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職務限定なしなら軽易業務への配置を検討する必要がある 職務が限定されていない労働者が休職前より軽易な業務への復職を希望した場合、しばらく軽易な業務に従事すれば休職前の業務に復職できると見込まれるならば、軽易な業務へ配置を検討しなければなりません。 |
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代替性と配置転換の実例を考慮して検討する 軽易な作業への配置の判断は、①休職前の業務の代替性、②休職前の業務から他の軽易な業務への異動の実例、③休職者の復職時の配置転換の実例を考慮して検討する必要があります。 |
私傷病休職からの復職をめぐる紛争は、実務上非常に多い労働問題の一つです。「休職前と全く同じ業務ができなければ復職を認めない」という対応が、常に適法とは限らない点に注意が必要です。
会社側専門の弁護士の立場から、私傷病休職者が軽易な業務への復職を希望した場合の対応を解説します。
01軽易業務への配置を検討すべき場合
職務が限定されていない労働者が休職前より軽易な業務への復職を希望した場合、休職前の業務を行える程度の健康状態まで回復していなくても、しばらく軽易な業務に従事すれば休職前の業務に復職できると見込まれるならば、軽易な業務へ配置を検討しなければなりません。
これは、職務が限定されていない労働契約(いわゆるメンバーシップ型雇用)の場合、労働契約上の労務提供義務は、特定の職務に限定されておらず、会社が命じ得る一定範囲の業務全般に及ぶと考えられているためです。そのため、休職前と全く同じ業務ができなければ復職不可とすることは、必ずしも適切ではないということになります。
02配置判断で考慮すべき3要素
軽易な作業への配置の判断は、①当該労働者の休職前の業務の代替性、②休職前の業務から他の軽易な業務への異動の実例、③休職者の復職時の配置転換の実例等を考慮して検討していくことが必要です。
①は、休職前に従事していた業務を他の従業員が代替できる体制があるか、②は、同種の業務変更が過去に一般の従業員に対して行われた実例があるか、③は、過去に他の休職者が復職する際、実際に配置転換が行われた実例があるかを、それぞれ意味します。これらの実例が積み重なっていれば、当該労働者についても、軽易業務への配置転換が現実的な選択肢として求められる可能性が高まります。
03会社側が押さえておくべき視点
会社側が私傷病休職者から復職の申出を受けた際には、単純に「元の業務が完全にできるか」だけで判断するのではなく、上記3要素に照らして、軽易業務への配置転換の可能性を具体的に検討する必要があります。この検討を怠り、安易に「復職不可」として休職期間満了による退職・解雇に至った場合、後の労働審判・訴訟において、復職措置の検討が不十分であったとして、解雇・退職扱いの効力が否定されるリスクがあります。
実務上は、産業医の意見、主治医の診断書、当該労働者の職務内容、社内の配置転換の実績等を総合的に確認し、軽易業務への配置が現実的に可能かどうかを、客観的な資料に基づいて判断・記録化しておくことが重要です。
04よくある質問(FAQ)
Q. 休職前の業務が完全にできなければ、復職を認めなくてよいですか。
職務が限定されていない労働者の場合、しばらく軽易な業務に従事すれば元の業務に復職できると見込まれるなら、軽易業務への配置を検討する必要があります。
Q. 軽易業務への配置の可否は、何を基準に判断すればよいですか。
休職前業務の代替性、休職前業務から軽易業務への異動の実例、休職者の復職時の配置転換の実例を考慮して検討します。
Q. 軽易業務への配置転換を検討せずに休職期間満了で退職扱いにした場合、リスクはありますか。
リスクがあります。復職措置の検討が不十分であったとして、退職・解雇扱いの効力が後に否定される可能性があります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。私傷病休職・復職の対応でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日