問題社員64 休日出勤の労働時間を過大計上する。
目次
動画解説
1. 休日出勤の労働時間管理が甘くなりやすい理由
休日出勤に関する労働時間管理は、平日の勤務に比べて、どうしても甘くなりやすい傾向があります。会社経営者としては「休日なのだから多少の融通は仕方ない」「社員を信用したい」という気持ちが働きやすく、その結果、実態の把握が後回しになってしまうケースが少なくありません。
平日の勤務であれば、出社・退社の時刻や業務内容がある程度固定されており、周囲の目もあります。しかし、休日出勤の場合、管理職や同僚が不在であることも多く、「本当にどれだけ働いていたのか」「どの業務をしていたのか」が見えにくくなります。この見えにくさが、労働時間管理を曖昧にする大きな要因です。
さらに、休日出勤は突発的に発生することが多く、事前の指示や業務範囲が十分に整理されないまま行われがちです。その結果、「ついでに別の作業もしていた」「少し休憩したが、すべて労働時間として申告した」といった曖昧な自己判断が入り込みやすくなります。
会社経営者として注意すべきなのは、管理が甘くなること自体が、過大計上の温床になるという点です。必ずしも最初から悪意をもって時間を水増ししているとは限りませんが、基準が曖昧であれば、社員側の認識も次第に緩んでいきます。
また、「休日に出てきてくれたのだから」という遠慮から、申告された時間をそのまま認めてしまうことも多いでしょう。しかし、この積み重ねが続くと、「休日出勤は長く申告した方が得だ」という誤った認識が職場に広がる可能性があります。
休日出勤の労働時間管理の問題は、単なる勤怠処理の話ではありません。管理の姿勢そのものが問われる経営課題です。まずは、「休日出勤だからこそ、平日以上に管理が必要になる」という認識を持つことが、適切な対処の第一歩になります。
2. 労働時間を自己申告に任せることの危険性
休日出勤の労働時間について、「本人の申告どおりに処理している」という会社は少なくありません。特に少人数の会社や、経営者と社員の距離が近い職場では、「信用関係が大事だ」「細かく管理するのは気が引ける」という理由から、自己申告制がそのまま運用されがちです。しかし、このやり方には明確な危険性があります。
最大の問題は、自己申告は必ずしも悪意がなくてもズレが生じるという点です。本人としては「会社のために休日を使った」「ずっと仕事のことを考えていた」という感覚から、実際の労働時間より長めに申告してしまうことがあります。休憩や私的な時間との境界が曖昧になりやすい休日出勤では、この傾向が特に強くなります。
また、自己申告制を続けていると、職場内で申告時間に差が出始めます。「あの人はいつも長く申告している」「正直に申告すると損をするのではないか」といった不公平感が生じると、真面目な社員ほど違和感を抱きやすくなります。その結果、職場全体のモラルが低下していくリスクもあります。
会社経営者として見落としがちなのは、自己申告制はトラブルが起きたときに会社側が不利になりやすいという点です。後になって過大計上が問題になった場合でも、「これまで黙認してきた」「チェックしていなかった」と評価されると、会社として強い対応を取りにくくなります。
さらに、自己申告を前提にした運用は、労働時間管理の責任を社員側に転嫁しているように見えてしまうことがあります。本来、労働時間を適正に把握・管理する責任は使用者にあります。この責任の所在を曖昧にしたままでは、問題が表面化したときに説明がつかなくなります。
重要なのは、「社員を信用しない」という発想に切り替えることではありません。信用と管理は別物だという認識を持つことです。どれだけ信頼関係があっても、仕組みとして自己申告だけに頼る運用には限界があります。
休日出勤の労働時間を自己申告に任せきりにしている場合、その時点で、過大計上が起きやすい環境が整ってしまっていると言えます。まずはこの前提を見直すことが、次の対応につながる重要なステップになります。
3. 使用者に求められる労働時間把握義務の基本
休日出勤の労働時間を巡る問題を考える際、会社経営者として必ず押さえておくべきなのが、労働時間を把握・管理する責任は使用者にあるという基本原則です。これは実務上、非常に重要なポイントであり、「本人が申告したのだから問題ない」という説明は通用しません。
