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この記事の要点

まず「当たり前のことを当たり前にやる」——毎日何らかの方法で連絡を取る努力をする。1回かけてダメだったからと放置しない

電話・メール・LINE・メッセンジャーなど複数の手段を組み合わせて連絡を試みる。この当たり前の行動が後々の法的紛争でも「会社は適切に対応した」という評価を得る基礎になる

連絡が取れない場合はうつ・適応障害などで引きこもっている可能性を念頭に——安否確認の意味も込めてご自宅へ出向くことも検討する

突然出社しなくなる事案の多くはメンタル的な問題が背景にある。「業務が回らないから困る」という視点だけでなく、「本人は大丈夫なのか」という視点でも対応することが重要

自宅への訪問タイミングや身元保証人・家族への連絡は「その社員の立場・責任・雇用年数」などの個別事情に応じて判断する

正社員・長年の勤務・重要な立場→早い段階で自宅訪問・身元保証人への連絡を行う。パート・アルバイト・勤務年数が浅い→対応の程度は個別判断

行き詰まった場合は身元保証人・家族への連絡も検討——ただし本人がすでに「やめる」意思を示していた場合は慎重に判断する

何日も断りなく欠勤している場合に身元保証人・家族へ問い合わせることはプライバシー的な問題よりも本人への安否確認の意味が大きく、基本的に許容される

1. 「当たり前のことを当たり前にやる」——1日1回以上、複数手段で連絡を試みる

社員が突然出社しなくなり連絡が取れなくなった場合の初動で最も重要なことは、「当たり前のことを当たり前にやる」ことです。連絡を取る努力を毎日続けることです。

「当たり前のことを聞く意味があるのか」と思われるかもしれませんが、この当たり前の行動が、後々のトラブル対応や裁判において「会社は適切に対応した」という評価を得るための基礎になります。逆に当たり前のことをやっていなければ、法律や契約論を学んでいても最終的に不利な結果になることを避けられません。

具体的な方法は次の通りです。遅刻・欠勤の場合と同じように、通常使っている方法(電話・メール・社内チャット)で問い合わせます。始業時刻から1〜2時間以内に最初の問い合わせを行うのが目安です。1回かけてダメだったからと放置せず、翌日も毎日同じように連絡を試みます。電話が繋がらない場合はメッセージを残すなど複数手段を組み合わせて使います。

2. 連絡が取れない背景にあるもの——うつ・適応障害で引きこもっている可能性が高い

何日経っても連絡が取れない場合、その背景として最も多いのはメンタル的な問題(うつ状態・適応障害など)で引きこもっているというケースです。

もちろん単に「会社と連絡を取りたくないだけ」というケースや、事件に巻き込まれているというケースもあります。しかし特に正社員で身元保証人まで揃えて入社した方が突然音信不通になるというのは、メンタル的な問題が背景にあることが多いです。業務上の問題だけでなく、「本人は大丈夫なのか」という安否確認の視点を持つことが重要です。

3. 自宅への訪問——安否確認の意味も込めて検討する

電話・メール・メッセージなど様々な手段を試みても連絡が取れない場合は、ご自宅へ出向いて安否を確認することを検討してください。うつ状態などで自宅に引きこもっている場合に、実際に訪問して様子を確認することは安否確認として意義があります。

「家が遠くて負担だ」という場合もあるかもしれません。どのタイミングで誰が行くかは個別に決めるべきことです。ただし少なくとも、連絡が全く取れない状態が続き行き詰まった場合は、自宅訪問を検討することをお勧めします。

4. 自宅訪問・身元保証人への連絡のタイミングは個別事情で判断する

自宅訪問のタイミングや身元保証人・家族への連絡のタイミングは、次のような個別事情を考慮して判断します。

▶ 積極的に早い段階で対応すべきケース

・正社員で長年勤務している(5年・10年以上)
・重要な役職・重要な業務を担当している
・連絡が取れなくなる直前に「やめる」など退職を示唆するような言葉がなかった
・小規模なチームで一緒に仕事をしてきた同僚がいる

▶ 対応の程度を個別判断するケース

・パート・アルバイトで勤務期間が浅い
・有期契約で契約期間満了が近い
・連絡が取れなくなる前に「やめる」という言葉があった
・大規模な雇用で個別の自宅訪問が現実的でない規模

5. 身元保証人・家族への連絡——プライバシーリスクよりも安否確認の意義が大きい

自宅への訪問で状況が分からない場合や、連絡手段に行き詰まった場合は、身元保証人・家族への連絡を検討してください。正社員については身元保証書を取得しているケースが多く、その連絡先に電話や手紙で状況を伝えることが一般的に行われています。

「プライバシーの問題になるのでは」という懸念もあるかもしれませんが、何日も断りなく欠勤している社員について状況を問い合わせることは、安否確認の意義が大きく、基本的に許容されます。むしろ本人がすでに「やめる」という意思を明確に示していた場合に、わざわざ身元保証人や家族に問い合わせることの必要性は低くなりますので、その点は考慮してください。

6. まとめ

① 毎日1回以上、複数手段で連絡を試みる——「1回かけてダメだから」と放置しない

この当たり前の行動が後々の法的評価の基礎になる。始業後1〜2時間以内に最初の問い合わせを行うのが目安。

② 業務上の問題だけでなく「本人は大丈夫か」という安否確認の視点を持つ

連絡が取れない背景にはメンタル的な問題が多い。自宅訪問は安否確認の意義がある。

③ 個別事情に応じて自宅訪問・身元保証人への連絡を検討——行き詰まったら弁護士に相談

正社員・長年勤務・重要な役職ほど早い段階での対応が必要。微妙な判断は弁護士に相談しながら進める。

よくある質問(FAQ)

Q社員が突然出社しなくなり3日経っても連絡が取れません。すぐに解雇できますか?
A

3日程度では解雇の理由として十分ではありません。まずは毎日の連絡努力・自宅訪問・身元保証人への連絡などを継続してください。一定期間(1ヶ月〜数ヶ月)経過後に解雇や就業規則の自然退職規定の適用を検討することになります。詳しくは別記事「突然出社しなくなり連絡が取れない社員を退職させる方法」を参照してください。個別の状況については弁護士に相談してください。

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弁護士 藤田 進太郎

監修者弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

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最終更新日 2026/04/16


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