問題社員87 作業指示に従わない派遣社員。
目次
動画解説
1. 作業指示に従わない派遣社員がいる場合の会社経営者の悩み
派遣社員が、会社の社員からの作業指示に従わず、自分勝手なやり方で作業を進めている。このような状況が生じると、会社経営者としては非常に困る問題だと感じるはずです。業務の品質や安全面への影響だけでなく、現場の混乱や不満にもつながりかねません。
派遣社員であっても、派遣先の指揮命令のもとで就労することが前提です。そのため、指示どおりに作業をしてもらえないというのは、決して軽く見てよい問題ではありません。「派遣社員だから仕方がない」と放置すべきものではなく、きちんと対処が必要な問題です。
もっとも、作業指示に従わないといっても、その背景はさまざまです。本当に意図的に指示を無視している場合もあれば、指示の内容を十分に理解できていないだけ、というケースも少なくありません。最初から強い対応を取るのではなく、何が原因なのかを冷静に見極めることが重要になります。
会社経営者としては、「どこまで派遣先として指示できるのか」「どの段階で派遣会社に相談すべきなのか」「懲戒処分のような対応は可能なのか」といった点で迷うことも多いでしょう。派遣社員特有のルールを理解しないまま対応すると、かえってトラブルを招くおそれもあります。
本記事では、作業指示に従わない派遣社員への対応について、派遣先としてまず行うべきことから、派遣会社との連携、注意すべき法的ポイントまでを、順を追って整理していきます。
2. 派遣社員も派遣先の作業指示に従う義務がある
まず大前提として確認しておきたいのは、派遣社員であっても、派遣先の指揮命令に従って就労する義務があるという点です。派遣社員は派遣元である派遣会社と雇用契約を結んでいますが、実際の業務については派遣先の指示を受けて働くことが前提となっています。
そのため、派遣先の社員が出した作業指示に従わず、自分の判断ややり方で勝手に作業を進めるというのは、本来あるべき姿ではありません。「派遣社員だから自由にやっていい」という考え方は誤りであり、派遣先としても見過ごすことはできない問題です。
会社経営者の中には、「直接雇用していないから強く言えないのではないか」と感じる方もいらっしゃいますが、契約で定められた業務の範囲内であれば、派遣先が作業方法や手順について指示することは当然に認められています。むしろ、指示を出さずに放置することの方が、業務上のリスクを高めてしまいます。
もっとも、派遣社員に対する指示は、労働者派遣契約で定められた業務内容の範囲内で行う必要があります。契約外の業務を指示したり、派遣社員の立場を超えた責任を負わせたりすることはできません。この点を誤ると、別の法的問題が生じるおそれがあります。
作業指示に従わない派遣社員への対応を考える際には、「派遣社員にも指示に従う義務がある」という原則と、「契約の範囲を守る必要がある」という二つの視点を、いずれも正しく押さえておくことが重要です。
3. 指示に従わない原因が「理解不足」の可能性を疑う
派遣社員が作業指示に従わないように見える場合でも、最初から「言うことを聞かない」「勝手にやっている」と決めつけるのは避けるべきです。実務上、実は指示の内容を十分に理解できていないだけ、というケースも少なくありません。
派遣先としては、「これくらい説明すれば分かるだろう」「普通に考えればこのやり方になるはずだ」と思っていても、派遣社員にとっては指示の抽象度が高く、何をどうすればよいのか分からないことがあります。その結果、本人なりに判断して作業を進め、派遣先から見ると「指示に従っていない」状態になってしまうのです。
特に注意したいのは、「自分の頭で考えてください」といった指示です。こうした言い方は、派遣社員に任せているように聞こえる一方で、具体的な作業内容が伝わらず、誤解や独自判断を生みやすくなります。派遣社員への作業指示としては、適切とはいえません。
まずは、「本当に指示内容は伝わっているのか」「どこまで理解しているのか」を確認する姿勢が重要です。理解不足が原因であれば、指示の出し方を工夫することで、問題が改善する可能性は十分にあります。
作業指示に従わない派遣社員への対応では、いきなり派遣会社に話を持ち込む前に、派遣先としてできる基本的な確認と工夫を行うことが、トラブルを拡大させないための第一歩となります。
