不当労働行為として禁止されている支配介入はどのような行為のことをいいますか。
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支配介入は、組合結成・運営への干渉行為と経費援助等 支配介入には、使用者による組合結成・運営への干渉行為、組合弱体化行為、経費援助などが含まれます。 |
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組合の結成・運営それぞれに具体的な支配介入の例がある 組合結成への支配介入(非難・中心人物の配転等)と、組合運営への支配介入(活動家の配転・組合切り崩し・別組合優遇等)の双方が問題となります。 |
01支配介入とは(労組法7条3号の概要)
不当労働行為として禁止されている支配介入(労働組合法7条3号)は、使用者が、労働者が労働組合を結成し、または運営することを支配したり介入したりすること(および労働組合の運営のための経費の支払につき財務上の援助を与えること)をいいます。
支配介入は、不利益取扱い(1号・567番参照)や団体交渉拒否(2号・568番参照)とは異なり、組合の組織・活動そのものに干渉する行為です。労働組合が使用者から独立して自主的に運営されることを保護するための規定です。
支配介入には、使用者の組合結成・運営に対する干渉行為、組合弱体化行為、経費援助などがあります。以下、組合の「結成」と「運営」それぞれに対する支配介入の具体例を示します。
02組合結成に対する支配介入
労働組合の結成に対する支配介入の具体例は次のとおりです。
組合結成への支配介入の具体例
・組合結成をあからさまに非難すること
・組合結成の中心人物を解雇または配転すること
・従業員への組合脱退や不加入の勧告・働きかけをすること
・先んじて、または並行して親睦団体を結成させること
これらは、労働者が自主的に組合を結成しようとする動きに対して、使用者が干渉・妨害するものです。例えば、組合結成の動きを察知した会社が、その中心となる人物を他の部署へ配転させることは、支配介入として不当労働行為と評価されます。また、労働組合に代わる組織として、会社が主導して親睦会・懇親会等の団体を先んじて結成させたり、並行して結成を促したりすることも、支配介入となり得ます。
03組合運営に対する支配介入
労働組合の運営に対する支配介入の具体例は次のとおりです。
組合運営への支配介入の具体例
・組合活動家の解雇・配転
・正当な組合活動に対する妨害行為
・組合幹部懐柔のための買収・供応
・通常時から、または争議中における組合切り崩し(脱退勧誘、批判派への激励・援助)
・役員選挙その他の組合内部運営への介入
・別組合(第二組合等)の結成を援助すること
・別組合を優遇すること
これらは、すでに存在する労働組合の自主的な運営を妨げる行為です。特に注意すべきなのは、「組合切り崩し」と「別組合の優遇」です。組合の弱体化を図る目的で、組合員の脱退を勧誘したり、批判的な派閥を支援したりすることは、支配介入として問題とされます。また、会社が第二組合(会社寄りの別組合)の結成を支援したり、その組合を優遇して本来の組合を不利益に扱ったりすることも、支配介入に当たります。
会社経営者として重要なのは、労働組合の自主性・独立性を尊重し、特定の組合を有利・不利に扱わないことです。複数の組合が存在する場合には、労働条件等における中立保持(中立義務)が求められることもありますので、注意が必要です。支配介入に問われないための具体的な対応については、使用者側弁護士に相談することをお勧めします。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 組合費のチェックオフ(賃金からの控除)は、経費援助にあたりますか。
A. チェックオフ(会社が組合費を賃金から控除して組合に交付する制度)は、労使協定に基づいて適法に行われている場合、直ちに経費援助として支配介入となるわけではありません。労組法7条3号ただし書は、「経理上の援助であっても、労働者が労働時間中に時間を費やすことを使用者が許可すること及び最小限の広さの事務所の供与については、この限りでない」と規定しており、一定の便宜供与は許容されています。ただし、組合費の肩代わりや重要な経費の負担など、組合の経済的自立を阻害するような援助は問題となります(チェックオフについては508番参照)。
Q2. 社長が組合の執行委員会に出席し、意見を述べることは支配介入になりますか。
A. 使用者が労働組合の内部運営(役員選挙・執行委員会等)に介入することは、支配介入として問題となります。使用者が組合の内部会議に出席して意見を述べたり、役員の選出方法等に干渉したりする行為は、組合の自主的運営を妨げるものとして、役員選挙その他組合内部運営への介入(支配介入の具体例)に当たる可能性があります。労働組合の内部問題には基本的に立ち入らないことが重要です。
Q3. 社内に2つの組合があります。どちらか一方と先に労働協約を締結してもよいですか。
A. 複数組合が存在する場合、使用者は各組合に対して誠実に対応する義務があります。一方の組合だけを優遇し、他方を不利益に扱うことは、支配介入(別組合の優遇)に当たる可能性があります。ただし、先に交渉が妥結した組合と労働協約を締結すること自体が直ちに不当労働行為となるわけではなく、その交渉の内容・経緯・合理性が問われます。複数組合への対応は慎重を要しますので、弁護士に相談することをお勧めします。
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最終更新日:2026年2月25日