能力不足社員への対応

会社側専門弁護士|動画解説シリーズ
能力不足社員への対応
教育指導・配置転換・退職勧奨・解雇まで、経営者が知るべき実務を動画で解説
「いくら教えても仕事ができない」「周りの社員の負担が限界に来ている」——能力不足社員への対応は、教育指導から解雇まで選択肢が多く、手順を誤るとトラブルになりかねません。会社側専門弁護士が全16本の動画で実務ポイントを解説します。
16本の動画
会社側専門特化
実務即戦力の解説

能力不足の社員への対応は、問題社員対応の中でも特に判断が難しい分野です。「能力不足」とは、絶対的な能力の高低ではなく、雇用契約で予定されていた能力と実際の能力のギャップのことを指します。本シリーズでは、弁護士法人四谷麹町法律事務所・代表弁護士 藤田 進太郎 が、最初に考えるべきことから教育指導・配置転換・退職勧奨・解雇まで、能力不足社員への対応のすべてを動画で解説しています。

動画一覧(全16本)
各動画の下に、弁護士が解説した内容のポイントをまとめています。

▶ 総論・まず最初に考えること

#1
総論・最初に考えること

能力が極端に低い社員の対応で最初に考えなければならないこと

能力が極端に低い社員を放置していると、周りの社員から苦情が来るようになります。教えても覚えない、ミスが多くその尻拭いを周りがやらされる——そういった状況が続くと、真面目に働いている社員たちの不満が積み重なっていきます。会社経営者には、その方だけでなく、周りで働いている社員たちの負担を守る責任もあるのです。まず何を考え、どんな選択肢があるのかを整理することが、能力不足社員への対応の出発点です。

経営者が押さえるべきポイント
  • 能力不足社員を放置することは、周りの社員への負担を見て見ぬふりすることと同じ
  • 教育指導・配置転換・退職勧奨・解雇など、複数の選択肢を整理した上で対応方針を決める
  • 能力が低い社員への対応は「その人のため」だけでなく「職場全体のため」でもある
  • 早めに動くことが、問題が深刻化する前に現場を救う最善策になる
こんな方に:能力不足社員への対応に初めて本腰を入れようとしている経営者・どこから手をつければいいか分からない方
 

#2
能力不足の意味

能力が極端に低い問題社員の対処法

「能力不足」とは、絶対的に能力が低いということではありません。雇用契約で予定されていた能力と実際の能力のギャップのことを指します。月給100万円で部長として採用した方が期待に応えられない場合と、新卒を育てる前提で採用した場合とでは、「能力不足」の意味合いが全く異なります。この基本的な概念を理解することが、適切な対応の出発点になります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 能力不足とは「契約で予定された能力」と「実際の能力」のギャップのこと
  • 高給の専門職採用と新卒採用では「能力不足」の判断基準が全く異なる
  • 教育指導・配置転換・退職勧奨・解雇など、状況に応じた対応の選択が必要
  • 解雇が難しい場合でも、退職勧奨など取りうる手段は複数ある
こんな方に:「能力不足」の意味を正確に理解した上で、対応の選択肢を整理したい経営者

#3
対処法・総合

能力不足の問題社員に対する対処法

能力不足の社員を抱えたとき、周りの社員から「この人の分まで仕事をやらされている」「自分たちの方がもっと給料をもらいたい」という不満が出てくることは珍しくありません。社長が我慢すれば済む話ではなく、放置すれば周囲の優秀な社員が離れていくリスクもあります。早い段階で適切な対処法を選ぶことが、職場全体を守ることにつながります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 能力不足社員の放置は、周りの優秀な社員の離職を招くリスクがある
  • まずは教育指導を行い、改善が見込めない場合に次の手段を検討する
  • 育てる前提で採用した若手社員と高給の専門職とでは、対処法の方向性が異なる
  • 判断に迷う場合は早めに弁護士に相談し、法的リスクを踏まえた上で対応方針を決める
こんな方に:能力不足社員への対応に行き詰まっている経営者・具体的な選択肢を整理したい方
 