4. 派遣社員への作業指示で重要な具体性と確認作業
派遣社員が作業指示に従わないように見える場合、まず会社経営者が見直すべきなのは、指示の出し方です。抽象的な指示ではなく、できるだけ具体的に何をどうすればよいのかを伝える必要があります。
例えば、「これを仕上げておいて」「いつものやり方でやってください」といった指示では、派遣社員にとっては判断材料が不足します。どの手順で、どこまで、どのような基準で行えばよいのかを、具体的に説明することが重要です。質問が出た場合には、その場でしっかり答える姿勢も欠かせません。
また、指示を出したら終わりにしないことも非常に重要です。実務上、「言うだけ言って、本当に指示どおりにできているかを確認していない」ケースは少なくありません。毎日である必要はありませんが、一定期間は実際の作業内容を確認し、指示どおりに進んでいるかをチェックするようにしてください。
もし指示どおりにできていない場合でも、すぐに「言うことを聞かない」と判断するのではなく、「どこが分かりにくかったのか」「どの部分で誤解が生じたのか」を確認し、修正点を具体的に伝えることが大切です。このやり取りを繰り返すことで、改善するケースも多くあります。
派遣社員への作業指示では、具体性と確認作業をセットで行うことが基本です。少し手間はかかりますが、この段階を丁寧に行うことが、その後のトラブルを防ぐための重要な土台となります。
5. 契約内容を踏まえて注意すべき指示の範囲
派遣社員が作業指示に従わないように見える場合、まず会社経営者が見直すべきなのは、指示の出し方です。抽象的な指示ではなく、できるだけ具体的に何をどうすればよいのかを伝える必要があります。
例えば、「これを仕上げておいて」「いつものやり方でやってください」といった指示では、派遣社員にとっては判断材料が不足します。どの手順で、どこまで、どのような基準で行えばよいのかを、具体的に説明することが重要です。質問が出た場合には、その場でしっかり答える姿勢も欠かせません。
また、指示を出したら終わりにしないことも非常に重要です。実務上、「言うだけ言って、本当に指示どおりにできているかを確認していない」ケースは少なくありません。毎日である必要はありませんが、一定期間は実際の作業内容を確認し、指示どおりに進んでいるかをチェックするようにしてください。
もし指示どおりにできていない場合でも、すぐに「言うことを聞かない」と判断するのではなく、「どこが分かりにくかったのか」「どの部分で誤解が生じたのか」を確認し、修正点を具体的に伝えることが大切です。このやり取りを繰り返すことで、改善するケースも多くあります。
派遣社員への作業指示では、具体性と確認作業をセットで行うことが基本です。少し手間はかかりますが、この段階を丁寧に行うことが、その後のトラブルを防ぐための重要な土台となります。
6. 指示を工夫しても改善しない場合に考える次の手段
具体的な作業指示を出し、質問にも答え、実際の作業内容を確認しながら修正点を伝える。このように、派遣先としてできる限りの工夫をしても、なお作業指示どおりに仕事ができない派遣社員がいることもあります。この段階まで来た場合には、次の対応を検討する必要があります。
実務上、このようなケースの多くは、指示に従う意欲がないというよりも、能力的な理由や適性の問題で、悪気なくできていない場合が少なくありません。派遣先がどれだけ努力しても、派遣社員本人の理解力や処理能力の問題で改善が難しいことも現実として存在します。
この段階で重要なのは、「もう少し言えば何とかなるはずだ」と同じ対応を繰り返さないことです。派遣先ができる範囲の指導や確認を尽くしても改善が見られないのであれば、それ以上を派遣先だけで抱え込む必要はありません。
指示を工夫しても改善しない場合には、派遣先だけで解決しようとせず、派遣会社と協議する段階に入ったと考えるべきです。派遣社員に関する問題は、派遣元である派遣会社と連携しながら対応することが、法的にも実務的にも適切です。
ここで無理に派遣先が問題を抱え続けると、現場の負担が増え、かえって業務に支障が出るおそれもあります。次の手段に進む判断をすることも、会社経営者に求められる重要なマネジメントの一つです。
