させるため、休日労働の前に振替日を特定し労働者に通知する運用を徹底することが重要です。休日・振替制度の整備は、会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。休日・振替制度の整備でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日


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