問題社員121 復職してすぐ休む
目次
動画解説
1. 復職してすぐ休む社員が会社経営に与えるリスク
復職して間もない社員が、再びすぐに休み始めてしまう――この問題は、単なる個別対応の問題ではありません。会社経営者にとっては、組織運営・法的リスク・人員計画に直結する重大な経営課題です。
まず現場レベルで発生するのは、業務の混乱です。復職を前提に配置を組み、業務を割り振り、他の社員の負担を調整していたにもかかわらず、再度の欠勤が発生すると、計画は一気に崩れます。特に中小企業では一人当たりの影響が大きく、代替要員の確保も容易ではありません。
次に問題となるのは、周囲の社員の心理的負担です。「また休むのか」「当てにしてよいのか」という不信感が広がれば、組織の士気は確実に低下します。善意でフォローしていた社員ほど疲弊し、不公平感が生じます。これは長期的には離職リスクにもつながります。
さらに重要なのは、法的リスクです。復職判断を甘く行い、十分な回復確認をせずに業務に復帰させた結果、体調が再悪化した場合、安全配慮義務違反が問題となる可能性があります。一方で、回復しているにもかかわらず合理的理由なく復職を拒否すれば、これも紛争の火種になります。
つまり、復職判断は「戻したら終わり」ではありません。戻した瞬間から、会社経営者の判断責任が問われ続けます。
また、復職と再休職を繰り返す状態が続けば、制度の設計そのものが問われます。休職期間の上限、通算規定の有無、復職判定の基準など、就業規則の内容が実態に合っているかどうかが浮き彫りになります。
復職してすぐ休む社員の問題は、感情的には「もっとしっかり治してから戻ってほしい」と思いたくなる場面です。しかし会社経営者としては、感情ではなく、制度・運用・法的責任の観点から整理しなければなりません。
この問題を繰り返さないためには、復職時の確認を徹底すること、そして休職制度そのものを経営判断として設計し直すことが不可欠です。
復職直後の再休職は偶然ではありません。多くの場合、復職判断の甘さ、制度設計の曖昧さ、価値判断の未整理が背景にあります。
会社経営者としては、「なぜ起きたのか」を個人の問題で終わらせず、組織と制度の問題として捉え直すことが必要です。ここからすべてが始まります。
2. 復職判断の大原則|診断書は「必要条件」にすぎない
復職してすぐ休むという事態を防ぐために、会社経営者がまず徹底すべきなのは「復職時の確認」です。ここが曖昧なまま復帰を認めてしまうと、再休職のリスクは格段に高まります。
その際、多くの会社が拠り所とするのが主治医の診断書です。「復職可能」「就労可能」と記載された診断書が提出されれば、戻さなければならないと考えてしまう会社経営者も少なくありません。
しかし、ここで誤解してはなりません。診断書は復職の“必要条件”ではありますが、“十分条件”ではありません。
主治医は医療の専門家ですが、会社の業務内容の専門家ではありません。実際の職務の負荷、責任の重さ、繁忙期の状況、人間関係の緊張度などを、正確に把握しているとは限りません。多くの場合、本人の申告を前提に判断せざるを得ません。
特にメンタル不調の場合、症状の回復と職務遂行能力の回復は必ずしも一致しません。医療的に「安定している」と評価されても、実際の業務に耐えられるかどうかは別問題です。
また、休職期間満了が迫っている場合、本人にとっては「復職できなければ退職」という状況になります。その切迫感がある中で診断がなされることもあります。このような背景事情も踏まえずに、診断書のみで判断するのは危険です。
会社経営者が確認すべき本質は、「労働契約で予定された労務提供が可能かどうか」です。単に出社できるかではなく、契約上求められている業務を、継続的・安定的に遂行できる状態にあるかが問題です。
この観点を欠いたまま復職を認めると、再度体調を崩す可能性があります。結果として本人にも会社にも不利益が生じます。安全配慮義務の観点からも、「まだ早い復職」はむしろ避けるべき場合があります。
重要なのは、診断書を尊重しつつも、最終判断は会社が行うという原則を忘れないことです。医師は意見を述べますが、判断する主体は会社です。
