労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくても良いですか。
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労基法上の作成・届出義務は10人以上の場合のみ 労基法上、就業規則の作成義務・労基署への届出義務が課されているのは常時10人以上の労働者を使用する場合です。10人未満であれば、法的な作成義務はありません。 |
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ただし、人事権の有効行使のためには10人未満でも就業規則は必要 懲戒処分・出向などの人事権を有効に行使するためには、企業規模に関わらず就業規則で根拠規定を定め周知しておく必要があります。10人未満でも就業規則の作成をお勧めします。 |
01法的な作成義務は10人以上の場合のみ
労基法上、就業規則の作成義務および労働基準監督署への届出義務が課されているのは、常時10人以上の労働者を使用する場合です(労基法89条)。したがって、常時10人未満の労働者しか使用していない場合は、労基法上の就業規則の作成義務はありません(就業規則の作成手順については597番参照)。
0210人未満でも就業規則が必要な理由
作成義務がないとはいえ、10人未満の場合でも就業規則を作成することをお勧めします。なぜなら、労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合など、企業の人事権を有効に行使するためには、企業規模に関わらず、就業規則で根拠となる規定を定め、周知しておく必要があるからです。
就業規則がなければ有効に行使できない人事権の例
・懲戒処分(戒告・減給・出勤停止・降格・懲戒解雇等)
・出向(在籍出向)
・降格・役職の変更
・試用期間の設定・延長
例えば、就業規則のない会社が問題社員を懲戒解雇しようとしても、懲戒事由・手続の規定が就業規則に定められていなければ、懲戒解雇は無効となるリスクがあります(懲戒処分の有効要件については536番参照)。また、出向についても、就業規則または個別の労働契約に根拠規定がなければ、労働者の同意なしに出向させることはできません。
会社の規模がどれだけ小さくても、労務トラブルに備えて就業規則を整備しておくことが、会社経営者にとって重要なリスク管理の一つです。就業規則の内容については、使用者側弁護士・社会保険労務士に相談することをお勧めします。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 就業規則なしで問題社員を解雇することはできますか。
A. 就業規則がなくても解雇自体は可能ですが、解雇の有効性の判断において就業規則の解雇事由の規定が重要な根拠となります。特に懲戒解雇の場合は、就業規則に懲戒解雇事由が明記されていることが有効性の前提となります(536番参照)。また、就業規則がなければ解雇予告の要件(30日以上前の予告または解雇予告手当の支払い)は引き続き必要です。解雇を検討する際は事前に弁護士に相談することをお勧めします。
Q2. 従業員が10人に達したらすぐに就業規則を届け出ないといけませんか。
A. 常時10人以上の労働者を使用するようになった時点で、就業規則の作成・届出義務が生じます。「常時」とは、通常の状態として10人以上を使用していることをいい、一時的に10人を超えたり下回ったりする場合は、通常の状態として判断されます。10人以上になったことが確定したら、速やかに就業規則を整備して届け出ることをお勧めします。
Q3. 就業規則がない場合、減給処分はできますか。
A. 懲戒としての減給は、就業規則に減給の根拠規定がなければ行うことができません。就業規則なしに一方的に賃金を減額すれば、賃金の不払いとして違法となります。また、就業規則がある場合でも、1回の減給額が平均賃金の1日分の半額を超えること、また総額が1か月の賃金の10分の1を超えることは禁止されています(労基法91条)。減給を検討する場合は事前に弁護士に相談することをお勧めします。
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最終更新日:2026年2月25日