除外賃金の「家族手当」とは
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除外賃金としての「家族手当」とは、扶養家族数を基準として算出する手当をいう 扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基準として算出する手当のみが該当します。 |
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独身社員にも支払われていたり、扶養家族数に関係なく一律支給されている場合は除外賃金に当たらない この場合は残業代(割増賃金)算定の基礎賃金に含める必要があります(昭和22年11月5日基発231号)。 |
除外賃金としての「家族手当」とは、労働基準法施行規則21条の除外賃金に該当する家族手当をいい、扶養家族数またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出する手当のみを指します。「家族手当」という名称の手当を支給していれば当然に除外賃金として扱えると考えている会社側は少なくありませんが、これは正確ではありません。
本ページでは、除外賃金としての「家族手当」の法的要件と、一律支給の場合との違いについて、会社側専門の弁護士が解説します。
01除外賃金としての「家族手当」の定義
結論:除外賃金としての性質を有する「家族手当」とは、扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基準として算出する手当のことをいいます。つまり、扶養家族が1人であれば5,000円、2人であれば10,000円というように、扶養家族数に連動して金額が変動する仕組みでなければ、除外賃金としての「家族手当」には該当しません。
02独身社員への支給・一律支給が問題になる理由
結論:独身社員についてまで支払われていたり、扶養家族数に関係なく一律に支給されていたりする場合は、除外賃金としての性質を有する「家族手当」とは認められず、残業代(割増賃金)算定の基礎賃金に入れるべきこととなります(昭和22年11月5日基発231号)。この場合、名称は「家族手当」であっても、実質的には全社員に一律支給される基本給の一部(生活手当的な性質のもの)と評価されます。
行政解釈上も、「扶養家族有りの労働者に支払われるものであっても、家族数に関係なく一律に支払われる手当は、除外できません」とされています。また、家族がいる社員との均衡上、独身社員にも一定額を支給している場合、その独身社員に支払われている部分(または扶養家族のある社員に対して「本人分」として支払われている部分)は、家族手当としての性質を持たないとされています。
03自社の家族手当を点検する際のチェックポイント
結論:自社の家族手当が除外賃金の要件を満たしているかを点検する際は、①支給対象が扶養家族のある社員に限定されているか、②扶養家族数に応じて金額が変動する仕組みになっているか、③独身社員や扶養家族のない社員に均衡上の名目で支給されている部分がないか、という3点を確認する必要があります。
これらのいずれかに問題がある場合、その部分については算定基礎に含める必要があり、賃金規程の見直しや、給与計算における取扱いの是正が求められます。家族手当の設計・点検については、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。
家族手当設計の比較|適切な対応/NGな対応
| ○ 適切な対応 | ✕ NGな対応(未払いのリスク) |
|---|---|
| 扶養家族数に応じて金額が変動する仕組みにする | 独身社員にも均衡上の名目で一定額を支給する |
| 支給対象を扶養家族のある社員に限定する | 扶養家族数に関係なく一律に支給する |
| 規程の算定方法と支給実態を定期的に照合する | 名称のみで除外賃金と決めつけて放置する |
04よくある質問(FAQ)
Q. 独身社員にも「家族手当」という名目で一定額を支給していますが、問題がありますか。
独身社員に支払われている部分については、除外賃金としての「家族手当」に該当せず、算定基礎に含める必要があります。扶養家族のある社員に支払われている部分についても、独身社員への支給額と同額の「本人分」に相当する部分は、同様に除外賃金には当たらないと解されています。
Q. 「生活手当」という名称で家族数に応じて支給している場合、除外賃金になりますか。
名称にかかわらず、実質的に扶養家族数を基準として算出されていれば、除外賃金としての「家族手当」に該当する可能性があります。名称よりも算定方法が重要であることを踏まえ、給与規程の記載内容を確認することをお勧めします。
Q. 家族手当の支給方法を今から見直すことはできますか。
見直すこと自体は可能ですが、既存の労働条件を不利益に変更する場合は労働契約法9条・10条の要件を満たす必要があります。制度変更の進め方については、事前に弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。家族手当制度の設計・点検でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
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最終更新日:2026年7月11日