復職判断を他人任せにしてはいけません。会社経営者自身が、「本当に業務に復帰できる状態か」を見極める責任を負っています。
診断書が出たから戻す、という形式的判断ではなく、実質的な労務提供可能性を確認する。この姿勢こそが、再休職の連鎖を防ぐ第一歩です。
3. 労務提供可能性の確認と安全配慮義務の関係
復職判断において会社経営者が最終的に確認すべきなのは、「債務の本旨に従った労務提供が可能か」という点です。言い換えれば、労働契約で予定された仕事を、継続的・安定的に遂行できる状態にあるかどうかです。
単に「出社できる」「短時間なら働ける」という程度では足りません。契約上予定されている職務内容を、通常の業務水準で遂行できるかが本質的な判断基準となります。
ここを曖昧にしたまま復職を認めると、再度の体調悪化を招く危険があります。そしてその場合、会社には安全配慮義務違反が問われる可能性が生じます。
安全配慮義務とは、社員の生命・身体・健康を守るよう配慮する義務です。回復が不十分であるにもかかわらず、無理に復職させた結果、症状が悪化した場合、「なぜ止めなかったのか」と問われることになります。
一方で、明らかに業務遂行が可能であるにもかかわらず、過度に慎重になりすぎて復職を拒否することも適切とはいえません。不合理な復職拒否は、労働契約上の問題を生じさせる可能性があります。
つまり会社経営者は、過度に甘くもなく、過度に厳しくもない判断を求められます。
実務上は、段階的復帰という選択肢もあります。例えば、一定期間の残業免除、短時間勤務、業務負担の軽減などを条件として復帰させる方法です。ただし、これも万能ではありません。業務の性質によっては、負担軽減が困難な場合もあります。
重要なのは、「どの程度の軽減であれば、通常業務に移行できる見込みがあるのか」を具体的に見極めることです。漠然と「様子を見る」という対応では、再休職のリスクを先送りするだけになりかねません。
会社経営者として意識すべきは、復職はゴールではなく、スタートであるという点です。復職後に安定的に勤務できる状態を作ることが目的です。
労務提供可能性の確認を怠れば、再休職の連鎖、周囲の疲弊、法的リスクの拡大といった問題が生じます。
復職判断とは、単なる医療的判断ではありません。契約上の義務履行が可能か、安全配慮義務を果たせるかという、法的責任を伴う経営判断なのです。
4. 産業医面談・主治医面談の正しい活用法
復職判断をより実質的なものにするために有効なのが、産業医面談の活用です。ただし、ここでも会社経営者が誤解してはならない重要な原則があります。
最終判断を行うのは会社である、という点です。
産業医は医学的観点から意見を述べる専門家であり、判断主体ではありません。「産業医がOKと言ったから復職」「医師が止めたから復職不可」という整理は、責任の所在を曖昧にします。
判断しているのはあくまで会社経営者、または会社経営者から権限を委ねられた立場の者です。医師や弁護士は意見を述べるに過ぎません。この原則を取り違えると、経営判断が他人事になり、無責任な運用につながります。
産業医面談では、単に「働けますか」と聞くのではなく、具体的な業務内容を説明したうえで意見を求めることが重要です。どの程度の業務負荷であれば可能か、残業は可能か、対人ストレスへの耐性はどうか、といった具体論に落とし込まなければ、実務判断には使えません。
さらに疑問が残る場合には、主治医との面談を検討することも一つの選択肢です。もちろん本人の同意が前提になりますが、診断の趣旨や「復職可」の意味合いを直接確認することで、曖昧さを減らすことができます。
実務上、「主治医との面談を強く拒む」というケースもあります。その場合、なぜ拒むのかを慎重に観察する必要があります。正当な理由があるのか、それとも何らかの事情を隠している可能性があるのか。ここも経営判断の材料になります。
また、すべての事案で主治医面談まで行う必要はありません。明らかに回復していると判断できる場合には、過度な手続は不要です。しかし、過去に復職直後に再休職した経緯がある場合や、外見上も回復に疑問が残る場合には、慎重な確認が必要です。
重要なのは、「診断書が出たから終わり」という形式的対応をしないことです。産業医や主治医の意見を材料にしつつ、最終的には会社経営者自身が、労務提供可能性と安全配慮義務の両面から総合判断を行う必要があります。
