残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の計算式を教えてください。
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残業代の基本計算式は「時間単価×労働時間数×割増率」 残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の計算式は、労基法施行規則19条1項各号に定める通常の賃金の時間単価×時間外・休日・深夜労働時間数×割増率です。 |
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実務では3ステップで計算する 実務では、①通常の賃金の時間単価の計算(円未満四捨五入)→②割増率を乗じた残業代の時間単価の計算(円未満四捨五入)→③時間単価×労働時間数で合計を計算する、という3ステップが一般的です。 |
01残業代の基本計算式
残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の計算式は、以下のとおりです。
労基法施行規則19条1項各号に定める
通常の賃金の時間単価
×
時間外・休日・深夜労働時間数
×
割増率
割増率は、時間外労働(法定時間超)が25%以上、休日労働(法定休日)が35%以上、深夜労働(午後10時〜午前5時)が25%以上です。なお、時間外労働が月60時間を超えた部分については50%以上の割増率が適用されます(中小企業は2023年4月から適用)。また、深夜の時間外労働は50%以上(25%+25%)となります。
詳細は残業代総合解説ページもあわせてご参照ください。
02実務上の3ステップ計算
実務上は、以下のとおり、残業代の時間単価を先に計算してから、これに労働時間数を乗じて残業代を計算することが多くなっています。
実務上の3ステップ計算
① 通常の賃金の時間単価を計算(円未満四捨五入)
労基法施行規則19条1項各号に定める通常の賃金(算定基礎に算入すべき賃金)をもとに、1時間当たりの賃金額を計算します。月給制の場合、月所定労働時間数で除して1時間当たりの賃金を求めます。
② 通常の賃金の時間単価に割増率を乗じて残業代の時間単価を計算(円未満四捨五入)
①で求めた時間単価に割増率(時間外25%以上、休日35%以上、深夜25%以上)を加算した時間単価(割増賃金の時間単価)を計算します。
例:時間単価1,500円×1.25(時間外)=1,875円(円未満四捨五入)
③ 残業代の時間単価に時間外・休日・深夜労働時間数を乗じて割増賃金を計算
②で求めた時間単価に、実際の時間外・休日・深夜労働時間数を乗じて、支払うべき割増賃金の総額を算出します。
端数処理については、①・②それぞれの計算段階で円未満を四捨五入することが一般的です。なお、労基法施行規則19条1項5号の月給制の場合の時間単価計算では、1か月の所定労働時間数(月により変動する場合は1年間の平均)で除します。
03会社経営者が把握すべき実務上のポイント
残業代計算で会社経営者が注意すべき点として、まず「算定基礎賃金」の正確な把握があります。労基法施行規則19条1項は、割増賃金の算定基礎から除外できる賃金を限定列挙しており、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7種類のみが除外できます。それ以外の手当(職務手当・役職手当・皆勤手当・営業手当等)は原則として算定基礎に算入しなければなりません。
次に、労働時間の正確な把握が前提となります。残業代計算の出発点は正確な労働時間の記録です(退勤時刻の記録が不十分な場合の認定については594番参照)。
残業代の計算は専門的な知識を要するため、具体的な計算方法や算定基礎賃金の判断については、使用者側弁護士・社会保険労務士に相談することをお勧めします。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 役職手当は残業代の算定基礎に含めなければなりませんか。
A. 役職手当(管理職手当・職務手当等)は、労基法施行規則19条1項が定める除外7種類(家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時払賃金・1か月超の期間ごとの賃金)に該当しないため、原則として算定基礎に算入する必要があります。役職手当を算定基礎から除外している場合は、未払残業代が生じているリスクがあります。確認することをお勧めします。
Q2. 固定残業代(みなし残業)を導入すれば、別途残業代を払わなくてよいですか。
A. 固定残業代(定額の残業代をあらかじめ支払う制度)を有効に導入するためには、①割増賃金部分を他の賃金と区別して支払うこと②固定残業代に対応する労働時間数と金額が明確であること③固定時間を超えた残業については別途支払うことの3要件を満たす必要があります。これらを満たさない場合、固定残業代は無効とされ、実際の労働時間に基づく残業代を請求されるリスクがあります(固定残業代については516番参照)。
Q3. 残業代の時効はどのくらいですか。
A. 賃金請求権の消滅時効は、2020年4月の民法改正を受けた労基法改正により、それ以降に発生した賃金については原則5年(当面は経過措置として3年)となっています。2020年4月前に発生した賃金については従前どおり2年です。残業代の時効管理を適切に行い、未払いリスクを把握することが重要です。
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最終更新日:2026年2月25日