労働時間とは、単に会社にいる時間ではなく、会社の指揮命令下に置かれている時間を指します。そして、その労働時間を適正に把握し、賃金計算や健康管理に反映させる義務は、社員本人ではなく会社側にあります. 休日出勤であっても、この考え方は変わりません。
この点を誤解していると、「本人が勝手に長く働いた」「こちらは指示していない」という整理で済ませてしまいがちです。しかし、実際には、休日出勤を認めている、あるいは黙認している以上、その時間管理についても会社の責任が問われます。管理が甘い状態を放置していた場合、「把握義務を怠っていた」と評価される可能性があります。
会社経営者として特に注意すべきなのは、労働時間の把握義務と、過大計上の問題は表裏一体だという点です。客観的な管理が行われていなければ、過大計上が起きても、それを是正する根拠を示しにくくなります。「本当はそんなに働いていなかったはずだ」と感じていても、管理記録がなければ説得力を持ちません。
また、後になって労働時間を巡るトラブルが生じた場合、「会社としてどのように労働時間を把握していたのか」は必ず問われます。自己申告に任せきりだった場合、その時点で会社側の管理体制に問題があったと評価されやすくなります。
重要なのは、完璧な管理を目指すことではありません。会社として把握しようとしていたかどうかが問われます。休日出勤について、事前に業務内容や想定時間を整理していたか、事後に確認を行っていたか、といった姿勢が重要になります。
休日出勤の労働時間を巡る問題は、社員のモラルだけの問題ではありません。使用者としての管理責任をどう果たしているかが、問題の行方を大きく左右します。この基本を押さえたうえで、次に「なぜ過大計上が起きるのか」という原因を整理していく必要があります。
4. 過大計上が起きる最大の原因は「管理の欠如」
休日出勤の労働時間が過大に計上される問題について、会社経営者がまず直視すべきなのは、原因の多くが社員の悪意ではなく、会社側の管理の欠如にあるという点です。「水増しする社員が悪い」という見方だけでは、問題の本質を見誤ります。
過大計上が起きやすい職場の共通点は、「休日出勤について、事前の指示や枠組みが曖昧」であることです。何時から何時まで、どの業務を行うのか、どこまでが必要な作業なのかが整理されていないまま、「とりあえず来て対応してほしい」という形で休日出勤が行われているケースは少なくありません。
この状態では、社員側も「どこまでが労働時間なのか」を自己判断することになります。作業の合間の私的時間や、待機時間、だらだらと過ごした時間まで含めて申告してしまっても、「明確に間違っている」と言い切れる基準が存在しません。結果として、過大計上が起きやすい環境が作られてしまいます。
また、事後のチェックが行われていないことも、管理の欠如を助長します。申告された労働時間について、業務内容との整合性を確認しない、毎回そのまま承認していると、「このくらいなら通る」という認識が定着します。悪意がなくても、申告時間が少しずつ膨らんでいくのは自然な流れです。
会社経営者として注意すべきなのは、管理をしていない状態を黙認してしまうことです。「忙しいから仕方ない」「休日だから細かく言えない」という判断を重ねていると、後になって是正しようとした際に、「今まで問題にされなかった」「なぜ急に厳しくなるのか」という反発を招きやすくなります。
過大計上の問題は、最初から懲戒や不正の話として捉えるべきではありません。まずは、「管理の仕組みが存在しているか」「会社として基準を示しているか」を点検する必要があります。仕組みがなければ、問題は繰り返されます。
休日出勤の労働時間を適正に管理するためには、社員のモラルに期待する前に、会社として管理する姿勢と枠組みを明確にすることが不可欠です。この視点を持たずに対応を進めると、問題は別の形で再発する可能性が高くなります。
5. タイムカード・ICカード等の客観的記録の活用
