問題社員の退職勧奨の進め方

 
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問題社員の退職勧奨。
進め方の核心と
合意成立の正しい順序を解説します。

日本では解雇が難しいため、退職勧奨で合意退職を目指す経営者が増えています。しかし、経営者が問題社員に向き合う目的は、そもそも頑張っている他の社員を守ることにあります。注意指導や懲戒処分は、本気で改善を期待して積み重ねるものであり、それでも改善が見られなかった結果として、やむなく退職勧奨・合意退職に至る——これが合意成立率を高め、解決金水準も抑制する正しい順序です。本ページでは、問題社員の退職勧奨の進め方を、会社側専門の弁護士が会社経営者向けに解説いたします。

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本ページの基となる解説動画

 

 本ページの解説内容は、以下の藤田進太郎弁護士による解説動画を素材として、当事務所が文章化しているものです。本ページの記載と動画の内容に齟齬がある場合や、より詳しい解説をご覧になりたい場合は、動画を直接ご視聴ください。

本記事の要点

経営者が問題社員に向き合う目的は、頑張っている他の社員を守ることにあります。日々の注意指導と懲戒処分は、本気で改善を期待して積み重ねるものであり、それでもなお改善が見られない結果として、やむなく退職勧奨・合意退職に至る——これが正しい順序です。この姿勢で積み重ねられた経過は、「やめなければならない理由」を具体的事実で説明する土台にもなり、合意成立率を高め解決金水準も抑制します。退職勧奨ありきの「逆算思考」は、合意成立の可能性自体を下げる危険な発想です。

CHAPTER 01

退職勧奨の基本性質と目指す目的

 

 日本では解雇が難しいことが広く認識されるようになり、問題社員に対する対応として退職勧奨で合意退職を目指す会社経営者が増えています。退職勧奨そのものは適法な手続であり、適切に進めれば紛争を回避しつつ問題解決を図れる有力な選択肢です。

解雇との決定的な違い

 退職勧奨を理解するうえで前提となるのが、解雇との性質の違いです。解雇は、労働者の同意を必要とせず、会社が一方的に労働契約を終了させる意思表示です。これに対し、退職勧奨は「合意退職」を目指す手続であり、本人の同意がなければ成立しません。

 この性質の違いが、退職勧奨の難しさの源泉でもあります。解雇は会社の判断で実行できますが、退職勧奨は最終的に相手の同意を得られなければ目的を達成できません。退職日の合意を含めた合意退職が成立して初めて、雇用契約終了という結果が得られます。

退職勧奨が失敗した場合の帰結

 退職勧奨が失敗するとどうなるか、想像してみてください。やめてくれと伝えたうえで断られた問題社員が、その後も会社に残ることになります。当然、勤務態度はこれまで以上に悪化し、職場の雰囲気は一気に悪くなります。

 会社としては、その社員に給料を払い続けながら、悪化した職場環境を抱えなければなりません。退職勧奨が失敗するということは、単に現状維持にとどまらず、問題が拡大する結果を招くのです。

 したがって、退職勧奨を行う以上は、合意成立の可能性を最大限に高める進め方を選ぶ必要があります。失敗時のダメージが大きいだけに、安易な退職勧奨の実行は避けなければなりません。

CHAPTER 02

経営者が陥りがちな誤り──条件提示だけでは足りない

 

 退職勧奨を進める経営者の方の多くが、「退職条件の提示」を中心に交渉を進めようとします。「今やめてくれれば1ヶ月分の給料を上乗せする」「2ヶ月分の解決金を払う」「会社都合扱いとする」──こうした条件提示は、退職勧奨の重要な構成要素ではあります。

条件提示だけが先行する事案の典型的失敗

 しかし、退職条件の提示「だけ」で退職勧奨を成立させようとするアプローチには、構造的な弱点があります。本人にとって、「いくらもらえるか」という条件以前に、「なぜ自分が辞めなければならないのか」という根本的疑問が解消されていないからです。

