労働問題58 試用期間中の社員であれば、自由に本採用拒否(解雇)できますよね?

 使用者と試用期間中の社員との間では、既に留保解約権の付いた労働契約が成立していると考えられる事案が多く、本採用拒否の法的性質は、留保された解約権の行使(解雇)と評価されるのが通常です。
 本採用拒否は、既に採用した社員の解雇であり、新たに採用する場面とは異なりますから、試用期間中だからといって、自由に本採用拒否(解雇)できるわけではなく、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される」(三菱樹脂事件最高裁大法廷昭和48年12月12日判決)ことになります。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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