休日出勤の労働時間を巡る過大計上問題に対して、会社経営者として現実的かつ有効な対応策が、客観的な記録を活用することです。タイムカード、ICカード、入退館記録、システムのログなど、第三者が見ても確認できる記録を基準に据えることで、労働時間管理の精度は大きく向上します。
重要なのは、これらの記録を「監視のための道具」と捉えないことです。目的は社員を疑うことではなく、労働時間の基準を明確にし、無用なトラブルを防ぐことにあります。客観的な記録があれば、「言った・言わない」「働いていた・いなかった」といった不毛な議論を避けることができます。
たとえば、休日出勤についても、出社時刻・退社時刻をタイムカードやICカードで記録するだけで、「少なくとも在社していた時間」は把握できます。これにより、自己申告された労働時間が著しく長い場合でも、事実関係を冷静に確認することが可能になります。
もっとも、ここで注意すべきなのは、在社時間=労働時間ではないという点です。客観的記録はあくまで基礎資料であり、そのすべてが労働時間になるわけではありません。しかし、客観的記録がなければ、そもそも検討の土台が存在しません。まずは「把握できる状態」を作ることが重要です。
また、客観的記録を導入する際には、事前に社員に対して運用ルールを明確に説明しておく必要があります。「休日出勤の場合も必ず打刻する」「入退館記録を勤怠確認に用いる」といったルールを周知することで、後から不意打ち的に問題にするリスクを避けられます。
会社経営者として意識すべきなのは、記録を取ること自体が管理姿勢の表明になるという点です。客観的な記録を基準に労働時間を確認する運用が定着すれば、過大計上は起きにくくなり、社員側の認識も自然と引き締まります。
休日出勤の労働時間問題は、感情や信用の問題ではなく、仕組みの問題です。タイムカードやICカードといった客観的記録を適切に活用することで、会社として合理的かつ説明可能な管理体制を構築することができます。
6. 在社時間と労働時間の考え方を整理する
休日出勤の労働時間を巡る問題で、会社経営者が必ず整理しておくべきなのが、在社時間と労働時間は同じではないという点です。この区別が曖昧なまま運用されていると、過大計上の問題は繰り返されます。
労働時間とは、社員が会社の指揮命令下に置かれている時間を指します。一方で、在社時間は、単に会社にいる、あるいは会社施設に滞在している時間にすぎません。休日出勤の場合、この二つが混同されやすく、「会社にいた時間=すべて労働時間」という認識が生まれがちです。
たとえば、休日に出社して作業を行った後、長時間の休憩を取ったり、私的な用事を済ませたりしていた時間まで含めて申告されるケースがあります。本人としては「会社に来ていた」という意識があるため、悪意なく在社時間をすべて労働時間として扱ってしまうことも少なくありません。
会社経営者として重要なのは、この点を社員任せにせず、どこからどこまでが労働時間なのかという考え方を明確に示すことです。休日出勤であっても、平日と同様に、業務に従事している時間のみが労働時間であるという原則は変わりません。
また、待機時間についても整理が必要です。会社の指示で待機している時間は労働時間に該当する可能性がありますが、本人の判断でだらだらと残っている時間は、必ずしも労働時間とは言えません。この線引きを曖昧にしたままでは、申告内容を是正することが難しくなります。
この整理を行う際に有効なのが、休日出勤の業務内容をあらかじめ限定することです。「この作業が終われば終了」「この対応が済めば帰宅」といった形で業務範囲を明確にしておけば、在社時間が無制限に膨らむことを防げます。
在社時間と労働時間の違いを整理することは、社員を締め付けるためではありません。労働時間を正確に評価し、無用なトラブルを防ぐための前提整理です。この考え方を共有できていない限り、どれだけ仕組みを整えても、過大計上の問題は解消しにくいと言えるでしょう。
7. 申告時間と客観記録にズレがある場合の対応
タイムカードやICカードなどの客観的記録を導入すると、休日出勤の申告時間と記録上の在社時間にズレが生じるケースが出てきます。この場面での対応を誤ると、問題が一気に紛争化しやすくなるため、会社経営者としては特に慎重な判断が求められます。