#4
対処法・実務

能力が極端に低く仕事ができない社員の対処法

労働契約は、給料を払って仕事をしてもらう契約です。能力が低いために契約で予定されている仕事ができないとなると、会社は大変困ります。「能力が低い」というのは原因であって、問題の本質は「契約で予定された仕事ができているかどうか」にあります。その観点から、まず教育指導を行い、改善しなければ配置転換・退職勧奨・解雇という流れで対応を検討していきます。

経営者が押さえるべきポイント
  • 問題の本質は「能力が低いこと」ではなく「契約で予定された仕事ができないこと」
  • まず教育指導——改善しない場合に配置転換・退職勧奨・解雇を段階的に検討する
  • 対応の各段階で記録を残しておくことが、後の手続きの根拠になる
  • どの手段を選ぶかは、雇用契約の内容・採用時の経緯・能力不足の程度によって異なる
こんな方に:仕事ができない社員への対応の流れを体系的に理解したい経営者

▶ 採用・立証・教育指導・人事評価

#5
採用時の問題

能力不足と気づいていても採用してしまうことの問題点

採用の時点でうすうす「この人は仕事ができないかもしれない」と気づいていながら、人手不足などの事情から採用してしまうことがあります。こうして採用してしまった場合、後の解雇・退職勧奨が極めて困難になります。採用時の経緯は、後に能力不足を理由とした法的手続きを行う際に大きく影響してくるのです。

経営者が押さえるべきポイント
  • 能力不足と分かっていて採用した場合、後の解雇・退職勧奨が非常に難しくなる
  • 人手不足でやむなく採用する場合でも、後に問題になることを想定して慎重に進める
  • 採用時の懸念事項は書面で残しておくことが、後々の対応に役立つ
  • 試用期間中に能力不足が判明した場合は、本採用前に対応を検討する
こんな方に:採用時の判断が後の対応に影響することを理解しておきたい経営者・採用担当者
 

#6
立証の方法

能力が極端に低いことを立証する方法

「本当に仕事ができなくて困っている」という事実があっても、それを客観的に立証できなければ、解雇や退職勧奨の根拠として使えません。「できない」という評価だけでは不十分で、いつ・どのような業務で・どのような問題が生じたかという具体的な事実を記録し、証拠として残しておくことが必要です。日常的な記録の積み重ねが、後の手続きの根拠になります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 「できない」という評価だけでは立証にならない——具体的な事実の記録が必要
  • いつ・どの業務で・どんな問題が起きたかを具体的に記録しておく
  • 業務指示書・業務報告書・注意指導記録などを活用して証拠を残す
  • 周りの社員からの苦情も書面で残しておくと、立証の補完になる
こんな方に:能力不足の証拠をどう集めればいいか分からない経営者・管理職

#7
教育指導

能力が極端に低い社員に対する教育指導の仕方

能力が低い社員を採用してしまった場合、まず取るべき対応は教育指導です。先輩社員の負担は重くなりますが、教育指導の記録を残しておくことは、後に退職勧奨や解雇を行う際の根拠にもなります。ただし、教育指導はやみくもに行えばいいわけではなく、何を・どう伝えるかという具体性と、指導の記録を残すという二点が特に重要です。

経営者が押さえるべきポイント
  • 教育指導は「何ができていないか」を具体的な事実ベースで伝える
  • 指導した日時・内容・本人の反応を記録として残しておく
  • 教育指導の記録が、後の退職勧奨・解雇の「解雇回避努力」の証拠になる
  • 指導担当者(先輩・上司)の負担が重い場合は、経営者が適切に評価・サポートする
こんな方に:能力が低い社員への指導の仕方が分からない経営者・管理職・現場担当者
 

