この記事の結論
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労使委員会で「対象労働者の健康・福祉確保措置」を決議することが必要(労基法38条の4第1項4号)

企画業務型裁量労働制は長時間労働になりやすいため、労使委員会の決議において対象労働者の健康・福祉確保措置の内容を定めることが義務付けられています。

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指針が示す具体的措置は6種類(代償休日・健康診断・年休促進・相談窓口・配置転換・産業医助言)

指針(平成11年労告149号)は、まず健康状態の把握を行うことを前提に、6つの具体的な健康・福祉確保措置を示しています。

01労基法38条の4第1項4号の規定

 企画業務型裁量労働制について、労基法38条の4第1項4号は、委員会で決議すべき事項として、次のとおり定めています。

「対象業務に従事する第2号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。」(労基法38条の4第1項4号)

 企画業務型裁量労働制を採用すると長時間労働になる可能性があるため、労働者に対する健康・福祉を確保することが必要であるという観点から、労使委員会を設置して決議しなければならないとされています。

02指針による健康状態の把握

 指針(平成11年12月27日労告149号、改正平成15年10月22日厚労告353号)では、次のとおり述べています。

「対象労働者からの健康状態についての申告、健康状態についての上司による定期的なヒアリング等に基づき、対象労働者の健康状態を把握することが望ましい。このため、委員は、健康・福祉確保措置を講ずる前提として、使用者が対象労働者の勤務状況と併せてその健康状態を把握することを決議に含めることが望ましいことに留意することが必要である。」

 このように、具体的な健康・福祉確保措置を実施する前提として、まず対象労働者の健康状態を適切に把握することが求められています。

03具体的な健康・福祉確保措置(6種類)

 同指針は、具体的な健康・福祉確保措置として以下の6つを示しています。

① 把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること
② 把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること
③ 働き過ぎの防止の観点から、年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること
④ 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること
⑤ 把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること
⑥ 働き過ぎによる健康障害防止の観点から、必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせること

経営上のポイント 企画業務型裁量労働制を導入する際は、労使委員会の決議において健康・福祉確保措置の内容を明確に定めることが必要です(労基法38条の4第1項4号)。指針が示す6つの措置(代償休日・健康診断・年休促進・相談窓口・配置転換・産業医助言)を参考に、自社の実態に即した措置を決議に盛り込むことをお勧めします。制度設計については弁護士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。就業規則・裁量労働制の導入・整備でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 健康・福祉確保措置は6つ全て実施しなければなりませんか。

A. 指針が示す6つの措置は例示であり、全て実施することが義務付けられているわけではありません。ただし、労使委員会の決議において、対象労働者の労働時間の状況に応じた具体的な健康・福祉確保措置を定めることが必要です。自社の実態に応じて適切な措置を選択・決議することが求められます。

Q2. 健康状態の把握はどのような方法で行えばよいですか。

A. 指針では「対象労働者からの健康状態についての申告」「上司による定期的なヒアリング」等の方法が例示されています。具体的には、月次の面談・定期的なアンケート・勤怠データの分析(長時間労働のアラート設定等)などが有効です。健康状態の把握方法を決議に盛り込むことが望ましいとされています。

Q3. 健康・福祉確保措置を実施しなかった場合はどうなりますか。

A. 決議で定めた健康・福祉確保措置を実施しない場合、企画業務型裁量労働制の要件を満たさないとして制度自体が無効と評価されるリスクがあります。また、過重労働による健康障害が発生した場合に、安全配慮義務違反として損害賠償請求を受けるリスクも高まります。措置の実施状況を定期的に確認・記録しておくことが重要です。

最終更新日:2026年2月25日


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