ワード:「経営者」

高年齢者の雇用確保と賃金制度の将来について、どのように考えていますか。

 少子高齢化が進む日本の人口構成を考えると、将来的には65歳を超える年齢(例えば、67歳や70歳)までの雇用確保措置や、定年を65歳以上とすること等を義務付けられること等が予想されます。  将来の法改正を見据えて、今のうちから賃金制度を見直すなどして、さらなる法改正があっても支障が生じないよう予め備えておくべきと考えます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

能力の高い定年退職者に重要な職務に従事してもらうため、通常の高年齢者よりも高い給料で仕事をしてもらいたい場合はどうすればいいでしょうか。

 能力が高く、定年退職後も通常の高年齢者よりも高い給料を支払ってでも重要な職務に従事して欲しい高年齢者については、
 ① 定年退職者全員に適用される継続雇用制度(高年法9条)とは別枠の嘱託社員として雇用するか、
 ② 取締役に選任して経営に参加してもらう
ことをお勧めします。
 ①に関しては、通常の継続雇用制度で再雇用し、賃金額を調整すること……

定年退職者を再雇用した場合の雇用期間を1年とすることはできますか。

 再雇用後の雇用期間については、特段の規制がありませんので、雇用期間を1年とすることができます。
 ただし、高年法9条は、65歳までの継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置を講じることを要求していますので、1年契約とは言っても、65歳までは契約が更新されることについて、合理的期待があると考えざるを得ません。
 したがって、65歳になる前に契約期間満了で雇止めをする場合は、……

定年退職者から定年退職後も従来と同じ労働条件で継続雇用するよう要求されているのですが、応じる必要はあるでしょうか。

 定年退職者を継続雇用した場合の労働条件について、特別の規制はなされていません。
 したがって、労働契約、就業規則等で定年退職後も従来と同じ労働条件で継続雇用する旨が定められている場合でない限り、要求に応じる必要はありません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

定年退職者に提示した賃金水準での再雇用を高年齢者が拒絶したため、定年退職者を再雇用しませんでした。高年法違反にはなりませんか。

 高年法が事業主に要求しているのは、継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではありません。事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、定年退職者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に定年退職者が再雇用されなかったとしても、高年法違反となるものではありません。
 企業が定年退職者……

再雇用後の高年齢者の業務内容等で配慮すべき点はありますか。

 再雇用後の業務の内容、当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲等が定年退職前と変わらないにもかかわらず、再雇用後の賃金が定年退職前よりも大幅に下がったのでは高年齢者の不満が大きくなります。
 再雇用後の賃金額が定年退職時よりも低い場合は、再雇用後の勤務日数や勤務時間数を減らすとか(例えば週3日勤務にするとか1日4時間勤務にするといったことも考えられます。)、業務……

再雇用後の高年齢者の適正な賃金水準はどれくらいだと考えていますか。

 高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が、年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策、年金支給開始年齢である65歳までの安定した雇用機会の確保である以上、継続雇用後の賃金額に在職老齢年金、高年齢者雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が、従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきであり、賃金原資に余裕がない会社であっても、「時給1000円、1日8時間・週3日勤務」……

当社は赤字決算続きで債務超過に陥っていることもあり、高年齢者を再雇用する経済的余裕がないのですが、それでも再雇用しなければなりませんか。

 高年齢者雇用確保措置(高年法9条)を取ることは事業主の義務であり、雇用確保措置を取らないという選択肢はあり得ません。したがって、会社に経済的余裕がない場合であっても、再雇用制度を講じる等、高年齢者雇用確保措置は取る必要があります。
 また、年金支給開始年齢が引き上げられていることを考慮すれば、賃金原資に余裕がない企業であっても、同業他社と同水準の賃金が払えないから再雇用自体を拒絶せ……

退職勧奨しても退職しない。

 退職勧奨の法的性格は、通常は、使用者が労働者に対し合意退職の申込みを促す行為(申込みの誘引)と評価することができます。
 労働者が退職勧奨に応じて退職を申し込み、使用者が労働者の退職を承諾した時点で退職の合意が成立することになります。  退職勧奨を行うにあたっては、担当者の選定が極めて重要となります。
 退職勧奨が紛争の契機となることが多いこともあり、相手の気持ちを……

精神疾患を発症したのは長時間労働や上司のパワハラ・セクハラのせいだと主張して損害賠償請求してくる。

 長時間労働や上司のパワハラ・セクハラが原因となって労働者が精神疾患を発症した場合、使用者は安全配慮義務違反(労契法5条、民法415条)又は使用者責任(民法715条)を問われ、損害賠償義務を負うことがあります。
 過去の裁判例、心理的負荷による精神障害の労災請求事案において業務上外を判断する際に用いられる「心理的負荷による精神障害の認定基準(平成23年12月26日基発1226第1号)……