#8
人事評価・賃金

能力が極端に低い社員の人事評価・賃金の問題についての注意点

すぐにやめてもらうことはできないが、当面雇い続けていくという場合、人事評価と賃金の扱いが問題になります。能力の低さをきちんと人事評価に反映させておくことが、後々の対応に役立ちます。ただし、一方的に給与を下げることは法的に問題になる可能性があるため、契約上の根拠と手続きを確認した上で進める必要があります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 能力の低さは人事評価に適切に反映させ、記録として残す
  • 一方的な賃金の引き下げには法的リスクがある——就業規則・雇用契約の根拠が必要
  • 賞与・昇給の査定で能力不足を反映させることは可能なケースが多い
  • 降格・降給を行う場合は事前に弁護士に相談し、手続きを整えた上で行う
こんな方に:能力不足社員を当面雇い続けるにあたって、人事評価・賃金をどう扱えばいいか悩んでいる経営者

▶ 配置転換・給与・損害賠償

#9
配置転換

極端に能力が不足している社員の配置転換

能力不足社員への対応として、解雇・退職勧奨以外に「配置転換」という選択肢があります。その仕事には向いていなくても、別の仕事であれば能力を発揮できる可能性があるからです。また、解雇・退職勧奨の前に配置転換を検討した形跡があることは、後の法的手続きにおける「解雇回避努力」の証拠にもなります。

経営者が押さえるべきポイント
  • その仕事が合わないだけで、別の職種・部署では能力を発揮できる可能性がある
  • 配置転換を検討・実施した記録は、後の解雇・退職勧奨の根拠になる
  • 配置転換後も改善しない場合は、より重い手段(退職勧奨・解雇)を検討する
  • 就業規則・雇用契約に配置転換の根拠規定があるかを確認した上で命じる
こんな方に:解雇・退職勧奨の前に配置転換を検討したい経営者・配置転換の法的な進め方を知りたい方
 

#10
給与・待遇

能力が給与額に見合わない社員の対処法

「自分より仕事していないのにあんなに給料が高いのか」——そう感じる社員が出てくると、職場に不公平感が漂い始めます。限られた賃金原資を、会社に貢献している社員に適切に配分することは経営者の責任です。ただし、給与の一方的な引き下げは法的リスクを伴うため、慎重に進める必要があります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 給与と能力のミスマッチは、職場の不公平感・モチベーション低下を招く
  • 給与の一方的な引き下げは原則として本人の同意が必要——強行すると法的リスクがある
  • 降格に伴う降給の場合は、就業規則の根拠と適正手続きが必要
  • 本人に納得してもらった上で賃金変更合意書を締結する方法が最もリスクが低い
こんな方に:給与と能力が見合わない社員の賃金をどう扱えばいいか悩んでいる経営者

#11
損害賠償

極端に能力が不足していてミスが多く、事故などを起こして会社に損害を与える社員に対する損害賠償請求

ミスや事故が繰り返され、会社に実害が生じている場合、損害賠償請求を検討することがあります。しかし、従業員に対する損害賠償請求は、全額請求が認められないケースが多いのが実態です。会社は従業員のミスのリスクを一定程度負うべきという考え方があるためです。請求できる範囲・できない範囲を正確に把握した上で対応する必要があります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 従業員への損害賠償は全額請求が認められないケースが多い
  • 故意・重大な過失があるケースでは、ある程度の損害賠償が認められることがある
  • 損害の発生・因果関係・金額を具体的に立証できるよう記録を残しておく
  • 損害賠償よりも解雇・退職勧奨の方が現実的な解決になるケースも多い
こんな方に:ミス・事故を繰り返す社員に損害賠償請求できるか検討している経営者
   

▶ やめてもらう方法(退職勧奨・解雇)と特殊ケース

#12
やめてもらうコツ

能力が極端に低い社員に辞めてもらうためのコツ

能力が低い社員に辞めてもらうことを考える場合、まず退職勧奨から始めるのが基本です。「なぜやめてもらわなければならないのか」を具体的な事実とともに伝え、本人に納得感を持ってもらうことが、スムーズな合意退職につながります。また、本人にとっても適性のない仕事を続けるよりも転職した方が幸せになれる、という視点で話すことも有効です。

経営者が押さえるべきポイント
  • 「なぜやめてもらわなければならないか」を具体的な事実ベースで丁寧に伝える
  • 本人のためにもならない仕事を続けさせることの問題点も一緒に伝える
  • 退職合意後は必ず退職合意書を取り交わし、口頭合意で終わらせない
  • 退職勧奨を断られた場合の次の手(解雇・配置転換)もあらかじめ検討しておく
こんな方に:能力が低い社員に円満にやめてもらいたい経営者・退職勧奨のコツを知りたい方
 

