この記事の結論
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パートタイム労働者にも労働関係法令が適用される

パートタイム労働者も、労働契約法、労働基準法など労働関係の法律が適用されますが、所定労働日数や所定労働時間数等に応じて、フルタイム労働者と異なる取り扱いがなされる場合があります。

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10人以上雇用する企業には就業規則作成義務がある

パートタイム労働者を10人以上雇用する企業には就業規則作成義務があり、パートタイム労働者に係る事項の作成・変更時には、パートタイム労働者の過半数代表者の意見聴取の努力義務があります。

 823の記事で解説したパートタイム・有期雇用労働者の定義を踏まえ、実際の労務管理において、これらの労働者にどのような法律がどのように適用されるのかを理解しておく必要があります。

 会社側専門の弁護士の立場から、パートタイム・有期雇用労働者への法律の適用について解説します。

01労働関係法令の適用の基本

 パートタイム労働者も、労働契約法、労働基準法など労働関係の法律が適用されますが、所定労働日数や所定労働時間数等に応じて、フルタイム労働者と異なる取り扱いがなされる場合があります。「パートだから労働法の保護は及ばない」という理解は誤りであり、正社員と同様に、労働関係法令の適用対象になるという原則をまず押さえる必要があります。

02年次有給休暇の特別規定

 たとえば、パートタイム労働者の年次有給休暇について特別の規定が設けられています。所定労働日数が少ないパートタイム労働者には、フルタイム労働者よりも少ない日数の年次有給休暇が、所定労働日数に応じて比例付与される仕組みが定められています。

03就業規則作成義務と意見聴取

 パートタイム労働者を10人以上雇用する企業には就業規則作成義務があり、パートタイム労働者に係る事項について就業規則を作成・変更する場合には、パートタイム労働者の過半数を代表する者の意見聴取の努力義務があります。正社員向けの就業規則とは別に、パートタイム労働者向けの就業規則を整備している会社も多く見られますが、その作成・変更の際には、この意見聴取の努力義務にも留意する必要があります。

04労働条件明示の特則(労基法15条・パート・有期法6条)

 また、労働基準法15条1項の労働条件明示の規制については、パートタイム・有期雇用労働者に対し、昇給や退職手当、賞与の有無等の特定事項を文書で交付する必要があり、違反した場合には、10万円以下の過料の制裁が定められています(パートタイム・有期雇用労働法31条)。通常の労働条件明示に加え、これらの特定事項についても文書で交付する必要がある点が、パートタイム・有期雇用労働者特有のルールです。

05会社側が押さえておくべき視点

 会社側としては、パートタイム・有期雇用労働者の雇入れ時に、通常の労働条件明示事項に加えて、昇給・退職手当・賞与の有無等の特定事項を、文書で明確に交付する体制を整えておくことが重要です。この明示を怠ると過料の制裁対象となるため、雇入れ時のチェックリストに組み込んでおくことをお勧めします。

 また、パートタイム労働者を10人以上雇用している場合には、就業規則の作成義務があることを確認し、正社員用の就業規則とは別に、パートタイム・有期雇用労働者向けの規定を整備しているか点検する必要があります。作成・変更にあたっては、過半数代表者からの意見聴取の努力義務も踏まえた手続を行うことが望ましいといえます。

06よくある質問(FAQ)

Q. パートタイム労働者にも、正社員と同じように労働基準法が適用されますか。

適用されます。ただし、年次有給休暇の付与日数など、所定労働日数・時間数に応じて異なる取扱いがなされる場合があります。

Q. パートタイム労働者用の就業規則は、いつ作成義務が生じますか。

パートタイム労働者を10人以上雇用する企業には就業規則作成義務があります。

Q. パートタイム労働者への労働条件明示で、通常より多く明示すべき事項はありますか。

あります。昇給、退職手当、賞与の有無等の特定事項を文書で交付する必要があり、違反すると10万円以下の過料の対象となります。

経営上のポイント パートタイム労働者にも、労働契約法・労働基準法等の労働関係法令が適用されますが、所定労働日数・時間数に応じて異なる取扱いがなされる場合があります(年次有給休暇の比例付与等)。パートタイム労働者を10人以上雇用する企業には就業規則作成義務があり、作成・変更時には過半数代表者の意見聴取の努力義務があります。労働条件明示についても、昇給・退職手当・賞与の有無等の特定事項を文書で交付する必要があり、違反すると10万円以下の過料の対象となります(パートタイム・有期雇用労働法31条)。会社側としては、雇入れ時の特定事項の文書交付を体制化し、10人以上雇用時の就業規則整備状況を点検することが重要です。パートタイム・有期雇用労働者への法対応は、会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。パートタイム・有期雇用労働者の雇用管理でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日


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