この記事の結論
1

出勤率は労働日を単位として計算する

労基法39条1項の出勤率は、労働日を単位として計算すべきものです。1日のうちに何時間働いたかではなく、その日に出勤したかどうかという観点で判断されます。

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遅刻・早退した日でも「出勤」として取り扱われる

遅刻・早退した日であっても、その日に出勤したことに変わりはありません。労基法39条1項の出勤率の算定では、遅刻・早退した日も出勤日として計算されます。

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遅刻・早退は賃金控除等で対応する問題

遅刻・早退への対応は、ノーワークノーペイの原則に基づく賃金控除や、就業規則に基づく懲戒処分の問題であり、年休の出勤率とは別の問題として整理する必要があります。

01年次有給休暇の付与要件としての出勤率

 労基法39条1項は、6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に年次有給休暇を付与することを使用者に義務付けています。この「8割以上出勤」という出勤率の要件が、年休付与の重要な条件の一つです。

 出勤率は「出勤日数÷全労働日数」で計算されますが、遅刻・早退した日をどのように扱うかという点は実務上の論点となります。

02出勤率は「労働日単位」で計算する

 労基法39条1項の出勤率は、労働日を単位として計算すべきものと考えられます。すなわち、その日に出勤したかどうかという観点で判断されるものであり、1日のうち何時間働いたかという時間の長短は問われません。

 「出勤」の対義語は「欠勤(不出勤)」です。出勤率の計算においては、当該日に出勤したか欠勤したかという二択の判断が行われます。

03遅刻・早退は出勤率には影響しない

 遅刻・早退した日であっても出勤したことに変わりありませんので、労基法39条1項の出勤率の算定では出勤したものとして取り扱われることになります。

 例えば、1日のうち30分だけ出勤してその後帰宅したような場合でも、その日は「出勤した日」として出勤率の計算に含まれます。遅刻・早退の時間が長かろうと短かろうと、その日に出社した事実があれば出勤として扱われます。

04遅刻・早退への実務上の対応

 遅刻・早退は年休の出勤率算定には影響しませんが、別途以下のような対応が可能です。

 まず、ノーワークノーペイの原則に基づき、遅刻・早退した時間分の賃金を控除することができます。また、遅刻・早退が繰り返される場合には、就業規則の規定に基づき、注意・指導を経たうえで懲戒処分(けん責、減給等)の対象とすることも考えられます。

 遅刻・早退を年休の出勤率の問題と混同しないよう注意が必要です。遅刻・早退が多い社員であっても、全労働日の8割以上出勤していれば年休取得の要件を満たすことになります。

経営上のポイント 遅刻・早退した日であっても年休の出勤率算定では出勤扱いになります。遅刻・早退が多い問題社員への対応は、年休の付与とは別に、賃金控除や懲戒処分の枠組みで検討する必要があります。アドバイスします。
SUPERVISOR 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 遅刻・早退が多い社員の年休付与を拒否することはできますか。

A. 出勤率の要件(全労働日の8割以上出勤)を満たしている限り、遅刻・早退が多いことを理由に年休の付与を拒否することはできません。年休は継続勤務要件と出勤率要件を満たした場合に発生する権利であり、勤務態度の問題は別途対応する必要があります。

Q2. 午前中だけ出勤して午後に帰宅した日(半日欠勤)は、出勤日として扱われますか。

A. 半日欠勤(早退)した場合も、その日に出勤した事実があれば出勤日として取り扱われます。ただし、欠勤した半日分については、ノーワークノーペイの原則に基づき賃金控除の対象となります。

Q3. 欠勤した日は出勤率にどのように影響しますか。

A. 欠勤した日は出勤日数に含まれません。全労働日の分母はそのままで、出勤日数の分子に含まれないため、出勤率が下がります。例えば、全労働日が120日の場合、8割以上出勤するためには96日以上出勤する必要があります。欠勤が25日以上あると出勤率が8割を下回り、年休が付与されない場合があります。

最終更新日:2026年2月25日


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