#13
退職勧奨・本採用後

極端に能力が不足している社員を本採用してしまった場合の退職勧奨

試用期間を経て本採用した社員に対して退職勧奨を行う場合、「本採用した」という事実が「雇い続けてもらえる」という期待を生むため、理由の説明に特に丁寧さが求められます。「なぜ今になってやめてほしいのか」について、具体的な事実とともに納得感のある説明ができるかどうかが、退職勧奨成功の鍵を握ります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 本採用は「雇い続けてもらえる」という期待を生む——退職勧奨の説明に丁寧さが必要
  • 「なぜ今やめてほしいのか」を具体的な問題事実とともに丁寧に伝える
  • 教育指導の経緯・改善が見られなかった記録を準備してから交渉に臨む
  • 断られた場合の次の手(解雇・配置転換)もあらかじめ検討しておく
こんな方に:本採用後に能力不足が深刻となり、退職勧奨を検討している経営者

#14
解雇・本採用後

極端に能力が不足していて仕事ができない社員を本採用してしまった後の解雇について

本採用後の能力不足を理由とした解雇は、試用期間中の解雇より認められにくい傾向があります。教育指導・配置転換など解雇回避努力を尽くした上で、なお改善が見られない場合に初めて解雇が有効と認められやすくなります。高給の専門職採用と若手社員とでは判断基準が大きく異なる点にも注意が必要です。

経営者が押さえるべきポイント
  • 本採用後の能力不足解雇は、試用期間中より有効と認められるハードルが高い
  • 教育指導・配置転換など解雇回避努力の記録が解雇の有効性を高める
  • 高給・特定業務採用の専門職は、能力不足解雇が認められやすい傾向がある
  • 新卒・若手の場合は「育てる前提の採用」とみなされ、解雇が難しくなりやすい
こんな方に:本採用後の能力不足社員を解雇できるか検討している経営者
 

#15
特殊ケース・障がい者

入社時より大幅に能力が低下した障がい者社員の対処法

障がいのある社員が入社後に大幅に能力が低下した場合の対応は、特に慎重な判断が求められます。障がい者雇用においても、合理的配慮の提供義務を果たした上でなお就業が困難な場合には、退職・解雇が認められることがありますが、一般論だけで判断せず、個別の事案について弁護士と相談しながら進めることが強く推奨されます。

経営者が押さえるべきポイント
  • 障がい者雇用でも、合理的配慮を尽くした上でなお就業困難な場合は退職・解雇が認められる場合がある
  • 合理的配慮の提供(業務内容の変更・配置転換等)を検討・実施した記録を残す
  • 一般的な能力不足の対応と同じ基準で判断すると問題になる可能性がある
  • 必ず個別事案として弁護士に相談し、慎重に対応方針を決める
こんな方に:障がいのある社員の能力低下への対応に悩んでいる経営者・人事担当者

#16
特殊ケース・管理職

管理能力がない管理職の降格

プレイヤーとして優秀だった社員を管理職に昇格させたところ、管理能力がないことが判明することがあります。この場合、「降格」という手段が有効ですが、降格には就業規則の根拠規定と適正な手続きが必要です。また、外部から管理職として採用した場合は、降格ではなく解雇・退職勧奨の問題になることが多く、判断の方向性が変わります。

経営者が押さえるべきポイント
  • 社内昇格の管理職は「降格」、外部採用の管理職は「解雇・退職勧奨」が基本的な対応
  • 降格には就業規則の根拠規定が必要——規定がない場合は本人の同意が必要
  • 管理能力不足の具体的な事実(問題が生じた経緯・記録)を整えてから降格を実施する
  • 降格に伴う降給は、就業規則の根拠と本人への説明・同意取得を慎重に進める
こんな方に:管理能力のない管理職の降格を検討している経営者・就業規則の整備を考えている方
   

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