医師に任せきりにするのではなく、医師の意見を活用して経営判断を行う。この姿勢こそが、復職後の再休職リスクを抑える実務上のポイントです。
5. 試し出社制度の実務ポイントと注意点
復職判断をより慎重かつ実質的に行うための方法として、有効なのが「試し出社(リハビリ出社)」です。診断書や面談だけでは把握しきれない実務遂行能力を、実際の出社を通じて確認する仕組みです。
特に重要なのは、「始業時刻に安定して出社できるか」という点です。これは復職可否を判断する上で、極めて基本的かつ重要な指標です。始業時刻に継続的に出社できない状態であれば、本格的な業務復帰はまだ早いと判断せざるを得ません。
試し出社では、いきなり本来業務をすべて任せるのではなく、軽易な業務や補助的作業から始めます。出社の安定性、集中力の持続、疲労の程度などを観察し、実際の職務遂行が可能かどうかを見極めます。
ここで注意すべきなのは、試し出社の位置づけです。試し出社は「正式復職」ではありません。あくまで復職可否を判断するための確認期間です。この点を曖昧にすると、後に「すでに復職していたのではないか」という主張が出る可能性があります。
制度として運用する場合には、目的、期間、業務内容、賃金の扱いなどを事前に整理しておくことが重要です。特に賃金の取扱いについては、就業規則や個別合意との整合性を確認しておかなければなりません。
また、試し出社の結果が思わしくない場合には、「まだ復職は難しい」と明確に判断することも必要です。情に流されて中途半端な復帰を認めると、再休職のリスクが高まります。
会社経営者として意識すべきは、試し出社は本人を追い込むための制度ではなく、双方にとって無理のない復帰を実現するための確認手段であるという点です。
診断書、産業医面談、主治医面談に加え、実際の出社状況を確認する。この多角的な確認を行うことで、復職直後の再休職という事態を大幅に減らすことが可能になります。
復職判断を形式的に済ませるのではなく、実質的に確認する。その具体策として、試し出社は極めて有効な手段です。
6. 通算規定の設計と運用上のリスク管理
復職してすぐ休むという事態が繰り返される場合、会社経営者として検討すべき制度的対応の一つが「通算規定」です。これは、同一または類似の傷病による欠勤・休職について、一定期間内であれば日数を通算するという仕組みです。
通算規定には、大きく分けて二つの場面があります。
一つは、欠勤が一定日数に達した場合に休職が開始されるという制度において、復職後に再び同様の傷病で欠勤した場合には、即座に休職に移行させるという設計です。
もう一つは、休職期間そのものを通算する設計です。例えば、一定期間内に再度同一または類似の傷病で休職に入った場合には、以前の休職期間をリセットせず、残期間のみを適用するというものです。
このような通算規定を設けることで、「戻っては休み、また戻っては休む」という事態に一定の歯止めをかけることが可能になります。制度として明確にしておけば、復職判断の負担を軽減する効果も期待できます。
特に企業規模が小さく、復職時に精緻な医学的確認や段階的復帰制度の運用が難しい場合には、通算規定を補助的に活用することは現実的な選択肢となります。
もっとも、通算規定にもリスクはあります。
例えば、前回の休職期間満了直前に復職し、その後すぐに再度欠勤した場合、規定上は「即休職」あるいは「即自然退職」という扱いになることがあります。形式的には整合性が取れていても、実質的妥当性が問われる可能性は否定できません。
特に、1日欠勤しただけで自然退職に至るような設計は、法的リスクを伴います。規定として存在していても、具体的事案において有効と評価されるかどうかは別問題です。
会社経営者としては、「制度上可能か」だけでなく、「どの程度のリスクを負う覚悟があるか」を考える必要があります。厳格な通算規定は、再休職リスクを抑制する一方で、紛争リスクを高める側面もあります。
重要なのは、通算規定を復職確認の代替としないことです。王道はあくまで、復職時の実質的確認を丁寧に行うことです。通算規定はあくまで補助的なリスク管理手段と位置づけるのが適切です。