 条件提示だけが先行すると、本人は「会社は単に自分が嫌いで辞めさせたいだけではないか」「金で解決しようとしているが、辞める理由が示されていない」と受け止めます。この受け止めの下では、提示された条件がいくら魅力的であっても、「軽く扱われた」「金で追い払われた」という感情的反発が生じやすくなります。

退職勧奨に必要な二つの柱

 成功率を高める退職勧奨は、以下の二つの柱を備えています。

 第一の柱は、「やめなければならない理由」を具体的事実で説明できること。第二の柱は、退職条件を妥当な水準で提示できること。多くの経営者は第二の柱だけに依拠しがちですが、第一の柱なくして合意成立の確率は大きく下がります。次章以下で、第一の柱を詳しく解説します。

CHAPTER 03

最重要──「やめなければならない理由」を具体的に説明する

 

 退職勧奨の成否を分ける最大のポイントが、「やめなければならない理由」を具体的に説明できるかです。これは多くの経営者が軽視しがちですが、退職勧奨の核心とも言える要素です。

「本人を傷つけたくない」発想の誤り

 経営者が「やめなければならない理由」を伝えることに躊躇する背景には、「本人を傷つけたくない」「反発を買って話がこじれる」という配慮があることが多いものです。「率直に伝えると本人が傷つく」「言わないほうが穏便に終わる」と考える経営者は少なくありません。

 しかし、この発想は今の時代に合わなくなっています。例えば医療の世界でも、かつては「告知すると本人が傷つくから病名を伝えない」という発想がありましたが、現在は「自分の置かれた状況を正確に知りたい」と望む患者が多数派となっています。退職勧奨の場面でも同様で、「ちゃんと理由を聞かせてほしい」と考える社員のほうが多くなっています。

理由を伝えないことのリスクの方が大きい

 「やめなければならない理由」を曖昧にしか伝えないと、本人は以下のような疑念を抱きます。

 「やましいことがあるから具体的な理由を説明できないのではないか」「会社は自分のことを軽く扱っており、その場しのぎで退職を求めているだけではないか」「単に上司の好き嫌いで辞めさせようとしているのではないか」

 こうした疑念は、退職勧奨に対する強い反発を生み、合意成立を困難にします。理由を伝えないことのリスクの方が、伝えた場合の反発リスクよりはるかに大きいというのが、実務家としての率直な感想です。

「具体的に」とはどのレベルか

 ここでいう「具体的に説明する」とは、何月何日のどのような言動が問題だったのか、その結果どのような不都合が会社に生じたのか、というレベルでの説明を意味します。「勤務態度が悪い」「協調性がない」「能力が不足している」といった評価的な言葉ではなく、客観的な事実を示す必要があります。

 例えば「勤務態度が悪い」と伝えるのではなく、「何月何日の朝礼でこのような発言があった」「何月何日の取引先対応でこのような不適切な対応があった」「何月何日の業務指示に対してこのような拒絶があった」といった具体的事実を提示します。事実の積み重ねが、説得力の源泉となります。

CHAPTER 04

「事実」を伝えればパワハラにならない

 

 「具体的な事実を伝えるとパワハラと言われるのではないか」と心配される経営者の方がいらっしゃいます。しかし、実際の裁判実務を踏まえれば、この心配は逆向きです。

パワハラと評価されやすい言動の特徴

 裁判実務でパワハラと評価されやすいのは、仕事と関係のない人格非難評価的・抽象的な侮辱表現感情的な言動です。「お前は使えない」「役立たずだ」「こんなこともできないのか」といった、仕事の具体的事実から離れた評価的言動こそが、パワハラ認定のリスクが高い類型です。

 逆に、仕事に関連する具体的事実を、礼儀正しく淡々と指摘する行為は、適切な業務上の指導として位置づけられ、パワハラと評価されることはほとんどありません。事実ベースの指摘は、相手にとっても「なぜそう言われているのか」が明確で、納得や反論の対象として扱える性質のものです。

「逃げる」発想がパワハラリスクを高める

 パワハラと言われたくないあまり、評価的・抽象的な遠回しの表現に終始する経営者の方がいらっしゃいます。「もう少し頑張ってほしい」「皆と仲良くやってほしい」「会社のことを考えてほしい」──こうした抽象的な表現は、本人には何が問題か伝わらないうえに、繰り返されると「会社はずっと自分を否定している」という主観的圧力を本人に与え、結果としてパワハラ申告の引き金になります。

