動画解説

この記事の要点

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同行指導などマイクロマネジメント的な教育で改善するなら、そのまま育てる

改善しない場合の多くは、適性が低い、つまり「向いていない」

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向いていない仕事を厳しく続けさせるのは、健康リスクを伴う残酷な対応になりうる

適応障害や体調不良の懸念があれば、配置転換や退職を検討する

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退職を求めるなら、理由を事実に基づいてしっかり説明する

退職条件も含め、話し合いで進めるのが基本

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人手不足で採用が追いつかないなら、営業手法自体のハードルを下げる発想も

個別対応では解決しない場合、会社全体の仕組みを見直す経営判断が必要になる

1. 成果を上げられない営業社員という悩み

会社で成果が上がらない営業社員が出てきたとき、まずは教育指導していくことが多いと思います。うまくいっている先輩の行動を参考にアドバイスしたりするでしょう。ところが、それでもなかなか営業成績が上がらない方がいます。営業成績が上がらないとやる気も落ちてきて、元々成績が悪かったのに営業までサボるようになり、ますます成果が上がらなくなる、ということもあります。本記事では、成果を上げられない営業社員への対処法を、会社側の視点から解説します。

2. まずはマイクロマネジメント的な指導を尽くす

言葉で伝えてもうまくいかない場合、実際に同行してみて本人のやり方についてフィードバックしてあげる、場合によっては自分の営業をやって見せて手本を示す、といった対応が考えられます。こうしたマイクロマネジメント的な指導によって少しずつ改善していくケースであれば、そのまま育てていただければよいと思います。他方で、いくら教えても、やらせてみてもうまくいかない方もいます。

3. それでも改善しない場合、多くは「適性」の問題

教育指導してもうまくいかない原因の多くは、適性の低さである

いくら教育指導してもうまくいかない原因の多くは、本人の適性が低いこと、簡単に言えば向いていないことにあります。仕事が向いていないと、元々営業が上手にできませんし、教育指導しても、その効果が上がるペースはゆっくりです。非常に不利な状況に置かれているわけです。

4. 向いていない仕事を続けさせることの健康リスク

この状態は、実はご本人にとっても辛いものです。本当にストレスが強くなることも多く、ストレスがあまりにも強いと、適応障害になってしまったり、体調を崩したり、頭痛や腹痛が生じたりすることもよく見られます。ですから、向いていない仕事を厳しく指導してなんとかできるようにしよう、というのは、ある意味残酷なところがあり、会社のためにもご本人のためにもならないことがよくあります。

体を壊すほどまで頑張らせることは、会社としてやってはならない

本人が体を壊すほど頑張らせるのは、会社としてやるべきではありません。本当に体調不良になるのではないかというくらい本人が追い込まれているようであれば、営業の仕事を辞めていただく必要があります。他に準備できる仕事があれば、そちらにつけてみて、できるかどうかを確かめてもよいでしょう。人には向き不向きがあり、ある場面では上手にできても、別の場面や特定の仕事では全然うまくいかない、ということは普通にあります。営業が全然だめな方でも、別のタイプの営業や別の職務に従事させると、それなりのパフォーマンスを上げることも、それどころか大いに活躍することもありえます。

5. 配置転換、それでも難しければ退職という選択肢

もっとも、企業規模の関係で他の仕事が準備できない、あるいは営業社員として採用しており他の仕事をやらせることは予定していない、ということもあります。とくに社内で仕事を準備できない場合は、辞めていただき、他の会社の別な仕事で活躍していただく方法を取らざるを得ません。

辞めなければならない理由を、事実を踏まえてしっかり説明する

どうやって辞めていただくかはケースバイケースですが、原則的なやり方は、どうして辞めなければならないのかを事実を踏まえてしっかり説明し、場合によっては退職条件を話し合って辞めていただく、というのが基本になります。「これはひどいのではないか」と思われる社長もいるかもしれませんが、そんなことはありません。向いていない仕事を無理にやらされるほうが、本人にとって辛く不幸なことです。適性のある向いている仕事を探し、そこで才能を発揮して活躍できる方向に持っていってあげることも、経営者として大事な仕事だと考えています。

6. 人手不足で代わりが確保できない場合

これが基本ではありますが、現在、人手不足が進んでいる会社もあります。営業社員を採用するのも大変で、お金も手間もかかる。「向いていないから辞めてもらう」と言われても困る、ということもあるでしょう。教育指導しても改善しない、単に辞めてもらうだけでは会社の問題が解決しない、となったら何を考えればよいでしょうか。ここから先は少し難易度が高くなり、会社の業務全体を俯瞰的に見なければならなくなります。

