2018.01.11
「不当な動機・目的」に該当するのはどのような場合ですか?
転勤命令の有効性が争われた東亜ペイメント事件(最高裁第二小法廷昭和61年7月14日判決)では、転勤命令の行使について、「転勤命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、特段の事情の存する場合でない限りは、当該転勤命令は権利の濫用になるものではないというべきである。」と述べています。
この「不当な動機・目的」の典型例として、
① 退職に追い込む目的で当該労働者の職務経歴に相応しくない業務を割り当てる
② 退職勧奨を拒否したことに対する嫌がらせ目的の配転
③ 内部通報した労働者に対する制裁的な配転
等が挙げられます。
なお、不当労働行為、差別的取扱い、男女差別、不利益取扱い等に該当する場合も、強制放棄に違反する配転命令ですから無効となります。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
勤務弁護士作成