昭和60年から平成21年までの年間労働時間数の推移と背景を教えてください。
|
1
|
年間労働時間数は昭和60年の2110時間から平成21年の1777時間へ約25年で333時間減少 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、日本の年間総労働時間は昭和60年に2110時間でしたが、平成4年に2000時間を下回り、平成21年にはようやく1777時間となりました。 |
|
2
|
前川・新前川レポートが掲げた「1800時間」目標が平成21年に達成 貿易摩擦下での日本人の働き過ぎ批判を背景に、前川レポート(昭和61年)・新前川レポート(昭和62年)が「2000年に向けて1800時間」を目標に掲げ、平成21年にその目標を達成しました。 |
目次
01年間労働時間数の推移(昭和60年〜平成21年)
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、年間の労働時間数は以下のとおりです。
| 年 | 総労働時間数 | 所定内労働時間数 |
|---|---|---|
| 昭和60年 | 2,110時間 | 1,932時間 |
| 昭和61年 | 2,102時間 | 1,930時間 |
| 昭和62年 | 2,111時間 | 1,933時間 |
| 昭和63年 | 2,111時間 | 1,922時間 |
| 平成元年 | 2,088時間 | 1,898時間 |
| 平成2年 | 2,052時間 | 1,866時間 |
| 平成3年 | 2,016時間 | 1,841時間 |
| 平成4年 | 1,972時間 | 1,823時間 |
| 平成5年 | 1,913時間 | 1,780時間 |
| 平成6年 | 1,904時間 | 1,772時間 |
| 平成7年 | 1,909時間 | 1,772時間 |
| 平成8年 | 1,919時間 | 1,774時間 |
| 平成9年 | 1,900時間 | 1,750時間 |
| 平成10年 | 1,979時間 | 1,742時間 |
| 平成11年 | 1,842時間 | 1,709時間 |
| 平成12年 | 1,859時間 | 1,720時間 |
| 平成13年 | 1,848時間 | 1,714時間 |
| 平成14年 | 1,838時間 | 1,702時間 |
| 平成15年 | 1,846時間 | 1,700時間 |
| 平成16年 | 1,840時間 | 1,691時間 |
| 平成17年 | 1,829時間 | 1,680時間 |
| 平成18年 | 1,842時間 | 1,687時間 |
| 平成19年 | 1,850時間 | 1,690時間 |
| 平成20年 | 1,813時間 | 1,668時間 |
| 平成21年 | 1,777時間 | 1,643時間 |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」 ※太字は節目となる年
02労働時間短縮の背景
昭和60年代当時、貿易摩擦の中で日本人の働き過ぎが批判され、政府も本格的に労働時間短縮に取り組まざるを得ない状況が生じていました。この頃の政府の方針を支えたものとして、「前川レポート」(昭和61年4月)と「新前川レポート」(昭和62年5月)があります。
03前川レポートの提言(昭和61年4月)
前川レポートは、「労働時間の短縮により自由時間の増加を図るとともに有給休暇の集中的活用を促進する。労働時間については、公務・金融等の部門における速やかな実施を図りつつ、欧米先進国なみの年間総労働時間の実現と週休二日制の早期完全実施を図る。」と提言しています。
04新前川レポートの具体化(昭和62年5月)
前川レポートをより具体化したものが新前川レポートです。新前川レポートは、「政策目標としては、2000年に向けてできるだけ早期に1800時間、1800時間程度を目指すことが必要である。」としており、前川レポートと比べ、より労働時間の短縮の必要性を説いています。
05労働時間数の減少と目標達成
上記の年間労働時間数の推移からも分かるとおり、日本の労働時間数は次第に減少し、平成4年に2000時間を下回り、平成21年、ようやく目標の1800時間の壁を突破することができました。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 前川レポートとは何ですか。
A. 前川レポート(正式名称:国際協調のための経済構造調整研究会報告書)は、昭和61年4月に中曽根内閣のもとで策定されました。当時の日米貿易摩擦を背景に、日本経済の内需主導型への転換を提言したもので、労働時間短縮や週休二日制の実現も含まれていました。
Q2. 「1800時間」という目標はいつ達成されましたか。
A. 新前川レポート(昭和62年)が掲げた「2000年に向けて1800時間程度」という目標は、実際には平成21年(2009年)に総労働時間1777時間となり達成されました。目標年次の2000年より9年遅れての達成です。
Q3. この統計は正規社員のみのデータですか。
A. 「毎月勤労統計調査」は、常用労働者(正社員・パートタイム等を含む)が対象です。パートタイム労働者の増加により、見かけ上の労働時間が短縮されている側面もあります。なお、2019年以降の労基法改正による上限規制(36協定の見直し・残業時間の法定上限)が施行され、現在は労働時間管理の重要性がさらに高まっています(615番参照)。
最終更新日:2026年2月25日