労働組合の種類を教えてください。
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労働組合には4つの類型がある 労働組合の主な類型として、企業内組合・産業別職業別組合・合同労組・上部団体の4つがあります。会社経営者として、特に合同労組の特性を正確に理解しておくことが重要です。 |
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合同労組(ユニオン)に1名加入するだけで、その会社は団交に応じる義務がある 合同労組は複数企業の従業員を組織する組合です。自社の従業員が合同労組に1名しか加入していなくても、その労働組合は自社に対して団体交渉権を持ちます。 |
01労働組合とは(団交当事者としての定義)
労働組合の団体交渉の当事者は、「労働者が主体となって自主的に労働条件を維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又は連合団体」です(労組法2条)。
ただし、労働委員会による不当労働行為救済制度によって保護を受けるためには、自主性の要件を備えているほか、労働組合の規約に労働組合法5条2項が定める所定事項(名称、主たる事務所の所在地、組合員資格、役員の選出方法、会議の規程、財政に関する事項等)が定められていることが必要です。
これらの要件を満たす労働組合は、使用者に対して団体交渉権を有し、使用者は正当な理由なくこれを拒否することができません(不当労働行為となります。568番参照)。以下、労働組合の主な種類を説明します。
02企業内組合
企業内組合とは、特定の企業または事業場の従業員によって組織される労働組合です。日本では最も一般的な組合形態であり、多くの場合、企業内の正社員を中心に構成されます。
企業内組合の特徴は、特定の企業の従業員のみを組合員とするため、当該企業の労働条件・福利厚生など、企業内の労使関係に直接関わる事項について交渉しやすい点にあります。会社経営者にとって最も身近な労働組合の形態といえます。
03産業別・職業別組合
産業別組合とは、同一産業に属する企業の従業員が産業横断的に組織される組合のことをいいます。同様に、職業別組合とは、同一職業・職種ごとに横断的に組織される組合です。企業別組合の上部団体であるケースもあります。
産業別・職業別組合は、企業の枠を超えて同一産業・職種の労働条件の統一・向上を目指す場合に有効な形態です。企業別組合が上部団体として産業別組合に加盟するケースでは、産業全体の統一交渉(統一賃金交渉等)が行われることもあります。
04合同労組(ユニオン)
合同労組は、複数の企業の従業員を組織している労働組合のことをいい、「○○一般労働組合」や「○○ユニオン」という名称であることが一般的です。個人でも加入できるため、社内に組合が存在しない会社に勤める労働者も加入できます。
会社経営者として最も注意すべきポイントは、合同労組に自社の従業員がたとえ1名しか加入していなくても、その労働組合は当該会社に対して団体交渉権を有するという点です。
合同労組の団交権の例
例えば、ある合同労組がA社の従業員2名、B社の従業員3名、C社の従業員1名で構成されている場合、C社に所属する組合員が1名であったとしても、その労働組合はC社に対して団体交渉権を有します。
このため、「社内に組合はない」「組合員は1人だけだから無視できる」という発想は誤りです。合同労組から団体交渉の申入れがあった場合には、正当な理由なく拒否することは不当労働行為となりますので、速やかに対応を検討する必要があります(団体交渉への対応については568番参照)。
05上部団体
上部団体とは、単位組合(個々の企業の組合)を構成員とする連合団体のことをいいます。例えば、A社の従業員で構成されるX労働組合が、B社の従業員で組織されるY労働組合や、C社の従業員で構成されるZ労働組合などとともに、「○○産業労働組合連合会」を結成する場合、この連合会がX・Y・Z各組合の上部団体です。
上部団体は、加盟組合に対して指導・支援・連帯を行う役割を担います。上部団体の役員が下部組合の団体交渉に出席し、交渉を主導することも認められており、会社はその出席を拒否することは通常できません。会社が「うちはX労働組合とだけ交渉する。上部団体の○○連合会は当事者ではない」と主張しても、上部団体が交渉に参加することを一切拒否することは、団体交渉拒否の不当労働行為となる場合があります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 合同労組(ユニオン)から団体交渉の申入れがきました。どうすればよいですか。
A. 合同労組からの団体交渉の申入れも、自社の従業員が加入している以上、正当な理由なく拒否することは不当労働行為となります。まず申入れ書の内容を確認し、交渉事項が自社の雇用・労働条件に関わる事項であれば、日程等を調整して誠実に対応する必要があります。初めて申入れを受けた場合は、対応方針・交渉の進め方について、早めに使用者側弁護士に相談することを強くお勧めします(団体交渉の対応については568番参照)。
Q2. 企業内の労働組合が上部団体(連合会)に加盟しました。上部団体との交渉義務もありますか。
A. 使用者が団体交渉義務を負う相手方は、基本的には自社の従業員を組合員とする労働組合です。ただし、上部団体の役員が下部組合の委任を受けて団体交渉に参加することは一般的に認められており、会社はその出席を一切拒否することは通常できません。上部団体が単独で団交を申し入れた場合の取扱いは事案によりますが、加盟した段階で弁護士に確認しておくことをお勧めします。
Q3. 労働委員会による不当労働行為救済の保護を受けるには、組合に何か条件がありますか。
A. 労働委員会の不当労働行為救済制度を利用するには、組合が「自主的に組織された団体」であること(自主性要件)に加えて、組合規約に労組法5条2項が定める事項(名称、事務所の所在地、組合員資格、役員の選出方法、会議の規程、財政に関する事項等)が定められていることが必要です。これらの要件を欠く組合は、救済申立てができないことがあります。ただし、団体交渉拒否が不当労働行為になるかどうかは、この要件がなくても問題になることがありますので、申入れが来た場合はまず弁護士に相談することをお勧めします。
最終更新日:2026年2月25日