問題社員265 問題社員に注意指導する際の心構え
動画解説
この記事の要点
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第一の心構えは「逃げない」——周りの社員を守ることは経営者・管理職の仕事であり、問題から目を背けることは許されない 問題社員への注意指導から逃げると職場の雰囲気が悪化し、会社が機能しなくなる。嫌でも踏ん張ることが経営者・管理職の本来の仕事 |
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第二の心構えは「過剰反応しない」——「俳優になったつもりで」という発想で客観的に自分を見ることが感情コントロールの鍵 社員を身内のように感じているから感情的になる。自分を俳優として客観視し、役割として注意指導を行うことで冷静さを保てる |
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「注意指導は仕事の一部」という認識を持つ——後ろ向きな余計な作業ではなく、会社を守るための経営者・管理職本来の仕事 物作りやサービス提供だけが仕事ではない。職場の秩序を守り、周りで嫌な思いをしている社員を助けることも大切な仕事 |
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注意指導を管理職に任せる場合は、その頑張りをしっかり評価・処遇する——問題社員への注意指導ができる管理職は貴重な人材 「管理職なんだからやって当然」では動かなくなる。職場秩序を守れる管理職は会社にとって非常に価値が高い存在として処遇する |
目次
1. 注意指導が「精神的に大変」な理由
会社経営者の皆様、こんにちは。弁護士法人四谷麹町法律事務所の代表弁護士、藤田進太郎です。
今日は注意指導の「仕方」ではなく「心構え」についてお話しします。注意指導の仕方をいくら学んでも、心構えが整っていなければうまくいきません。
まず、注意指導が精神的に大変な理由を確認しておきましょう。多くの経営者は、自社の商品・サービスで世の中に貢献したいというモチベーションで経営を行っています。どちらかというと前向きな仕事に向かいたい中で、問題社員の注意指導は後ろ向きな作業のように感じられます。しかも注意指導の仕方を間違えるとパワハラだと言われるリスクがあり、自分が悪者にされてしまいかねないという不安もあります。そんな中で、どのような心構えで対処するべきか、整理してみましょう。
2. 第一の心構え「逃げない」
注意指導の心構えとして最初に挙げたいのは、「逃げない」ことです。
問題のある社員に対してしっかり指導して行動を改めてもらい、周りの社員が嫌な思いをしないようにすることは経営者の仕事であり、管理職に任された仕事です。ここから逃げてはいけません。
問題社員への対応から逃げてしまうと、職場の雰囲気はどんどん悪くなります。周りで嫌な思いをしている大切な社員たちが「こんな職場にいるぐらいなら転職しよう」と思い始め、優秀な人材から先に辞めていきます。会社が機能しなくなる前に、踏ん張って対処することが経営者の責任です。
「嫌だ」「面倒だ」という気持ちはよく分かります。しかし逃げてしまうことで大切な社員を守れなくなるなら、それは経営者として果たすべき責任を放棄することになります。これを心に刻んでください。
3. 第二の心構え「過剰反応しない」「俳優になったつもりで」
次に大切な心構えは、「過剰反応しない」ことです。
取引先など外部の人に対しては冷静に対応できる経営者であっても、自社の社員のことになると感情が入りやすくなります。日本の会社では社員を「身内」や「家族」のように感じているケースが多く、そのために感情的になりやすいのです。感情的になると、間違ったことを言ってしまったり、パワハラと言われる言動をしてしまったり、問題解決につながらないまま感情をぶつけ合うだけで終わったりします。
感情をコントロールするための具体的な方法として、「自分が俳優になったつもりで注意指導する」というイメージが有効です。
「俳優になったつもりで」という発想
自分はこの役割を演じる俳優なのだという認識で臨む。問題のある社員がいて、その上司として対応する役を割り当てられた俳優として、スマートに部下を注意指導する俳優ならこんな言い方をするだろう、こういう受け答えをするだろうというイメージで話す。当事者として感情的になるのではなく、自分を客観視することで冷静さを保てる。
本当に嫌なことだと思います。しかし、その役割を果たすことが、会社で嫌な思いをしている大切な社員たちを守ることにつながります。俳優として役割をこなすという発想で、一歩引いて対応してみてください。
4. 注意指導は仕事の一部という認識
「他にやりたいことが山ほどあるのに、なんでこんな後ろ向きなことをやらなければならないのか」と感じる経営者の方もいます。しかし、注意指導は仕事の一部です。後ろ向きの「余計な作業」ではありません。
物を作ること、サービスを提供することだけが仕事ではありません。管理職であれば、自分が管理している部門がしっかり回るように持っていくことも仕事であり、周りに嫌な思いをさせている人への対応も仕事です。経営者も同様です。
規模が大きい会社であれば人事部や上長が対応することになりますが、それはあくまでも社長から委任された仕事をしているに過ぎません。本来は社長の仕事です。問題社員に対応し、その周りで働く社員を守ることは、社長として最も大事な仕事の一つです。
「仕事の一部なんだ」という認識に立てれば、注意指導に対する向き合い方が変わります。嫌々ながらやらされているのではなく、会社を守るための仕事として主体的に取り組むことができるようになります。
5. 管理職・人事に任せる場合の注意点
注意指導を管理職や人事担当者に任せる場合、重要な注意点があります。その頑張りをしっかり評価し、報いることです。
「管理職なんだからやって当然でしょ」という姿勢でいると、担当した管理職は次第にサボり始めます。問題社員への注意指導は非常に消耗する仕事です。うまくいかない相手に粘り強く対応し、パワハラと言われるリスクも負いながら、それでも頑張ってくれる管理職に対して、経営者がその頑張りを認めなければ、やる気をなくすのは当然です。
主な業務のパフォーマンスがそれほど高くなくても、職場の秩序を守り、問題のある社員に上手に注意指導できる管理職は、管理職として優秀な部類に入ります。そのような方はなかなかいません。見つかったら大切にして、しっかり処遇してください。
6. まとめ
- 逃げない——周りの社員を守ることは経営者・管理職の仕事。問題から目を背けることは許されない
- 過剰反応しない——俳優になったつもりで客観視することで冷静さを保つ。感情的になるとパワハラリスクが高まる
- 注意指導は仕事の一部——後ろ向きの余計な作業ではなく、会社を守るための経営者・管理職本来の仕事
- 管理職・人事の頑張りを評価・処遇する——問題社員への注意指導ができる管理職は貴重。認め、報いることが続ける力になる
注意指導の心構えでお悩みの経営者の皆様は、ぜひ弁護士にご相談ください。
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 注意指導するのが怖くてついつい先延ばしにしてしまいます。どうすればよいですか。
A. まず「注意指導は自分の仕事だ」という認識を持つことが出発点です。怖い気持ちの根源の多くは「パワハラと言われるのではないか」という不安です。具体的事実に基づいた業務上必要な指導はパワハラになりません。弁護士に相談して「この言い方・内容で問題ないか」を確認してから臨むことで、不安を大きく減らすことができます。
Q2. 注意指導してもパワハラだと言われることが怖いです。どう対処すればよいですか。
A. 業務上必要な具体的事実に基づいた指導はパワハラになりません。「勤務態度が悪い」などの評価的言葉ではなく、「何月何日にどのようなことをしたのか」という具体的事実を伝えることが基本です。また、注意指導の内容・日時・相手の反応を記録しておくことで、後から「パワハラだった」と言われた場合に対応できる証拠が残ります。
最終更新日:2026年4月30日