 事実から逃げず、礼儀正しく具体的な事実を伝えることが、パワハラリスクを下げる最も合理的な対応です。これは退職勧奨の場面に限らず、日常の注意指導でも同じです。

CHAPTER 05

普段からの注意指導と懲戒処分の積み重ね

 

 退職勧奨を成功させるためには、退職勧奨の場面そのものより、それ以前の段階での対応の積み重ねが決定的に重要です。具体的には、普段からの注意指導と懲戒処分の蓄積が、退職勧奨の成功率を大きく左右します。

注意指導の段階で問題は半減する

 問題行動が発生した段階で、具体的事実に即した注意指導を丁寧に行うと、そもそも退職勧奨に至らずに改善する事案が相当数あります。「何月何日にこのような問題があった、今後はこのようにしてほしい」と具体的に伝えることで、本人が問題を認識し改善するケースは決して少なくありません。

 また、改善はしないものの「この会社は問題行動に対してきちんと対応する会社だ」と判断して、本人が自主的に退職するケースもあります。早期段階での丁寧な注意指導は、それ自体が問題解決の有力手段であり、退職勧奨に至るまでの予防策として機能します。

注意指導は「貴重な仕事」

 他方、注意指導は管理職にとって極めてストレスのかかる仕事でもあります。指導しても改善されないこと、本人から反論されること、パワハラと言われるリスクなど、心理的負担は大きいものです。中小企業では、注意指導を踏み込んでやってくれる管理職がいないことも多く、結果として問題行動が放置・エスカレートしてしまう事案がしばしば見られます。

 経営者として認識すべきは、注意指導をしっかりやってくれる管理職は極めて貴重な人材だということです。普通の業務パフォーマンスは平均的でも、注意指導という負担の重い仕事を担ってくれる管理職には、相応の評価と報酬で報いることが、組織運営上極めて重要となります。

懲戒処分の積み重ね

 注意指導でも改善が見られない場合には、譴責、減給、出勤停止といった懲戒処分を段階的に実行していくことが必要です。懲戒処分通知書には、注意指導書と同様に、何月何日にどのような問題行動があったかを具体的事実で記載します。

 懲戒処分の積み重ねは、会社として段階的に改善の機会を与えてきた事実を示すものであり、仮に最終的に退職勧奨に至った場合にも「会社は段階的に対応してきたが、なお改善が見られないため、やむなく退職を求めるに至った」という説得力ある経過説明を可能にします。経営者の方の中には「うちの会社では懲戒処分はやったことがない」という方もいらっしゃいますが、問題行動に対して段階的な対応を何も取ってこなかったという状態は、会社として改善機会を提供してきた姿勢そのものが弱いと受け止められ、合意成立を難しくする要因となります。

CHAPTER 06

改善努力の積み重ねが合意退職を後押しする理由

 

 前章で述べたとおり、注意指導や懲戒処分は、本気で改善を期待して積み重ねるものです。そして、本気で改善を期待した指導を重ねてもなお改善が見られなかったという経過が整ったとき、結果として、合意退職が双方にとって現実的な選択肢として浮かび上がります。本章では、その理由を順を追って解説します。

本人にとっての合理的判断が「合意退職」に傾く

 退職勧奨を受けた本人は、「退職に応じるか、応じずに会社に残るか」を考えることになります。改善の機会が十分に与えられてこなかった事案であれば、応じずに会社に残る選択にも合理性があります。

 一方、会社が改善の機会を十分に与えてきたにもかかわらず改善が見られなかったという経過が整っている事案では、本人自身も、これ以上改善を示せる見込みが乏しいことを内心では認識しているケースが少なくありません。この段階では、本人にとっても「提示された条件で区切りをつけて新しい環境に移る方が合理的」という判断に傾きやすくなります。退職勧奨はあくまで合意を目指す手続である以上、本人側にとっても納得感のある選択肢として示せることが、合意成立の土台となります。

