この記事の結論
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企画業務型裁量労働制は①労使委員会の決議・届出②就業規則の定め③対象業務への従事の3要件が必要

一つでも欠けた場合、みなし労働時間の効力は発生しません。労使委員会は委員の5分の4以上の多数による議決が必要です(労基法38条の4)。

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休憩・休日・36協定・割増賃金規制は引き続き適用。深夜割増も別途必要

企画業務型裁量労働制は労働時間をみなす制度であり、休憩・休日・36協定・割増賃金(時間外・休日・深夜)に関する規定の適用は除外されません。みなし時間が法定労働時間を超える場合は36協定・割増賃金が必要です。

01企画業務型裁量労働制とは

 企画業務型裁量労働制とは、賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする労使委員会が設置された事業場において、当該労使委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(対象業務)、対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であって、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるもの(対象労働者)の範囲等、労基法38条の4第1項に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が当該決議を労働基準監督署長に届け出た場合に、対象労働者を当該事業場における対象業務に就かせたときは、実労働時間と関係なく、決議で定められた時間労働したものとみなす制度です(労基法38条の4)。

02労働時間の把握義務との関係

 使用者は労働者の労働時間を把握し、把握した時間に応じて算定した賃金を支払う義務を負うのが原則ですが、企画業務型裁量労働制の適用により、労働時間把握義務を免除されることになります(平成13年4月6日基発339号)。

03みなし労働時間の決定

 本制度は、みなし労働時間の決定を労使自治に委ねるものである以上、企画業務型裁量労働制の適用要件を充足する限り、みなし労働時間と実労働時間が乖離している場合であっても、みなし労働時間労働したものとみなされることになります。

04労基法の適用除外事項

 本制度は、労働時間をみなす制度であり、労働時間に関する労基法の規制の適用を除外する制度ではありませんので、休憩(労基法34条)、休日(同法35条)、時間外及び休日の労働(同法36条)、時間外、休日及び深夜の割増賃金(同法37条)などの規定は原則どおり適用されます。

05まとめ

 みなし時間が法定労働時間(労基法32条)を超える場合や法定休日に労働させる場合には時間外・休日労働に関する労使協定の締結・届出(同法36条)や時間外・休日割増賃金(残業代)の支払(同法37条1項)が必要となりますし、深夜(22時〜5時)に労働させた場合には、深夜割増賃金の支払(同法37条4項)が必要となります。

経営上のポイント 企画業務型裁量労働制は「労働時間をみなす制度」であり、休憩・休日・36協定・割増賃金規制を除外する制度ではありません。みなし時間が法定労働時間を超える場合は36協定締結・届出と割増賃金支払が必要で、深夜労働には深夜割増賃金も必要です。導入要件(労使委員会の5分の4以上の決議・労基署届出・就業規則の定め)を全て満たす必要があります。詳細は弁護士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。就業規則・裁量労働制の導入・整備でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 企画業務型裁量労働制を導入すれば残業代を支払わなくて済みますか。

A. そうはなりません。みなし時間が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合は36協定の締結・届出と割増賃金(25%以上)の支払が必要です。また、法定休日に労働させれば休日割増賃金(35%以上)、深夜に労働させれば深夜割増賃金(25%以上)も別途必要です。みなし制は「時間数」をみなす制度であり、割増賃金規制を除外する制度ではありません(672番参照)。

Q2. 労使委員会の「5分の4以上の多数」とはどういう意味ですか。

A. 労使委員会の委員の総数のうち5分の4以上が賛成することが必要です。例えば委員が10人いる場合は8人以上の賛成が必要です。反対委員が多く5分の4以上の多数が得られなかった場合、その決議は法的効力を持ちません(686番参照)。

Q3. 企画業務型裁量労働制と専門業務型裁量労働制の最大の違いは何ですか。

A. 最大の違いは手続きです。企画業務型は労使委員会の設置・決議・労基署への届出・対象労働者の個別同意が必要です。専門業務型は労使協定の締結・届出のみです。また、対象業務も異なります(専門業務型は政令で定める19業務・企画業務型は企画立案調査分析の業務)。企画業務型の方が要件が複雑で厳格です(673番参照)。

最終更新日:2026年2月25日


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