この記事の結論
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所定7時間45分〜8時間の15分は法内残業(割増なし)

所定7時間45分を超えても8時間以内の15分間は法内残業であり、割増賃金は不要です。8時間を超えた部分が法定時間外労働(25%以上の割増対象)となります。

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週40時間超の計算は1日8時間超部分を除外して行う

週40時間超の時間外労働を計算する際は「1日8時間を超えている部分は除外する」という考え方で計算します。所定が7時間45分でも、週計算の基準は法定の8時間です。

01残業時間の基本的な考え方

 所定労働時間が7時間45分の企業で、7時間45分を超えて残業させた場合、7時間45分から8時間までの15分間は法内時間外労働(法内残業)であり、8時間を超えた法定時間外労働時間とは区別して残業代を計算する必要があります。

所定7時間45分の場合の時間区分

時間帯 区分 割増賃金
〜7時間45分 所定労働時間内 不要(通常賃金)
7時間45分〜8時間(15分) 法内残業 不要(通常賃金)
8時間超の部分 法定時間外労働 必要(25%以上の割増)

02モデルケース1(月〜土、毎日10時間・土曜9時間)

 所定労働時間が7時間45分、法定休日が日曜日の企業で、月曜日から金曜日まで毎日10時間、土曜日に9時間働いた場合の法内残業および時間外労働時間は次のとおりです。

曜日 労働時間 法内残業 時間外労働時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
9時間 0分 9時間

 土曜日は、月〜金の1日8時間超分(各2時間×5日=10時間)を除いた週の労働時間を計算すると、月〜金の各8時間×5日=40時間となり、週40時間に達しています。土曜日の労働時間全てが週40時間を超えているため、時間外労働時間は9時間となります(1日8時間を超えていないが、週40時間超の分として全時間が時間外)。

03モデルケース2(金曜3時間・土曜9時間のパターン)

 上記と同じ会社で月曜日から木曜日の労働時間が10時間、金曜日の労働時間が3時間、土曜日の労働時間が9時間の場合、法内残業および時間外労働時間は次のとおりです。

曜日 労働時間 法内残業 時間外労働時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
10時間 15分 2時間
3時間 0分 0時間
9時間 0分 4時間

 週40時間超の時間外労働時間を計算する際は、「1日8時間を超えている部分については除外する」という考え方で計算します。計算の過程は次のとおりです。

モデルケース2の週40時間超の計算

月〜木:各8時間(8時間超の2時間は1日超過分として除外)× 4日=32時間
金:3時間(8時間以内)
計:32時間+3時間=35時間(週40時間まで残り5時間)
土:9時間のうち、週40時間まで残り5時間分は週内残余として計算
土の週40時間超分:9時間-5時間=4時間(時間外労働時間)

 所定労働時間が7時間45分の場合でも、週40時間超の計算の際は法定労働時間(1日8時間)を超えているかどうかを基準として計算します。残業代の計算方法の詳細については残業代総合解説ページもあわせてご参照ください。

経営上のポイント 所定7時間45分の会社では、7時間45分〜8時間の15分が法内残業(割増なし・通常賃金のみ)、8時間超が法定時間外(割増あり)となります。週40時間超の計算では「1日8時間超の部分は除外」して残週時間数を計算します。計算の誤りが未払い残業代トラブルにつながりますので、計算方法に不安がある場合は弁護士・社労士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 法内残業15分についても、何らかの賃金を支払う必要がありますか。

A. はい、必要です。法内残業の15分については割増賃金(25%以上)は不要ですが、実際に労働した時間ですので、通常の賃金(時間単価×15分)の支払いは必要です。法内残業を無給にすることはできません。就業規則に法内残業の賃金について定めを設けておくことをお勧めします(法内残業については584番参照)。

Q2. モデルケース2で土曜日の時間外労働が4時間になる理由を詳しく説明してください。

A. 週40時間超の計算では、まず1日8時間超の部分を除外します。月〜木の各10時間から8時間超の2時間を除外すると、週計算上の時間数は各8時間×4日=32時間です。金曜日は3時間(8時間以内なので全て算入)。この時点で32+3=35時間です。週40時間まであと5時間残っています。土曜日の9時間のうち最初の5時間で週40時間に達し、残りの4時間が週40時間超の時間外労働時間となります。

Q3. 所定労働時間7時間45分の場合の1か月の所定労働時間はどのように計算しますか。

A. 残業代の時間単価計算(593番参照)に用いる月所定労働時間数は、年間の所定労働日数×7時間45分÷12か月で求めます(月により変動する場合は年平均)。例えば年間所定労働日数が240日の場合、240日×7.75時間÷12か月=155時間が月の所定労働時間数となります。この数値が残業代計算の基礎となる時間単価算出に使われます。

最終更新日:2026年2月25日


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