弁護士・労働組合への相談結果も変わる

 退職勧奨を受けた本人が、弁護士や労働組合に相談するケースは少なくありません。改善の機会を十分に与えてきた経過が整っている事案では、相談を受けた弁護士・労働組合も「会社は改善の機会を丁寧に与えてきており、争い続けるより、提示された条件で合意する方が現実的」と助言する可能性が高まります。

 逆に、何の注意指導もないまま「いきなり辞めてくれ」と言われた事案では、「会社の対応は性急であり、争えば有利な条件を引き出せる」という助言につながりがちです。日頃から改善指導を丁寧に行ってきた会社と、問題が表面化してから急に動き出した会社とでは、相手方の受け止め方がまったく異なります。

解決金水準への影響

 改善指導の経過が整っていれば、退職時の解決金水準も適正な範囲に収まりやすくなります。会社が十分な改善機会を与えてきた事実があれば、過大な解決金を要求する根拠は弱まるためです。逆に、日頃の指導がないまま退職勧奨だけを切り出した事案では、本人側が「会社の対応は性急であり、争えば有利になる」と見越して高額な解決金を要求しやすい立場に立つことになります。改善指導を本気で重ねてきたことは、結果として、退職という最終局面における会社の負担をも合理的な範囲に収めるのです。

CHAPTER 07

「逆算思考」の禁止──失敗事例として解雇に至る発想

 

 ここまでの解説を読んで「退職勧奨や解雇のために注意指導と懲戒処分を積み重ねる」という方向で対応を組み立てようとする経営者の方がいらっしゃるかもしれません。しかし、この逆算思考は失敗を招く危険な発想です。

逆算思考が失敗する理由

 退職勧奨や解雇を最初の目的として、その手段として短期間に注意指導書と懲戒処分通知書を立て続けに発出するアプローチは、後日の訴訟で会社側に不利に評価されます。「短期間に集中的に処分を出している」「退職勧奨直前にだけ処分が集中している」といった経過は、「退職に追い込むための作為的な処分」として、処分自体の有効性も含めて疑問視される結果を招きます。

正しい順序──「改善目的」が先に立つ

 正しい順序は、「改善のために注意指導と懲戒処分を行う、それでも改善が見られなかった結果として、やむなく退職勧奨や解雇に至る」という順番です。注意指導や懲戒処分の段階では、本気で改善を期待し、改善されればそれが最善とする姿勢で臨みます。退職勧奨は、改善の試みが失敗した場合の「いわば失敗事例」として位置づけられます。

 この発想で対応を進めれば、注意指導や懲戒処分の積み重ねも自然な経過として成立し、客観的に見ても合理的な手順を踏んでいると評価されます。退職勧奨や解雇に至った段階でも、「会社は改善の機会を十分に与えたが、なお改善が見られなかった」という説得力ある説明が可能となります。

経営姿勢としての一貫性

 逆算思考を避けることは、単なる訴訟対策にとどまらず、経営者としての姿勢の一貫性とも関わります。社員に対して「改善してほしい」と本気で向き合う経営者であってこそ、結果として改善が叶わなかった場合の退職勧奨も、社員側に受け入れられやすくなります。「最初から辞めさせるための準備」と見抜かれる対応は、合意成立の可能性自体を下げてしまいます。

CHAPTER 08

当事務所のサポート体制

 

 弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社側(使用者側)の労働問題に特化した法律事務所です。問題社員の退職勧奨については、注意指導の段階から、面談スクリプトの設計、退職合意書の起案、訴訟対応まで、一貫してサポートいたします。

 当事務所では、オンライン打合せを活用した継続的支援を多く採用しています。具体的には、注意指導書・懲戒処分通知書の文案レビュー、面談前の伝達内容の整理、面談後の本人反応への次の一手の助言、といった対応を、案件の状況に応じて30分単位の打合せで継続的に行います。「弁護士に依頼する」というより「弁護士と並走する」イメージで、難しい局面ごとに具体的助言を受けながら対応を進めていただけます。