管理職なのに部下を管理できない。

 まずは、自分で仕事をこなす能力と、部下を管理する能力は、別の能力であることをよく理解した上で、人員の配置を行うことが重要です。
 自分で仕事をこなす能力が高い社員であっても、部下を管理する能力は低いということは、珍しくありません。  部下を管理できない理由が、単なる経験不足によるものである場合は、部下の管理方法について指導しながら経験を積ませたり、研修を受けさせたりして教育するこ……

再雇用後の賃金水準に対する規制はありますか。

 高年法上、継続雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく、年金支給開始年齢の65歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的、パート労働法8条、労契法20条、最低賃金法等の強行法規、公序良俗に反しない限り、就業規則、個別労働契約等において自由に定めることができます。
 定年後に再雇用された社員の賃金水準が定年退職前よりも下がるのはむしろ通常の話であり、社会通念に……

定年後再雇用に関する紛争の近時の傾向について教えて下さい。

 従来は、定年後の継続雇用を拒絶された高年齢者が継続雇用されないのは不当だとして継続雇用又は損害賠償を請求されることが多かったのですが、近時は継続雇用後の労働条件の交渉が中心です。
 雇用と年金の接続が重要な国家的課題となっている現在においては、継続雇用基準が認められている企業においても、継続雇用自体を拒否するのは、余程の事案でない限りお勧めできません。高年齢者にとっても死活問題です……

就業規則の再雇用基準を満たす高年齢者が再雇用を希望したにもかかわらず再雇用しなかった場合、再雇用されたことになってしまうのでしょうか。

 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立するものですから(労契法6条)、会社が再雇用を承諾していない以上、労働契約は成立せず、再雇用を拒絶された高年齢者は、会社に対し、損害賠償請求する余地があるというにとどまるのが原則です。
 ただし、津田電気計器事件最高裁平成24年11月29日第一小法廷……

高年齢者の継続雇用を拒絶した場合に紛争になりやすいのは、どのような事案ですか。

 労働組合活動をしていた組合員の再雇用等を拒絶して紛争になることが多いようです。
 組合関係者の継続雇用拒絶は、不当労働行為と評価されるかどうかが問題となることがその原因と思われます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

解雇した社員が合同労組に加入し、団体交渉を求めてきたり、会社オフィス前や社長自宅前で街宣活動をしたりする。

 解雇された社員であっても、解雇そのものまたはそれに関連する退職条件等が団体交渉の対象となっている場合には、労働組合法第7条第2号の「雇用する労働者」に含まれるため、解雇された社員が加入した労働組合からの団体交渉を拒絶した場合、他の要件を満たせば不当労働行為となります。  多数組合との間でユニオン・ショップ協定(雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず、加入しないときは使用者においてこれを解雇……

社員を引き抜いて、同業他社に転職する。

 在職中は、労働契約上の誠実義務として、同業他社に勤務したり、自ら同業他社を経営したりすることは当然禁止されますが、退職後は、競業避止特約がある場合に限り、合理的な範囲内においてのみ競業が禁止されることになります。
 特約がない場合であっても、労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して、使用者が取引継続中のものに働きかけをして競業を行うことは許されず、そのような働きか……

営業秘密を漏洩する。

 社員は、在職中・退職後いずれについても、労働契約の付随義務として当然に守秘義務を負っていると考えられますが、それを明確にして自覚を促すため、諸規定を整備し、誓約書を取っておくことが重要です。  社員が営業秘密を漏洩したと思われるような事案であっても、損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。
 事後的な損害賠償請求が容易ではないことを念頭に置いて、事前の営業秘密漏洩防止に力を入れ……

業務上のミスを繰り返して、会社に損害を与える。

[toc] 1 募集採用活動の重要性  業務上のミスを繰り返す社員を減らす一番の方法は、採用活動を慎重に行い、応募者の適性・能力等を十分に審査して基準を満たした者のみを採用することです。採用活動の段階で手抜きをして、十分な審査をせずに採用したのでは、業務内容が単純でマニュアルや教育制度がよほど整備されているような会社でない限り、業務上のミスを減らすことは困難です。 2 採用後の対応  採用……

会社の業績が悪いのに賃金減額に同意しない。

[toc] 1 はじめに  会社の業績が悪いため賃金原資を確保することが難しい場合、労働者の賃金を減額したり、辞めてもらう必要があることもあります。しかし、賃金を減額するにしても、辞めてもらうにしても、自由に行うことはできず、一定のルールを守らなければなりません。
 本FAQでは、会社の業績が悪いのに賃金減額に同意してもらえない場合の対処法について解説します。 2 業績が悪いこ……

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