制度設計は万能ではありません。しかし、適切に設計・運用すれば、復職直後の再休職という問題に対する有効な歯止めとなります。
最終的にどの程度厳格な制度を採用するかは、会社経営者の価値判断です。どこまで社員を支え、どこで線を引くのか。その覚悟を前提に制度を設計することが求められます。
7. 自然退職規定の可否と経営判断
復職直後に再び休職に入るケースが繰り返される場合、会社経営者の中には「即自然退職規定」を設けるべきではないかと考える方も少なくありません。すなわち、復職後一定期間内に同一または類似の傷病で欠勤した場合には、休職期間満了とみなし、自然退職とするという制度設計です。
確かに、制度として明確にしておけば、「戻っては休む」という不安定な状態に一定の区切りをつけることができます。経営の安定性という観点からは、合理的な側面もあります。
しかし、ここには慎重な検討が不可欠です。
まず前提として、自然退職規定があるからといって、あらゆる事案で直ちに有効と評価されるわけではありません。形式的に規定が存在していても、具体的事案において著しく酷な結果となる場合には、紛争リスクが生じます。
例えば、復職後わずか数日の欠勤で即自然退職となるような設計は、実質的妥当性を問われる可能性があります。特に、回復状況の確認が十分でなかった場合には、「復職判断が早すぎたのではないか」という問題が逆に会社側に返ってくることもあり得ます。
また、メンタル不調の場合、回復には波があります。一時的な体調悪化をもって即座に退職扱いとすることが、社会通念上相当と評価されるかどうかは、事案ごとに慎重な判断が必要です。
会社経営者として考えるべきは、「規定として可能か」ではなく、「その規定を運用した場合にどの程度のリスクを受け入れるか」という点です。
厳格な制度は、運用の安定性を高める一方で、柔軟性を失います。柔軟な制度は、個別事情に対応できますが、判断負担が増えます。
重要なのは、自社の規模、業務特性、人員余力、そして経営としてどこまで支えるのかという価値判断を踏まえて設計することです。
即自然退職規定は、決して万能な解決策ではありません。復職時の実質的確認を徹底せずに、制度だけで問題を解決しようとすると、かえって紛争を招く可能性があります。
制度設計は、会社経営者の哲学が表れる部分です。どこで線を引くのか。その判断から逃げずに向き合うことが、最終的には組織の安定につながります。
8. 休職制度を設けるか否か|中小企業の選択肢
復職してすぐ休むという問題を繰り返さないためには、そもそも休職制度をどう設計するのかという根本論に立ち返る必要があります。会社経営者としては、「休職制度は当然に必要なもの」と無意識に前提化していないか、一度立ち止まって考えるべきです。
実は、法律上、私傷病休職制度を設ける義務はありません。休職制度は、企業が任意に設ける制度です。したがって、制度の有無、期間、通算の扱い、復職基準などは、会社経営者の経営判断に委ねられています。
特に中小企業の場合、長期間の休職を前提とする制度は、人的余力とのバランスが問題になります。一人の長期離脱がそのまま経営リスクに直結する規模であれば、無制限に近い休職制度は現実的ではありません。
一方で、休職制度を一切設けないという選択肢も理論上は存在します。ただし、その場合、一定期間の欠勤が続けば普通解雇を検討せざるを得なくなります。解雇の合理性判断は慎重を要するため、かえって紛争リスクが高まる可能性もあります。
つまり、休職制度は「社員保護のための制度」であると同時に、「解雇判断を一旦猶予するための調整装置」としての役割も持っています。
会社経営者としては、自社の規模、業種、代替要員確保の容易さ、経営体力などを総合的に考慮し、どの程度の期間を認めるのかを決める必要があります。
例えば、半年なのか、一年なのか、それ以上なのか。通算を認めるのか否か。復職基準を厳格にするのか、柔軟にするのか。これらはすべて経営判断です。
重要なのは、「一般的にどうか」ではなく、「自社としてどうするか」です。他社が一年認めているから自社も一年、という発想ではなく、自社の実情に合った設計を行うべきです。
