1. 退職届の要否

 就業規則に、退職する場合には退職届を提出するよう規定している会社がありますが、退職届が提出されていなかったとしても、メールその他の客観的状況から社員が真に退職する意思を有していると評価できる場合には、退職届があった場合と同様に扱うことができます。
 もっとも、紛争を生じさせないためには、社員に退職届を提出してもらうよう方法を尽くすことが重要であり、退職届の提出なしに退職として扱うのは、当該社員と全く連絡が取れないような例外的な場合に限定すべきです。

2. 辞職か合意解約の申し込みか

 社員からの退職の意思表示には、辞職と合意解約の申し込みの二種類があります。
 辞職とは、社員が一方的に雇用契約を終了させることをいいます。
 合意解約の申し込みとは、会社と労働者の合意によって雇用契約を終了させるための申し込みをいいます。
 社員からの意思表示が辞職の意思であることが客観的に明らかな場合に限り、辞職の意思表示と評価すべきであり、そうでない場合には合意解約の申し込みと評価するのが妥当です。
 合意解約の申し込みと評価される場合には、会社から当該社員に退職を承認するかの意思表示を到達させる必要があります。
 例えば、当該社員から「○日付けで退職する」とメールが届いた後、連絡が取れない場合は、会社が当該社員に退職を承認するかどうかを伝える手段を当該社員が断っていると評価できますので、当該社員は辞職の意思表示をしたと評価できると考えます。当該メールに退職日が記載されているのであれば、その日をもって労働契約が終了します。仮に、退職日が記載されていないのであれば、2週間が経過した時点で労働契約が終了します。

 


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