まず重要なのは、ズレがあること自体を直ちに不正と決めつけないことです。休日出勤では、業務の合間に休憩を取ったり、待機時間が発生したりすることもあり、本人に悪意がなくても申告と記録が一致しないことは十分にあり得ます。最初から責める姿勢で臨むと、話し合いが成り立たなくなります。
対応の第一歩は、事実確認です。「この日はどの業務を行っていたのか」「どの時間帯が実際の作業時間だったのか」を、具体的に確認します。この際、「なぜこんなに長く申告したのか」と問い詰めるのではなく、「業務内容を整理したい」というスタンスで聞くことが重要です。
次に、在社時間と労働時間の違いを改めて説明し、会社としての考え方を共有する必要があります。本人が「会社にいた時間はすべて労働時間だと思っていた」という認識であれば、ここで整理することで、今後の申告の精度は大きく改善します。
一方で、説明をしてもなお、申告内容が客観記録と大きく乖離している状態が続く場合には、対応を一段階進める必要があります。この段階では、「申告内容をそのまま認めることはできない」という会社としての判断を、冷静に伝えることが求められます。感情論ではなく、管理基準に基づいた対応であることを明確にします。
また、ズレが常態化している場合には、休日出勤のやり方そのものを見直す必要があります。事前に業務内容と想定時間を決める、終了時刻を報告させる、管理職が事後確認を行うといった仕組みを整えることで、申告と記録の乖離を防ぎやすくなります。
会社経営者として注意すべきなのは、「ズレがあるからすぐ処分する」という短絡的な判断です。管理体制が整っていない段階で強い対応を取ると、「会社の管理不足を棚に上げている」と受け取られかねません。まずは、基準を示し、運用を是正することが先決です。
申告時間と客観記録のズレは、管理体制を改善するためのサインでもあります。このサインを見逃さず、冷静に対応することで、過大計上の問題を実務的に収束させることが可能になります。
8. だらだら休日出勤を防ぐためのマネジメント視点
休日出勤の労働時間が過大になりやすい背景には、「必要以上に長く職場に居続けてしまう」という、いわゆるだらだら休日出勤の問題があります。これは社員個人の意識の問題というよりも、会社側のマネジメントのあり方が大きく影響しているケースがほとんどです。
平日の業務であれば、始業・終業の区切りが明確であり、周囲の目もあります。しかし休日出勤では、「今日は誰も見ていない」「急ぎではないが来た以上は何かしておこう」といった心理が働きやすく、業務の区切りが曖昧になりがちです。その結果、実質的な作業時間は短いにもかかわらず、在社時間だけが長くなることがあります。
会社経営者として重要なのは、休日出勤に「終わり」を設定することです。どの業務を行うための出勤なのか、その業務が終われば帰宅するというルールを明確にします。「とりあえず来て対応してほしい」という指示ではなく、「この作業を○時までに終わらせる」「この対応が済めば終了」と具体的に示すことが、だらだら出勤を防ぐ第一歩です。
また、休日出勤を許可制にすることも有効です。事前に業務内容と想定時間を確認し、必要性がある場合のみ認めることで、「来れば長く申告できる」という誤った認識を防げます。事後報告ではなく、事前管理に切り替えることがポイントです。
管理職が関与することも欠かせません。休日出勤については、「現場に任せきり」にせず、事後に業務内容や所要時間を確認するだけでも、社員の意識は大きく変わります。管理されているという認識があれば、不要に長く居続ける行動は自然と減っていきます。
会社経営者として注意すべきなのは、「休日に出てきてくれたのだから、多少長くても仕方ない」と考えてしまうことです。この遠慮が積み重なると、だらだら出勤が常態化し、結果として過大計上の温床になります。感謝と管理は分けて考える必要があります。
だらだら休日出勤の問題は、社員の意識改革だけでは解決しません。業務の区切りを作り、管理の目を入れるというマネジメントの工夫によって初めて改善が進みます。この視点を持つことで、次に述べる「処分を検討する前に見直すべき点」も見えてきます。
9. いきなり懲戒処分を検討する前に見直すべきこと