 第一に、注意指導書・懲戒処分通知書の文案レビューです。具体的事実が適切に記載されているか、評価的・抽象的表現に偏っていないかを点検し、後日の証拠として機能する文書に整えます。第二に、退職勧奨面談の事前設計です。やめなければならない理由の伝え方、想定される反論への応答、退職条件の妥当な範囲を、事案に即して整理します。第三に、退職合意書の起案です。清算条項を含む条項設計を、事案に応じて作成します。第四に、訴訟対応です。仮に労働審判・訴訟が提起された場合、同じチームが一貫して対応いたします。

関連ページ 能力不足社員に特化した退職勧奨の論点については「能力不足社員への退職勧奨」、横領・不正受給社員の退職処理については「横領・不正受給した社員の退職処理」、解雇まで踏み込む場合の論点については柱ページ「問題社員の解雇」もあわせてご参照ください。

Q & A

よくあるご質問

 

Q.退職勧奨と解雇の違いは何ですか。

A.解雇は労働者の同意を必要とせず、会社が一方的に労働契約を終了させる意思表示です。これに対し、退職勧奨は「合意退職」を目指す手続であり、本人の同意がなければ成立しません。退職日の合意を含めた合意退職が成立して初めて、雇用契約終了という結果が得られます。

Q.退職条件として、いくらの解決金を提示すべきですか。

A.一律の基準はなく、事案の背景、注意指導や懲戒処分の積み重ね、本人の勤続年数や賃金水準等を踏まえた個別判断となります。重要なのは、解決金の多寡だけで合意成立を狙うのではなく、「やめなければならない理由」を具体的に説明したうえで、適切な水準の条件を提示することです。事前に注意指導や懲戒処分の積み重ねがある事案では、解決金の水準は抑制される傾向にあります。

Q.やめなければならない理由を伝えると、問題がこじれませんか。

A.逆です。理由を伝えないことのほうが、問題をこじらせるリスクが大きいのが実務の感覚です。理由を曖昧にしか伝えないと、本人は「会社にやましいことがあるから理由を説明できないのではないか」「単に好き嫌いで辞めさせようとしている」と受け止め、強い反発を招きます。具体的事実を礼儀正しく伝える限り、それ自体が問題をこじらせる原因にはなりません。

Q.「具体的に伝える」とは、どのレベルまでですか。

A.何月何日のどのような言動が問題だったのか、その結果どのような不都合が会社に生じたのか、というレベルの具体性が必要です。「勤務態度が悪い」「協調性がない」といった評価的表現ではなく、客観的事実として何があったのかを示します。事実の積み重ねが、説得力の源泉となります。

Q.注意指導も懲戒処分もしてこなかった社員に、いきなり退職勧奨できますか。

A.退職勧奨自体は可能ですが、合意成立の可能性が大きく下がります。下準備のない退職勧奨に対しては、本人や相談を受けた弁護士・労働組合が「会社の対応は性急であり、争えば有利な条件を引き出せる」と判断しやすく、合意水準も高額化しがちです。可能であれば、まず注意指導と懲戒処分を経てから退職勧奨に進むのが、成功率と解決金水準の双方において有利となります。

Q.退職勧奨を断られた場合、すぐに解雇できますか。

A.退職勧奨を拒絶されたこと自体は、解雇理由になりません。解雇には別途、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です。注意指導と懲戒処分が十分に積み重ねられている事案であれば解雇有効性が認められやすくなりますが、下準備のない事案で退職勧奨拒絶後に直ちに解雇すると、解雇無効と判断される可能性が高まります。

Q.自社で退職勧奨を進める自信がない場合、どうすればよいですか。

A.労働問題を多く扱う弁護士に相談しながら進めることをお勧めします。当事務所では、オンライン打合せを活用した継続的支援を多く採用しており、注意指導書・懲戒処分通知書の文案レビュー、面談前の伝達内容の整理、面談後の次の一手の助言を、案件の状況に応じて30分単位の打合せで継続的に行います。経営者が孤立せずに進められる体制を整えています。

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SUPERVISOR 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

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弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

 
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最終更新日 2026/04/19