1 営業中に営業社員が仕事をサボっている情報を入手した場合の対応

 営業中に営業社員が仕事をサボっている情報を入手した場合、まずは当該営業社員が何月何日の何時頃どこでどのようにサボっていたのかといった事実関係を整理するとともに裏付け証拠を収集します。
  それが会社として容認できない程度のものである場合は、当該営業社員から事情を聴取して下さい。事情を聴取するのは気まずいとか、職場の雰囲気が悪くなるとかいった理由で、当該営業社員から事情も聞かずに放置してはいけません。
 当該営業社員が仕事をサボっていることを認め、反省の態度を示した場合は、基本的には勤務時間中は仕事に集中するよう注意指導して改善を促せば足りるでしょう。もっとも、何度注意指導してもサボり癖が直らない場合は、本気で反省しているとは考えられませんので、懲戒処分も検討せざるを得ません。
 他方、当該営業社員が仕事をサボっていることを認めなかった場合は、より慎重な対応が必要となります。日報の記載内容について当該営業社員に質問したり、当該営業社員が担当している顧客から情報収集したりして、当該営業社員の説明に矛盾や不自然な点がないかをチェックします。当該営業社員が仕事をサボっていることを証拠により立証できない場合には、当該営業社員に対して強い注意指導や懲戒処分をすることはできませんが、当該営業社員が仕事をサボっていることを証拠により立証できる場合には、当該営業社員が正直に事実を説明した場合よりも厳しく注意指導していく必要がありますし、懲戒処分に処せざるを得ないケースも多くなるのではないかと思います。
 懲戒処分を繰り返してもサボり癖が改まらない場合は、最終的には退職勧奨又は解雇して辞めてもらうことも検討せざるを得ません。

2 営業中に営業社員がサボるのを防止する方法

 まずは、新規採用時によく選んで営業社員を採用することが重要です。履歴書や職務経歴書の書き方がルーズで、短期間で転職を繰り返しており、採用面接時にだらしない印象を受けた応募者を採用すれば、仕事中にサボる可能性が高いことは容易に予測できることです。
 事業場外労働のみなし労働時間制(労基法38条の2)を適用している営業社員については使用者の具体的な指揮監督が及びませんので、営業中にサボっているのかどうかを厳密にチェックすることは困難です。営業中にサボっているのかどうかを厳密にチェックする場合は、営業社員を事業場外労働のみなし労働時間制の適用対象から外し、使用者の具体的な指揮監督が及ぶようにする必要があります。
 場合によっては、営業社員を事業場内の部署に配置転換して仕事をサボれないようにするといったやり方も考えられなくはありませんが、営業社員以外の人員は既に足りていて事業場内の配転先がないことも多いものと思われます。また、営業社員の職種が限定されていないとしても、主に営業に従事させる目的で採用した営業社員を営業以外の仕事に就けるのは、社員の適正配置の観点から現実的でない場合もあります。
 一概に言えることではありませんが、営業中にサボっている営業社員は営業成績も悪い傾向にあります。営業成績の悪い営業社員については、営業中にサボっていないかのチェックを特にしっかり行う必要があります。
 毎日、営業の時間、場所、面会者、面談内容等を具体的に日報に書かせて下さい。日報には毎日目を通し、疑問点が見つかった場合には、その都度営業社員に問い合わせて、疑問点を解消するようにして下さい。サボっていることが疑われる営業社員については、営業社員の説明をその都度、記録に残しておいた方がいいかもしれません。
 毎日数回、営業社員からどこで何をしているのか電話で報告させ、報告内容をメモに残しておいてもいいかもしれません。自分がどこで何をしているのか、何度も会社に報告しなければならないことを意識していれば、仕事をサボりにくくなるのではないかと思います。
 ときには上司が自ら、営業社員が担当している顧客のところへ営業に赴くというのも、虚偽報告を予防する上で有効なやり方です。上司が顧客と直接話して営業社員の営業状況を確認する可能性があるとなれば、営業社員は虚偽の報告をしにくくなります。顧客に電話で問い合わせる方が楽かもしれませんが、実際に顧客と会って話した方が実態をつかみやすいと思います。信頼できる営業社員がいるのであれば、その営業社員に同様のことをさせることも考えられます。
 営業車やスマートフォンにGPSをつけて営業社員の位置情報を管理するという方法も、サボり防止には有効なのではないかと思われます。日報や電話等であれば、営業社員は自分の行動を虚偽報告することもできますが、GPSでは会社は客観的に営業社員の位置情報を把握することができます。GPSの記録から日報等の内容が虚偽であることが判明することもあるかもしれません。
 サボり防止に直結するわけではありませんが、賃金に占める歩合給の比率を高めることで、営業成績を向上させることに対する営業社員のモチベーションを高めることができます。仕事をサボっていたのでは営業成績を向上させることはできませんから、結果としてサボり防止に役立つことがあります。もっとも、このやり方は全ての営業社員について有効なわけではありませんし、営業成績向上に直結しない仕事を怠る風潮を助長しかねないといった問題点もあります。

3 営業社員に求める優先順位の検討

  営業社員の中には、結果が出せるかどうかが問題なのであって、どこでどれだけ息抜きするかは大きな問題ではない、仕事をサボった結果は最終的には自分に跳ね返ってくる、といった発想を持つ人がいます。このようなタイプの人は、仕事をサボって結果を出せなければ高い給料は稼げないということについては納得してくれやすいのですが、営業社員の行動に対する管理を強めようとすると強く反発することがあります。個々の営業社員が結果を出すことを最も重視するのか、それとも、営業社員がサボらずに誠心誠意会社のために仕事をすることを最も重視するのか、営業社員に求める優先順位をよく検討し、優先順位に合致したやり方で営業社員の管理を行っていくとよいでしょう。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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