7. 派遣会社と協議すべき理由と進め方
具体的な作業指示を出し、質問にも答え、実際の作業内容を確認しながら修正点を伝える。このように、派遣先としてできる限りの工夫をしても、なお作業指示どおりに仕事ができない派遣社員がいることもあります。この段階まで来た場合には、次の対応を検討する必要があります。
実務上、このようなケースの多くは、指示に従う意欲がないというよりも、能力的な理由や適性の問題で、悪気なくできていない場合が少なくありません。派遣先がどれだけ努力しても、派遣社員本人の理解力や処理能力の問題で改善が難しいことも現実として存在します。
この段階で重要なのは、「もう少し言えば何とかなるはずだ」と同じ対応を繰り返さないことです。派遣先ができる範囲の指導や確認を尽くしても改善が見られないのであれば、それ以上を派遣先だけで抱え込む必要はありません。
指示を工夫しても改善しない場合には、派遣先だけで解決しようとせず、派遣会社と協議する段階に入ったと考えるべきです。派遣社員に関する問題は、派遣元である派遣会社と連携しながら対応することが、法的にも実務的にも適切です。
ここで無理に派遣先が問題を抱え続けると、現場の負担が増え、かえって業務に支障が出るおそれもあります。次の手段に進む判断をすることも、会社経営者に求められる重要なマネジメントの一つです。
8. 能力不足の場合に派遣会社が果たす役割
派遣社員が作業指示に従えない原因が、意欲の問題ではなく、能力や適性の問題である場合も少なくありません。具体的な指示を出し、確認作業を行い、それでも改善しないのであれば、派遣先としてできる対応には限界があります。
このような場合に重要な役割を果たすのが、派遣会社です。派遣会社は、派遣社員のこれまでの就労状況や適性について、派遣先よりも多くの情報を持っていることが一般的です。また、派遣社員に対する教育指導や注意指導についても、専門的なノウハウを有しています。
派遣先から具体的な状況を伝えることで、派遣会社側で改めて指導やフォローを行ってくれるケースもあります。それでもなお改善が難しい場合には、「この業務内容には適していない」と判断し、別の派遣社員との交代を検討することも現実的な選択肢となります。
派遣先としては、「何とか今の派遣社員に対応させなければならない」と無理をする必要はありません。労働者派遣契約は、契約で定めた業務を適切に行える人材を派遣してもらうことが前提です。その前提が満たされない場合には、派遣会社と協議し、契約の見直しや人選の変更を求めることは正当な対応です。
能力不足が原因である場合、派遣先が一方的に抱え込むのではなく、派遣会社の役割を適切に活用することが、トラブルを拡大させないための重要なポイントとなります。
9. 懲戒処分を検討する際に派遣先が注意すべき点
派遣社員が、単なる能力不足ではなく、明らかにルールを守らない、指示に従う意識が乏しいといった場合には、「厳重注意や懲戒処分を行うべきではないか」と考える会社経営者もいるでしょう。直接雇用の社員であれば、そのような対応を検討する場面もあるかもしれません。
しかし、派遣社員については、この点で大きな注意が必要です。派遣社員を直接雇用しているのは派遣先ではなく、派遣元である派遣会社です。そのため、懲戒処分を行う権限を持っているのも、派遣会社になります。派遣先が独自に懲戒処分を行うことはできません。
派遣先としてできるのは、問題となっている事実関係を整理し、どのような指示を出し、どのような点が守られなかったのかを派遣会社に具体的に伝えることまでです。そのうえで、派遣会社側が懲戒処分を含めた対応を検討する、という流れになります。
この点を誤り、派遣先が感情的に強い対応を取ってしまうと、法的なトラブルにつながるおそれがあります。特に、派遣社員に対して直接「懲戒する」「処分する」といった言動をすることは避けるべきです。
作業指示に従わない派遣社員への対応では、派遣先としてできることと、派遣会社に委ねるべきことの線引きを正しく理解することが重要です。適切な役割分担を意識し、派遣会社と連携しながら対応することで、不要なリスクを避けつつ、問題解決を図ることができます。
最終更新日2026/2/6

