再雇用後の高年齢者の賃金は、どの程度の水準に設定するのが適正か
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賃金額に在職老齢年金・高年齢雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額が、従来の年金額と同水準以上になるよう配慮すべき 一定規模以上の会社では再雇用後の賃金水準は定年前の50%〜70%程度になることが多いです。 |
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【重要】令和7年4月から高年齢雇用継続給付の支給率が最大15%から最大10%に縮小されている 公的給付に依存した賃金設計は、今後より慎重な検討が必要です。 |
再雇用後の適正賃金水準とは、高年齢者雇用確保措置の趣旨(雇用と年金の接続)を踏まえ、継続雇用後の賃金額に在職老齢年金・高年齢雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計が、従来受給できたはずの年金水準を下回らないよう配慮して設定される賃金の水準をいいます。「再雇用後の賃金は、結局いくらに設定するのが適正なのか」というご質問は、多くの経営者からいただきます。
本ページでは、再雇用後の適正な賃金水準の考え方と、令和7年4月から変更された高年齢雇用継続給付の最新の制度内容について、会社側専門の弁護士が解説します。
01適正な賃金水準の考え方|公的給付を加味した手取額
結論:高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が、年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策、65歳までの安定した雇用機会の確保である以上、継続雇用後の賃金額に在職老齢年金・高年齢雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が、従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきです。
賃金原資に余裕がない会社であっても、公的給付を加味した手取額が一定水準を確保できるよう、賃金設計の段階から意識しておくことが望ましいです。
02実務上の相場観|定年前の50〜70%程度
結論:一定規模以上の会社の場合は、再雇用後の賃金水準は定年前の50%~70%程度になることが多く、賃金原資に余裕がない会社であっても最低限の水準は確保しておくことが望ましく、賃金原資に余裕があるのであれば同業他社よりも高めの賃金設定でも構いません。賃金原資に余裕がない会社であっても、「時給1000円、1日8時間・週3日勤務」程度の賃金額にはしておきたいところです。
03【重要】高年齢雇用継続給付の縮小に注意してください
結論:令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率が最大15%から最大10%に縮小されており、令和7年4月1日以降に60歳に達する労働者については、これまでよりも公的給付による補填が少なくなるため、公的給付への依存度が高い賃金設計を行っている会社は、制度の見直しを検討する必要があります。高年齢雇用継続給付とは、60歳以後の賃金が60歳到達時点の賃金と比べて一定程度低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者に対して、賃金の低下を補うために支給される雇用保険の給付金です。
この制度変更により、「賃金を大きく下げても公的給付で補えるから問題ない」という従来の発想は、令和7年4月以降に60歳に達する労働者については通用しにくくなっています。賃金設計にあたっては、公的給付の縮小を見込んだ上で、会社として支給できる賃金水準を改めて検討することが重要です。再雇用後の賃金水準の設計・見直しについては、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。
賃金設計の比較|適切な対応/NGな対応
| ○ 適切な対応 | ✕ NGな対応(賃金設計の見誤りリスク) |
|---|---|
| 在職老齢年金・高年齢雇用継続給付の水準を踏まえて賃金を設計する | 公的給付の水準を考慮せず賃金のみで判断する |
| 高年齢雇用継続給付の縮小(令和7年4月〜)を踏まえて制度を見直す | 縮小前の給付水準を前提とした賃金設計のまま放置する |
| 自社の賃金原資の余裕度に応じて柔軟に水準を設定する | 他社の相場のみを鵜呑みにして自社の実情を考慮しない |
| 賃金制度の見直しは社会保険労務士・弁護士と連携して行う | 自己判断のみで制度変更を行う |
04よくある質問(FAQ)
Q. 高年齢雇用継続給付とは、どのような制度ですか。
60歳以後の賃金が60歳到達時点の賃金と比べて一定程度低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者に対して、賃金の低下を補うために支給される雇用保険の給付金です。会社が賃金から天引きするものではなく、雇用保険から労働者に直接支給される仕組みです。
Q. 高年齢雇用継続給付の支給率が縮小されたのはいつからですか。
令和7年(2025年)4月1日から、支給率が最大15%から最大10%に縮小されました。ただし、令和7年3月31日以前に60歳に達した(または被保険者期間5年の要件を満たした)方については、引き続き従来の最大15%の支給率が適用されます。
Q. 今後、高年齢雇用継続給付はどうなっていく見込みですか。
厚生労働省の資料によれば、高年齢者雇用確保措置の進展等を背景に、将来的な廃止も含めて検討が進められています。公的給付に依存しない、持続可能な賃金制度の構築が今後の企業に求められる方向性にあると考えられます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。再雇用後の賃金水準の設計でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
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最終更新日:2026年7月11日