この記事の結論
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産前産後休業期間は出勤したものとみなされる

産前産後休業期間は、労基法39条8項により、年次有給休暇の出勤率算定上は出勤したものとみなされます。

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業務上の災害による休業・育児介護休業も同様にみなし出勤

産前産後休業のほか、業務上の災害による休業期間、育児介護休業の期間についても、労基法39条8項により出勤したものとみなされます。

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これらの休業を理由に年休を付与しないことはできない

産前産後休業や育児介護休業を取得したことを理由に、年休の出勤率要件を満たさないとして年休を付与しないことはできません。

01労基法39条8項によるみなし出勤の規定

 労基法39条1項の出勤率の算定に際し、産前産後休業期間については出勤したものとして取り扱われることになります(労基法39条8項)。

 産前産後休業は労働者の意思によって選択できるものではなく、法律上の保護として認められているものです。産前産後休業を取得したことによって年休の付与要件(出勤率8割以上)を満たせなくなることがないよう、みなし出勤として扱うことが法律上定められています。

02みなし出勤の対象となる3つの期間

 労基法39条8項では、以下の3つの期間について出勤したものとみなす旨が規定されています。

出勤したものとみなされる期間(労基法39条8項)

① 産前産後休業の期間(労基法65条による産前6週間・産後8週間の休業)

② 業務上の災害による休業の期間(業務災害(労災)を原因とする休業)

③ 育児介護休業の期間(育児・介護休業法に基づく育児休業・介護休業の期間)

 これらはいずれも、本人の事情や使用者の事情ではなく、法律が特別に保護を与えている休業であるため、出勤率の計算において不利益に取り扱わないように、みなし出勤として扱われています。

03みなし出勤の実務上の取扱い

 みなし出勤とは、実際には出勤していないにもかかわらず、出勤率の計算において出勤したものとして扱うということです。

 具体的には、出勤率の計算式「出勤日数÷全労働日数」において、産前産後休業等の期間中の所定労働日数を分母(全労働日)と分子(出勤日数)の両方から除外して計算するという方法が一般的に採られています。

 例えば、全労働日が240日で、うち産前産後休業が60日間ある場合、実際に出勤すべき日数は180日となります。この180日のうち8割以上(144日以上)出勤していれば、産前産後休業期間を含めた全体の出勤率は8割以上とみなされることになります。

04会社経営者として注意すべき点

 産前産後休業や育児介護休業を取得した社員について、復職後に「休業期間が長かったので年休がなくなった」という誤った対応をしてはなりません。これらの休業期間はみなし出勤として扱われるため、出勤率の計算に不利益な影響を与えることはありません。

 また、産前産後休業・育児介護休業を理由とした不利益取扱いは法律上禁止されており(男女雇用機会均等法9条3項、育児介護休業法10条等)、年休の付与を拒否することもこれに該当する可能性があります。

経営上のポイント 産前産後休業・業務上の災害による休業・育児介護休業の期間は、年次有給休暇の出勤率算定上はみなし出勤として扱われます。これらの休業を理由に年休の付与を拒否することは許されません。アドバイスします。
SUPERVISOR 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 私傷病による休業(業務外の病気・けが)も出勤したとみなされますか。

A. 私傷病による休業(業務外の病気・けがによる休業)は、労基法39条8項のみなし出勤の対象外です。みなし出勤の対象となるのは、産前産後休業、業務上の災害による休業(業務災害・通勤災害)、育児介護休業の3種類に限られます。私傷病による休業日は欠勤として扱われ、出勤率の計算に影響します。

Q2. 産前産後休業中の年次有給休暇は取得できますか。

A. 産前産後休業中は就業が禁止または制限されているため、その期間中に年次有給休暇を取得することは通常できません。年次有給休暇は所定労働日に就労義務を有給で免除するものですが、産前産後休業中はそもそも就労義務が生じないためです。

Q3. 育児休業中も継続勤務として年休の付与日数は増えますか。

A. 育児休業期間も継続勤務年数に含まれます。また、出勤率算定においてもみなし出勤として扱われます。したがって、育児休業を取得した社員も、復職後に適切な年次有給休暇が付与される必要があります。

最終更新日:2026年2月25日


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