この記事の結論
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アルバイト・パートにも割増賃金規定は適用。時給1,000円なら時間外1,250円・法定休日1,350円

基本時給に割増率を掛けて計算します。時間外は1,000円×1.25=1,250円、法定休日は1,000円×1.35=1,350円、深夜は250円の加算です。

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深夜と重複する場合は加算。深夜の時間外は1,500円、深夜の法定休日は1,600円

深夜の時間外労働は1,250円+250円=1,500円、深夜の法定休日労働は1,350円+250円=1,600円です。飲食・小売・ホテル等の深夜勤務では特に注意が必要です。

 アルバイト・パートタイム労働者に対しても、正社員と同様に労働基準法の割増賃金規定が適用され、時給に法定の割増率を掛けて残業代を計算します。時給制のアルバイトの場合は、基本時給にそれぞれの割増率を掛けることで残業代の時間単価を算出できます。

 会社側として、アルバイトスタッフに対する残業代の計算が正確かどうかを確認することは、重要なコンプライアンス上の義務です。計算誤りがあると、退職後に未払い残業代を請求されるリスクがあります。会社側専門の弁護士の立場から、時給1,000円のアルバイトを例に具体的な計算方法を解説します。

01時間外割増賃金の計算

 時給1,000円のアルバイトが法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた場合の時間外割増賃金の時間単価は、1,000円×1.25=1,250円です。たとえば1日10時間働いた場合は、所定8時間分を通常の時給1,000円で計算し、超えた2時間分については1,250円の時間外割増賃金が適用されます。

 なお、1か月60時間を超える時間外労働については、割増率が1.50に引き上げられますので、1,000円×1.50=1,500円となります(2023年4月以降、中小企業も同様に適用されます)。

02休日割増賃金の計算

 法定休日(週1回の法律上の休日)にアルバイトを働かせた場合の休日割増賃金の時間単価は、1,000円×1.35=1,350円です。法定休日の労働は、労働時間の長さにかかわらず1.35倍の賃金が必要となります。

 なお、法定休日以外の所定休日(祝日・会社が定めた休日等)に働かせた場合は、原則として通常の時間外労働として1.25倍(月60時間超は1.50倍)の賃金が必要です。就業規則において法定休日をどの曜日に指定しているかを確認することが重要です。

よくある誤解

誤解 「土日祝など会社の休みの日に出勤してもらったら、すべて1.35倍の休日割増を払えばよい」

正しい理解 1.35倍が必要なのは「法定休日(週1回)」の労働だけです。それ以外の所定休日の労働は、週40時間を超える部分に時間外割増(1.25倍等)が適用されます。どの曜日を法定休日とするかを就業規則で明確にしておかないと、過払い・過少払いの原因になります。

03深夜割増賃金の計算

 深夜時間帯(午後10時から午前5時)に働かせた場合の深夜割増賃金の追加分は、1,000円×0.25=250円(1時間あたり)です。深夜割増賃金は、通常の時給に0.25倍分を加算する形で計算します。

 したがって、深夜の通常労働時間内の賃金は、1,000円+250円=1,250円となります。深夜割増は、時間外労働・休日労働と重複して適用される点に注意が必要です。

04重複適用の場合の計算と時間単価一覧

 深夜の時間外労働(法定時間外かつ深夜)の場合は、時間外割増と深夜割増が重複して加算され、1,250円(時間外割増)+250円(深夜割増)=1,500円となります。深夜の法定休日労働の場合は、休日割増と深夜割増が重複し、1,350円(休日割増)+250円(深夜割増)=1,600円となります。時給1,000円を例に、各類型の時間単価を一覧にすると以下のとおりです。

時間単価一覧(基本時給1,000円の場合)
労働の種類 計算式 時間単価
通常の時給 1,000円
時間外(月60時間以内) 1,000円×1.25 1,250円
時間外(月60時間超) 1,000円×1.50 1,500円
法定休日 1,000円×1.35 1,350円
深夜(加算分) 1,000円×0.25 +250円
深夜の時間外労働 1,250円+250円 1,500円
深夜の法定休日労働 1,350円+250円 1,600円

 飲食業・コンビニ・ホテル等の深夜営業を行う業種では、深夜割増の正確な計算と支払いが特に重要です。深夜割増を含む計算を誤ると、退職後に多額の未払い残業代を請求されるリスクがあります。

05会社が取るべき実務対応

 アルバイト・パートを多く雇用している会社では、時間外労働・休日労働・深夜労働の各割増賃金が正確に計算・支払われているかを定期的に確認することが重要です。特に飲食業・小売業・サービス業では、深夜・休日の勤務が多く、割増賃金のトラブルが発生しやすい傾向があります。

 給与計算システムを利用している場合も、システムの設定(割増率・法定休日の設定等)が正確かどうかを確認することをお勧めします。残業代に関する法的疑問や給与規程の整備については、会社側・使用者側専門の弁護士に相談することをお勧めします。

06よくある質問(FAQ)

Q. 時給1,000円のアルバイトが1日10時間働いた場合の残業代はいくらですか。

法定労働時間を超えた2時間分(8時間超過分)について、1,000円×1.25=1,250円の時間外割増賃金が適用されます。2時間分の残業代は1,250円×2時間=2,500円です。通常の8時間分(1,000円×8時間=8,000円)と合わせた合計賃金は10,500円となります。

Q. アルバイトを法定休日に1日8時間働かせた場合の賃金はいくらですか。

法定休日の割増率は1.35ですので、1,000円×1.35=1,350円の時間単価で8時間分を計算します。合計賃金は1,350円×8時間=10,800円です。なお、所定休日(会社が定めた法定休日以外の休日)の場合は適用される割増率が異なることがあります。

Q. 深夜(午後11時から午前1時まで)に2時間通常勤務させた場合、追加で支払う深夜割増賃金はいくらですか。

深夜割増の追加分は1,000円×0.25=250円(1時間あたり)ですので、2時間分は250円×2時間=500円の追加支払いが必要です。通常の時給1,000円×2時間=2,000円に500円を加え、合計2,500円を支払います。

Q. 深夜の時間外労働(午後10時以降の残業)の場合、時給はいくらになりますか。

時間外割増(1.25倍)と深夜割増(0.25倍)が重複して適用されます。1,000円×1.25=1,250円(時間外割増)に1,000円×0.25=250円(深夜割増)を加算し、合計1,500円が深夜の時間外労働の時間単価となります。

経営上のポイント アルバイト・パートにも正社員と同じ割増賃金規定が適用されます。時給1,000円を例にとると、時間外は1,250円、法定休日は1,350円、深夜は250円の加算、深夜の時間外は1,500円、深夜の法定休日は1,600円です。飲食・小売・サービス業のように深夜や休日の勤務が多い職場では、割増の計算誤りがそのまま未払い残業代として積み上がりやすく、退職後にまとめて請求されるリスクがあります。給与計算システムを使っている場合も、割増率と法定休日の設定が正しいかを一度点検してください。割増率一覧と各種割増賃金の計算方法とあわせて、給与規程やシステム設定の整備について会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。アルバイト・パートへの残業代計算や給与規程の整備でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日


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