休日出勤の労働時間が過大に計上されていると感じたとき、会社経営者として真っ先に浮かびがちなのが、「これは不正ではないか」「懲戒処分を検討すべきではないか」という発想です。しかし、この段階でいきなり処分を考えるのは、実務上リスクが高い対応と言えます。
まず確認すべきなのは、会社として管理体制が整っていたかという点です。休日出勤の事前指示は明確だったか、業務内容や想定時間は示されていたか、在社時間と労働時間の区別は周知されていたか。これらが曖昧なまま運用されていた場合、過大計上の責任を社員側だけに帰すのは難しくなります。
また、自己申告制を前提とした運用を長期間続けていた場合、「これまで黙認されてきた」「問題にされたことがなかった」という反論が出ることも想定されます。この状態で突然懲戒処分を行うと、「会社の管理不足を棚に上げた処分だ」と評価されるリスクがあります。
会社経営者として取るべき順序は、まず基準とルールを明確にすることです。休日出勤の考え方、労働時間の範囲、申告方法、客観記録との関係を整理し、社員に周知したうえで運用を改めます。そのうえで、なお明確な逸脱がある場合に、初めて注意指導や処分の検討が現実的になります。
この段階での対応は、「不正を責める」ことではなく、「今後の運用を正す」ことが目的です。管理体制を整えずに処分だけを先行させると、問題は表面上収まったように見えても、別の形で再発する可能性が高くなります。
また、懲戒処分は会社にとっても大きな負担を伴う手段です。処分の相当性や手続の適正さが問われ、後から紛争に発展することも少なくありません。そのリスクを踏まえると、処分は最後の手段であるという位置づけを忘れてはいけません。
休日出勤の過大計上問題は、「社員の不正」か「会社の管理不足」かという二者択一ではありません。多くの場合、その両方が絡み合っています。だからこそ、懲戒処分を検討する前に、会社として見直すべき点を一つずつ整理することが、最も安全で合理的な対応と言えます。
10. 休日出勤そのものを経営判断として見直す重要性
休日出勤の労働時間を巡る過大計上の問題に直面したとき、会社経営者として最終的に立ち返るべきなのが、そもそも休日出勤を前提とした業務運営が適切なのかという視点です。個別の社員対応や管理方法をいくら見直しても、休日出勤が常態化している限り、同様の問題は繰り返されやすくなります。
休日出勤が頻発する職場では、「平日中に業務が終わらない」「人手が足りない」「とりあえず休日で調整する」といった構造的な問題を抱えていることが少なくありません。この状態を放置したまま、勤怠管理だけを厳しくしても、根本的な解決にはなりません。
会社経営者として重要なのは、休日出勤を「頑張り」や「善意」に依存した運用にしていないかを見直すことです。善意に依存した仕組みは、管理が緩みやすく、結果として労働時間の過大計上や不公平感を生みやすくなります。これは社員にとっても、会社にとっても健全とは言えません。
また、休日出勤を前提とする業務設計は、労働時間管理のリスクを高めるだけでなく、将来的な人材確保や定着にも悪影響を及ぼします。「この会社は休日が潰れる」「時間管理が曖昧だ」という評価が広がれば、採用や離職の面でも不利になりかねません。
経営判断として検討すべきなのは、業務量の見直し、人員配置の再検討、平日の業務効率化など、休日出勤を減らすための構造的な対策です。すぐにゼロにすることが難しくても、「本当に必要な休日出勤なのか」を一件ずつ精査する姿勢を持つだけで、状況は変わり始めます。
休日出勤を減らす方向に舵を切ることは、単なる働き方改革ではありません。労働時間管理の透明性を高め、過大計上のリスクを下げ、トラブルを未然に防ぐという意味で、極めて実務的な経営判断です。
休日出勤の過大計上問題は、特定の社員だけの問題として片付けるべきではありません。休日出勤という仕組み自体をどう位置づけるかを見直すことが、最終的には最も効果的な対処法になります。個別対応と並行して、この視点を持てるかどうかが、会社経営者としての対応力を大きく左右すると言えるでしょう。

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年2月28日