休職制度は、経営哲学が反映される制度です。どこまで支えるのか、どこで区切りをつけるのか。その線引きを曖昧にしたまま運用すると、復職直後の再休職という問題が繰り返されます。
制度を作ること自体が目的ではありません。安定した組織運営を実現するために、どのような制度設計が最適かを考えることが、会社経営者に求められています。
9. 休職期間をどこまで認めるかという価値判断
復職してすぐ休むという問題に直面したとき、最終的に会社経営者が向き合わなければならないのは、「どこまで待つのか」という価値判断です。
休職制度の設計は、単なる就業規則の条文問題ではありません。会社として、どこまで社員を支えるのか、どの時点で組織の安定を優先するのかという経営哲学の問題です。
例えば、休職期間を一年と定める場合、それは「一年は回復を待つ」という意思表示です。半年であれば「半年が限度」という判断です。どれが正しいという一般解はありません。
しかし、問題はその期間を経過しても回復が不十分な場合です。ここで曖昧な運用をすると、復職と再休職を繰り返す状態が生じやすくなります。形式上は制度を守っていても、実質的には延長を繰り返しているのと同じになります。
会社経営者として重要なのは、「情」と「経営責任」を切り分けることです。
回復を願う気持ちは自然なものです。しかし、業務が回らず、他の社員に過度な負担がかかり、組織の士気が低下している状況を放置することは、別の意味での不公平を生みます。
また、無理に長期間支え続けた結果、最終的に解雇や自然退職に至るのであれば、その間の混乱コストは小さくありません。
会社経営者が考えるべきなのは、「自社の体力でどこまで支えられるのか」という現実的な線引きです。資金、人員、業務特性を踏まえたうえで、持続可能な範囲を決める必要があります。
さらに、休職期間の満了時には、必ず実質的な労務提供可能性を確認することが不可欠です。「期間が来たから復職」「満了したから当然退職」という形式的運用は、いずれもリスクを伴います。
制度は会社経営者の価値判断の結晶です。どこまで支え、どこで区切るのか。その判断を曖昧にしたままでは、復職直後の再休職問題は繰り返されます。
最終的に問われるのは、経営としての覚悟です。社員一人の問題に見えて、実は組織全体の持続可能性を左右する判断なのです。
10. 制度設計は会社経営者の責任|人任せにしないために
復職してすぐ休む社員への対応は、最終的には制度設計の問題に行き着きます。そして制度設計は、会社経営者の責任です。
実務では、「社会保険労務士に任せている」「就業規則は昔作ったまま」「他社のひな形を使っている」というケースが少なくありません。しかし、休職制度や復職基準は、会社の規模・業種・経営体力によって最適解が異なります。
外部専門家は助言はできますが、価値判断までは代わりにしてくれません。どこまで支えるのか、どこで線を引くのか、その最終決断は会社経営者しかできないのです。
復職直後の再休職が繰り返される背景には、制度の曖昧さがあります。
- 復職基準が抽象的である
- 通算の扱いが不明確である
- 判断主体が曖昧である
こうした状態では、毎回場当たり的な対応になり、現場も混乱します。
制度は、経営の意思表示です。どのような働き方を許容し、どのような状態をもって契約継続とするのかを明確にするものです。
また、制度が明確であれば、社員にとっても予測可能性が高まります。「どこまで休めるのか」「どの状態で復職できるのか」が分かっていれば、不安や誤解を減らすことができます。
会社経営者として重要なのは、「問題が起きたら考える」という姿勢を改めることです。問題が顕在化する前に、制度を点検し、必要であれば見直す。その先手の姿勢が、組織の安定を支えます。
復職してすぐ休む社員の問題は、個人の回復状況だけの問題ではありません。制度設計と運用の質が問われています。
会社経営者は、制度の最終責任者です。人任せにせず、自社の現実を直視し、自社に合った設計を行う。その覚悟があってこそ、復職トラブルを最小限に抑えることができます。
制度は紙ではありません。経営の意思そのものです。その意思を明確にすることが、組織を守る最も確実な方法なのです。
最終更新日2026/2/18