7. 営業手法自体のハードルを下げるという経営判断

今やっている営業方法でしっかり対応できる人員の数が十分であれば、そのやり方でよいでしょう。ところが、その営業に要求される能力水準を満たす社員の数が足りず、採用も難しいという場合には、営業のやり方自体を変えなければならないかもしれません。高い水準の能力や気遣いが求められる営業手法を満たせる方を十分に採用できないという場合、選択肢は二つしかありません。一つは、そういった難しい従来の営業手法をこなせる方をなんとか頑張って採用すること。もう一つは、そもそもそのハードル自体を下げ、そこまで能力が高くなくても営業ができるような手法を採用することです。

個別対応では解決しないなら、仕組み自体を見直す

従来のきめ細やかな対応をしないとうまくいかないこともあるでしょうが、ものによっては水準を下げてもある程度の成果が上がることはありえます。人手が十分に確保できていないという現実がある以上、従来のようなやり方が本当に必要なのか、そこまで配慮できない方でもできる方法はないのかを考え、そういった営業手法・仕組みをしっかり作っていくことが、大事なやり方の一つとして考えられます。これは根本的なやり方の変更になりますので、個別対応ではなく全社的な対応になり、大変かもしれません。しかし、個別の成績の振るわない営業社員を教育指導したり辞めてもらって新しい人を採ろうと頑張ったりしても、しっかり対応できる方が十分に揃わない会社であれば、そもそも営業の仕方自体を変えなければならないかもしれません。少なくとも難易度を下げ、現実に採用できる方の水準に合わせて、その方でも仕事ができる営業方法を開発していく必要があるかもしれません。難しいかもしれませんが、会社経営者は、会社全体の経営に目配せし、うまく回るように仕組みを作っていくのが大事な仕事ですので、そういった検討もおすすめします。

8. まとめ

  1. 同行指導などマイクロマネジメント的な教育で改善するなら、そのまま育てる
  2. 改善しない場合の多くは、適性が低い、つまり「向いていない」だけである
  3. 向いていない仕事を厳しく続けさせるのは、適応障害等の健康リスクを伴う残酷な対応になりうる
  4. 体を壊すほどの状態なら、配置転換、それも難しければ退職を検討する
  5. 退職を求めるなら、理由を事実に基づいてしっかり説明し、退職条件も話し合う
  6. 人手不足で代わりが確保できないなら、営業手法自体のハードルを下げる仕組みづくりを検討する

成果を上げられない営業社員への対応は、教育指導で改善するのであれば、それに越したことはありません。しかし、適性のない方に熱心に教育指導をしても、本人が苦しむだけで、体調を崩す懸念が生じることもあります。そういった場合は、別の仕事につけるか、退職していただき、本人の才能を発揮できる会社に移っていただくことも一つの道です。人手不足で十分な人材を確保できないという根本的な問題を抱えている場合は、個別対応にとどまらず、営業手法自体のハードルを下げる仕組みづくりまで踏み込む必要があるかもしれません。大変な経営判断ですが、こうした課題にお悩みの経営者の皆様は、ぜひ会社側専門の弁護士にご相談ください。

弁護士 藤田 進太郎

監修者弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 教育指導しても営業成績が上がりません。次に何をすべきですか。

A. 同行指導やフィードバックなど、マイクロマネジメント的な教育を尽くしても改善しない場合、多くは本人の適性が低い、つまり営業に向いていないことが原因です。この場合、厳しい指導を続けるのではなく、他の職務への配置転換や、それも難しい場合は退職という選択肢を検討してください。向いていない仕事を無理に続けさせることは、本人の健康を害するリスクがあり、会社にとっても本人にとっても望ましくありません。

辞めてもらう場合、どのように進めればよいですか。

A. なぜ辞めなければならないのかを、具体的な事実に基づいてしっかり説明することが基本です。抽象的な評価だけでは納得を得にくく、場合によっては退職条件を話し合いながら、合意退職を目指す進め方が現実的です。健康悪化の懸念がある場合には、本人のためにも早めの対応が望ましいといえます。

人手不足で、成績の悪い社員を辞めさせるとさらに人が足りなくなります。

A. その場合は、個別の社員への対応だけでなく、会社全体の営業手法自体を見直すことを検討してください。現在の営業手法が高い能力を要求するものであり、そのレベルを満たせる人材を十分に採用できないのであれば、能力の要求水準を下げても成果が出せる営業手法や仕組みを開発する、という発想が必要になります。個別対応ではなく全社的な取り組みになりますが、根本的な人材不足の解消につながる可能性があります。

最終更新日:2026年7月19日


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